化学工学実験

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学工学実験
科目番号 1413T04 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 化学工学実験テキスト(担当教員作成)
担当教員 奥本 良博,一森 勇人,鄭 涛,西岡 守

到達目標

1.物質収支とエネルギー収支の観点から 流体、伝熱の原理が説明でき、操作を身につけること。
2. 気液分離(蒸留)、乾燥、吸着、粉体に関する原理が説明でき、操作を身につけること。
3. チーム内の人と協力して実験とデータ整理の実施ができること。
4. 原理を応用する能力と工程設計の内容について計画、データ整理、レポート作成能力を身につけること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(不可)
評価項目1流体(円管内摩擦係数の測定、流量係数の測定)、伝熱(二重管熱交換)の測定方法と原理が理解でき、理論値と実験値の比較ができる。流体(円管内摩擦係数の測定、流量係数の測定)、伝熱(二重管熱交換)の測定方法と原理が理解できる。流体(円管内摩擦係数の測定、流量係数の測定)、伝熱(二重管熱交換)の測定方法と原理が一部、理解できる。
評価項目2気液分離(単蒸留、蒸留塔)、乾燥、吸着、粉体の測定方法と原理が理解でき、理論値と実験値の比較ができる。気液分離(単蒸留、蒸留塔)、乾燥、吸着、粉体の測定方法と原理が理解できる。気液分離(単蒸留、蒸留塔)、乾燥、吸着、粉体の測定方法と原理が一部、理解できる。
評価項目3リーダーとしてチーム内の人と協力して実験とデータ整理の実施ができる。チーム内の人と協力して実験とデータ整理の実施ができる。チーム内の人と協力して実験とデータ整理の実施が一部、できる。
評価項目4原理を応用する能力と工程設計の内容について計画とデータ整理ができる。原理を応用する能力と工程設計の内容についてデータ整理ができる。原理を応用する能力と工程設計の内容についてデータ整理が一部、できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学工学の知識は独創性や応用面への活用が必要であり、学習には実験と実習が欠かせない。装置に直接触れて、装置の構成と操作方法を理解すると共に理論および計算式を実験データと対比して理解できるようにする。
授業の進め方・方法:
各テーマごとの実験装置を操作してデータの取り方、データの解析を行い、装置内で発生する現象を工学的に処理する方法を学び、実験を通じて解析に用いる物質、運動量、エネルギー収支および原理を深く理解させる。また、装置の運転、配管の実習などを通して、実際の技術を習得する。
注意点:
「化学工学基礎」「化学工学1」で習得した内容を基礎とする。数学、物理、物理化学、化学工学を十分に理解しておくことが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション(実験目的の説明、報告書作成法の指導、一般的注意、数値取り扱い方法、物性定数などの説明。) 実験目的を理解し、報告書作成法を習得する。
2週 固体乾燥に関する座学。 固体乾燥に関する理論を理解する。
3週 含水固体材料の熱風乾燥を行う。原料曲線と乾燥特性曲線を作成し、平衡含水率と限界含水率を推定させる。 乾燥操作を身に着ける。データを整理し、原料曲線と乾燥特性曲線を作成できる。平衡含水率と限界含水率の推定ができる。
4週 蒸留に関する座学。 物質収支、蒸留に関する理論を理解する。
5週 二成分系を試料として単蒸留を行い、理論値と比較する。また物質収支を行う。 単蒸留の操作ができる。実験値と理論値の比較ができる。物質収支の計算ができる。
6週 流体に関する座学。 流体に関する理論を理解する。
7週 粒度分布、熱移動に関する座学。 粒度分布、熱移動に関する理論を理解する。
8週 サンプルを篩分法により各粒子径ごとに分け、累積度数分布図、粒度分布図を作成する。 篩分法の操作をみにつける。粒度分布図の作成ができる。
4thQ
9週 蒸留塔を用いて、連続精留を行い、充填物の性能を確かめるとともに、内部観察を通じて気液の物質移動の機構を理解する。 連続蒸留の原理と操作を理解する。気液の物質移動の機構を理解する。
10週 円管の摩擦係数を測定する方法を学ぶ。また、レーノルズ数と摩擦係数の関係を理解させる。 管路を流れる流体の摩擦係数を測定する方法を習得し、レーノルズ数と摩擦係数の関係を理解する。
11週 高温高圧水を発生する装置を用いて水蒸気の温度と圧力を調製し、管内流体の温度と流量を測定する。同時に加熱による熱交換の熱収支、熱流量と総括伝熱係数を測定する。 管内流体の温度と流量の測定す方法を習得する。熱交換の熱収支、熱流量と総括伝熱係数の測定方法を理解する。
12週 吸着に関する座学。 吸着に関する理論を理解する。
13週 活性炭に対する種種の無機酸の吸着実験を行う。吸着等温線による解析を通じて、吸着平衡の原理を理解する。 吸着の操作ができる。吸着量の測定より、吸着平衡を理解し、吸着等温性の作成ができる。
14週 工場見学。工場のプラントなどを見学することによって、化学工学の知識を深化させ、特に生成の効率と安全性を理解させる。 化学工学の知識を深化する。工場生産の効率と安全性への追求を理解する。
15週 試験。およびこれまで行った実験のレポート最終確認。 データ整理能力、レポート作成能力を身につける。
16週 実験コンテスト。 実験の設計、シミュレーション能力、実験の実施、データ解析能力を身に着ける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3後10
流れの物質収支の計算ができる。3後10
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。3後10
蒸留の原理について理解できる。3後4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。3後5,後9
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。3後5,後9
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後12,後13
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4後1
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4後4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4後6,後7,後11

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合20050030100
基礎的能力1003002060
専門的能力1002001040
分野横断的能力000000