分析化学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 分析化学
科目番号 1414C01 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 クリスチャン分析化学 原書7版 I.基礎編(丸善出版)、高等学校化学(第一学習社)
担当教員 山田 洋平

到達目標

分析化学の基礎となる溶液内の化学平衡(主に酸塩基平衡・沈殿平衡)に関する理論の習得を目的とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
化学平衡化学平衡の考え方を酸塩基・錯生成・沈殿・分配平衡に展開し、目的成分の濃度を求める計算問題を解くことができる。化学平衡の考え方を酸塩基・沈殿平衡に展開し、目的成分の濃度を求める計算問題を解くことができる。化学平衡の考え方を用いて、基本的な酸塩基・沈殿平衡に関する問題を解くことができる。
データ処理実験値を統計的解析の知識を用いて解釈し、記述することができる。実験値の情報を統計的解析の知識を用いて、読み取ることができる。実験値の情報を統計的解析の知識を用いて、読み取ることができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析化学は試料に含まれる成分やその含有量を調べたり、それらの化学構造や存在状態を解析する学問である。普段あまり意識をすることはないが、分析化学の技術や考え方は、医療・食品・環境など社会の広い分野で利用されている。本講義では、分析化学の基礎となる溶液内の化学平衡(酸塩基平衡・錯生成平衡・沈殿平衡・分配平衡)に関する理論の習得を目的とする.
授業の進め方・方法:
講義と演習により進める。
注意点:
講義では関数電卓を使用する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 分析化学ガイダンス・高校化学からの復習
分析化学の目的や関連領域について説明できる。化学量論計算の復習+α。
2週 化学量論計算
容量分析・重量分析に関する演習問題を解く。
3週 化学平衡の一般的概念
化学平衡の概念を説明し、平衡定数を求める式を立式できる。
4週 ギブス自由エネルギーと平衡定数1 ギブス自由エネルギーと平衡定数の関係式について説明できる。
5週 ギブス自由エネルギーと平衡定数2 ルシャトリエの原理について説明できる。
6週 平衡定数を用いる計算1 平衡定数を用いた演習問題を解くことができる。
7週 平衡定数を用いる計算2 活量、活量係数、イオン強度の概念を学び、演習問題を解くことができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 酸・塩基に関する化学平衡1
弱酸の塩・弱塩基の塩の溶液、緩衝液のpH計算を計算できる。
10週 酸・塩基に関する化学平衡2
緩衝溶液のpH計算ができる。
11週 酸・塩基に関する化学平衡3
多塩基酸とその塩に関する演習問題を解くことができる。
12週 重量分析と沈殿平衡1
重量分析の手順、基本用語を説明できる。分析成分の存在量を計算できる。
13週 重量分析と沈殿平衡2
溶解度積を用いた演習問題を解くことができる。
14週 分析化学におけるデータ処理1 真度と精度、確定誤差と偶然誤差を説明できる。有効数字と標準偏差を考慮した四則演算ができる。
15週 分析化学におけるデータ処理2
Q検定や検出限界、定量限界について説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
錯体の生成について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4

評価割合

試験課題レポート発表合計
総合評価割合65305100
基礎的能力0000
専門的能力65305100