到達目標
1. 原子の構造と電子配置が理解できること。
2. 化学結合と物質の構造・性質との関係を理解できること。
3. 固体化学、錯体化学を理解すること。
4. 酸と塩基、酸化と還元を理解すること。
5. 元素およびその化合物がどのような材料として利用されているか理解できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 量子力学の概念に基づいて原子の構造と電子配置が理解できる。 | 原子の構造と電子配置が理解できる。 | 原子の構造と電子配置が理解できない。 |
評価項目2 | 化学結合と物質の構造・性質との関係が理解できる。 | 化学結合の分類と特徴が理解できる。 | 化学結合の分類と特徴が理解できない。 |
評価項目3 | 固体の結合、錯体の立体学が理解でき、結合様式と結晶構造との関連性、原子価結合理論、静電結晶場理論が理解できる。 | 固体の結合、錯体の立体学に関する基本概念が理解できる。 | 固体の結合、錯体の立体学に関する基本概念が理解できない。 |
評価項目4 | 酸と塩基、酸化と還元の定義と原理を理解し、電極などへの応用が習得できる。 | 酸と塩基、酸化と還元の定義と原理が理解できる。 | 酸と塩基、酸化と還元の定義と原理が理解できない。 |
評価項目5 | 元素およびその化合物の性質とそれがどのような材料として利用されているか理解できる。 | 元素およびその化合物の性質ができる。 | 元素およびその化合物の性質ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
すべての元素を対象とする無機化学の特質と基礎知識の習得を目的とする。まず、原子の構造、化学結合、分子軌道理論、周期表、固体の結晶構造、錯体の立体化学などの基礎事項を系統的に学習する。また、電気陰性度、イオン化エネルギー、酸と塩基、酸化と還元につてい紹介する。さらに、典型元素、遷移元素を含む化合物の各論を紹介する。
授業の進め方・方法:
講義中に簡単な演習問題を解かせる、あるいは、宿題を出して次回講義で解答させる。
異性体や配位子の構造を模型を使って説明する。
注意点:
化学1,2で習得した内容を基礎とする。平行して開設されている有機化学の内容を参考にすると理解が深まる。高学年時に開講される無機材料学、有機材料学、量子化学などの基礎となる科目である。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
無機化学の内容、領域。化学用語、単位。 |
無機化学の内容、領域を理解し、化学用語、単位、濃度の使用を学習する。
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2週 |
原子のボーアモデル。 |
水素の輝線スペクトルと水素原子のボーアモデル。
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3週 |
波動関数および水素型原子のエネルギー準位。 |
エネルギーの量子化を理解し、水素型原子のエネルギー準位を計算する。
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4週 |
量子数および原子軌道。 |
量子数と原子軌道を理解する。動径分布関数を解釈できる。
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5週 |
原子軌道の角度方向の形。 |
s、p、d、f軌道の形を理解する。
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6週 |
多電子原子の電子配置。 |
貫入と遮蔽を理解し、多電子原子の電子配置を理解する。
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7週 |
電子配置と周期表 |
電子配置と元素の物理的周期性・イオン化エネルギー・電子親和力の周期性との関係をを説明できる。
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8週 |
まとめと復習 |
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2ndQ |
9週 |
中間テスト |
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10週 |
ルイス構造
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オクテット則に基づくルイス構造を理解する。
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11週 |
VSEPR理論と分子の形 |
VSEPR理論を理解し、この理論を用いて分子やイオンの形を予測する。
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12週 |
原子価結合理論 |
軌道の重なりを理解し、混成軌道の形成を理解する。
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13週 |
分子軌道理論 |
結合・反結合性軌道について理解し、等核・異核二原子分子の電子配置を理解する。
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14週 |
ブレンステッド酸と塩基 |
ブレンステッド酸とブレンステッド塩基の定義とその強さを理解する。
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15週 |
ルイス酸とルイス塩基 |
ルイス酸とルイス塩基の定義とその強さを理解し、HSABの概念を理解する。
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16週 |
期末テスト |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
結晶の種類とその定義 |
7種類の結晶系と4種類の空間格子を理解する。
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2週 |
結晶構造の間隙 |
最密構造の充填率(間隙)を計算する。
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3週 |
イオン性化合物の構造 |
代表的なイオン結晶の構造を理解し、その構造の理論的説明をする。
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4週 |
イオン性化合物の格子エネルギー |
格子エネルギーを計算し、格子エネルギーと融点の関係などを説明する。
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5週 |
まとめと復習 |
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6週 |
標準電極電位 |
標準電極電位を理解し、標準起電力を計算する。
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7週 |
ネルンスト式 |
ネルンスト式を理解し、電池の起電力を求める。
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8週 |
まとめと復習 |
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4thQ |
9週 |
テスト |
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10週 |
水素,1,2、13,14族元素 |
元素の性質、化合物について学習する。
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11週 |
15ー18族元素、遷移元素 |
元素の性質、化合物について学習する。
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12週 |
金属錯体 |
金属錯体の定義、構造、命名法を理解する。
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13週 |
金属錯体の構造と異性化 |
構造異性体と立体異性体を理解する。
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14週 |
結晶場理論 |
金属の結晶場理論を理解する。
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15週 |
金属錯体の色と磁気的性質 |
結晶場理論を用いて、金属錯体の色と磁気的性質を説明する。
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16週 |
期末テスト |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 前3 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 前2 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 前4 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 前4 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | 前5 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 前5 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 前8 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前6 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 前8 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 前7 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 前8 |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 前10,前11,前12 |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 前13 |
水素結合について説明できる。 | 4 | 後10 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | 前13 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 前14 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 前15 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後15 |
評価割合
| 定期試験 | 小テスト | ポートフォリオ | 発表・取り組み姿勢 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 20 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 10 | 0 | 0 | 40 |
専門的能力 | 30 | 0 | 10 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |