無機化学1

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 無機化学1
科目番号 1413B01 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 無機化学 その現代的アプローチ 第2版 (東京化学同人)
担当教員 鄭 涛

到達目標

1. 原子の構造と電子配置が理解できること。
2. 化学結合と物質の構造・性質との関係を理解できること。
3. 固体化学を理解すること。
4. 酸と塩基を理解すること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子力学の概念に基づいて原子の構造と電子配置について説明できる量子力学の概念に基づいて原子の構造と電子配置について簡単に説明できる。量子力学の概念に基づいて原子の構造と電子配置について説明できない。
評価項目2 化学結合と物質の構造・性質との関係について説明できる 化学結合と物質の構造・性質との関係について簡単に説明できる。 化学結合と物質の構造・性質との関係について説明できない。
評価項目3固体の結合、立体学が理解でき、結合様式と結晶構造との関連性について説明できる固体の結合、立体学が理解でき、結合様式と結晶構造との関連性について簡単に説明できる。固体の結合、立体学が理解でき、結合様式と結晶構造との関連性について説明できない。
評価項目4酸と塩基の定義や強さを理解し、酸塩基反応について説明できる酸と塩基の定義や強さを理解し、酸塩基反応について簡単に説明できる。酸と塩基の定義や強さを理解し、酸塩基反応について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.すべての元素を対象とする無機化学の特質と基礎知識の習得を目的とする。
2.原子の構造、化学結合、分子の構造、分子軌道理論、周期表などの基礎事項を系統的に学習する。
3.酸と塩基の定義や強さ、酸化還元および電池・電極反応につてい紹介する。
授業の進め方・方法:
講義中に簡単な演習問題を解かせる、あるいは、宿題を出して次回講義で解答させる。

注意点:
化学1,2で習得した内容を基礎とする。平行して開設されている有機化学の内容を参考にすると理解が深まる。高学年時に開講される無機材料学、有機材料学、量子化学などの基礎となる科目である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 無機化学の内容、領域。化学用語、単位。 無機化学の内容、領域を理解し、化学用語、単位、濃度について説明できる。
2週 水素の輝線スペクトル。 水素の輝線スペクトルについて説明できる。
3週 原子のボーアモデル。 水素原子のボーアモデルについて説明できる。 
4週 波動関数および水素型原子のエネルギー準位。 エネルギーの量子化を理解し、水素型原子のエネルギー準位について説明できる。
5週 量子数および原子軌道。 量子数と原子軌道について説明できる。
6週 原子軌道の角度方向の形。 s、p、d、f軌道の形を理解し、説明できる。
7週 多電子原子の電子配置。 貫入と遮蔽を理解し、多電子原子の電子配置について説明できる。 
8週 まとめと復習 演習と復習
2ndQ
9週 中間試験
10週 電子配置と周期表 
電子配置と周期表について説明できる。
11週 元素の物理的性質の周期性  元素の物理的性質の周期性・イオン化エネルギー・電子親和力の周期性との関係について説明できる。
12週 ルイス構造   オクテット則に基づくルイス構造について説明できる。
13週 VSEPR理論と分子の形  VSEPR理論を理解し、この理論を用いて分子やイオンの形を予測できる。
14週 結合の極性と双極子モーメント  分子の極性と双極子モーメントについて説明できる。結合のイオン性について説明できる。
15週 まとめと復習 
16週 期末試験答案返却
後期
3rdQ
1週 原子価結合理論1   原子価結合理論や混成軌道について説明できる。
2週 原子価結合理論2   原子価結合理論や混成軌道について説明できる。 
3週 分子軌道理論1   結合・反結合性軌道について理解し、等核・異核二原子分子の電子配置いついて説明できる。
4週 分子軌道理論2   結合・反結合性軌道について理解し、等核・異核二原子分子の電子配置いついて説明できる。
5週 結晶の種類とその定義。 結晶の種類とその定義について説明できる。7種類の結晶系と4種類の空間格子を理解する。
6週 金属結晶の構造 金属結晶の種類と構造について説明でき、最密構造の充填率(間隙)などの計算ができる。 
7週 イオン性化合物の構造   代表的なイオン結晶の構造を理解し、その構造の理論的説明をする。
8週 中間試験
4thQ
9週 格子エネルギーとボルン・ハーバーサイクル  ボルン・ハーバーサイクルを用いて格子エネルギーを計算することができる。 
10週 格子エネルギーの計算およびマーデルング定数     マーデルング定数について説明でき、格子エネルギーと融点の関係などを説明する。
11週 酸と塩基の定義。 酸と塩基の定義について説明できる。
12週 ブレンステッド酸と塩基の強さ   ブレンステッド酸とブレンステッド塩基の強さについて説明できる。 
13週 ルイス酸とルイス塩基  ルイス酸とルイス塩基の定義とその強さについて説明できる。 
14週 ルイス酸とルイス塩基の強さ  HSABの概念について説明できる。
15週 復習
16週 期末試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4前3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4前2
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4前4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4前4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3前5
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3前5
イオン結合と共有結合について説明できる。3前8
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3前6
金属結合の形成について理解できる。4前8
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4前7
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4前8

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合7003000100
基礎的能力250150040
専門的能力250150040
分野横断的能力20000020