物理化学3

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学3
科目番号 1414D11 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:福地賢治編 Professinal Egineering Library 「物理化学」 実教出版
担当教員 吉田 岳人

到達目標

1.熱力学の基礎概念と熱力学第1法則を理解し、関連した熱力学的問題を解析的手法で解き、定量的解を得ることができる。また化学への応用として、標準反応熱及び任意温度の反応熱を求めることができる。
2.熱力学第2法則、エントロピー、熱力学基本法則から、断熱系ではエントロピー増大の方向に状態変化することを理解する。ギブスエネルギーとヘルムホルツエネルギーを用いて、状態変化の方向と平衡条件を表現できる。
3.相平衡と溶液に熱力学的手法を取り入れることで、これらの性質を解析的手法で導き、定量的解を得ることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
評価項目1熱力学の基礎概念と熱力学第1法則を理解し、関連した熱力学的問題を解析的手法で解き、定量的解を得ることができる。また化学への応用として、標準反応熱及び任意温度の反応熱を求めることができる。(参考書レベル)熱力学の基礎概念と熱力学第1を理解し、関連した熱力学的問題を解析的手法で解き、定量的解を得ることができる。また化学への応用として、標準反応熱及び任意温度の反応熱を求めることができる。(指定教科書レベル)熱力学の基礎概念と熱力学第1を理解し、関連した熱力学的問題を解析的手法で解き、定量的解を得ることが一部できる。また化学への応用として、標準反応熱及び任意温度の反応熱を求めることが一部できる。
評価項目2熱力学第2法則、エントロピー、熱力学基本法則から、断熱系ではエントロピー増大の方向に状態変化することを理解する。ギブスエネルギーとヘルムホルツエネルギーを用いて、状態変化の方向と平衡条件を表現できる。(参考書レベル)熱力学第2法則、エントロピー、熱力学基本法則から、断熱系ではエントロピー増大の方向に状態変化することを理解する。ギブスエネルギーとヘルムホルツエネルギーを用いて、状態変化の方向と平衡条件を表現できる。(指定教科書レベル).熱力学第2法則、エントロピー、熱力学基本法則から、断熱系ではエントロピー増大の方向に状態変化することを一部理解できる。ギブスエネルギーとヘルムホルツエネルギーを用いて、状態変化の方向と平衡条件を一部表現できる。
評価項目3相平衡と溶液に熱力学的手法を取り入れることで、これらの性質を解析的手法で導き、定量的解を得ることができる。(参考書レベル)相平衡と溶液に熱力学的手法を取り入れることで、これらの性質を解析的手法で導き、定量的解を得ることができる。(指定教科書レベル)相平衡と溶液に熱力学的手法を取り入れることで、これらの性質を解析的手法で導き、定量的解を得ることが一部できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義は、化学分野の基礎となる物理化学の中で、19世紀に確立した熱力学について、数学的手段を強化して一貫した理論体系として把握する。次に化学への重要な応用として、相平衡と溶液を熱力学の観点から数理的に理解することを学ぶ。演習問題を多く取り入れることで問題解決能力を養い、応用化学分野への適応能力を身につける。この科目は企業で、半導体集積素子の設計及び製造プロセスの研究・開発を担当していた教員が、その経験を活かし、化学熱力学について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業内容は授業計画を参照すること。基本的に講義形式をとる。板書が主体であるが,関連資料のスライド紹介も取り入れる.学生への発問はするので(3-5回/1コマ),積極的に答えること。指名されない学生も積極的に考えること。計15回(計約60問)の課題は、自主的に考えて解き問題解法の力を養うこと。
注意点:
3年生までの数学・物理・化学系科目の知識を前提として活用するので、これらの内容をしっかり復習しておくこと。また授業各回毎に出された課題の実施を含む自学自習が不可欠である。授業時間内に自学自習課題の解説を十分に行うことは不可能なので、疑問点があれば質問に来ること。質問にあたっては、先ず自分で調べ考えてみて、何が理解できなかったのかをはっきりさせてから質問に来ること。
シラバス指定参考書:千原・稲葉訳 「アトキンス 基礎物理化学-分子論的アプローチ-(上)・(下)」 第2版 東京化学同人

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学の基礎概念 熱力学に必要な基礎概念(SI単位系、圧力、熱容量・比熱、熱、仕事、内部エネルギー等を理解し、換算などの簡単な計算ができる。
2週 熱力学第1法則:熱力学第1法則 第1法則とその基となる各種過程(準静的、可逆・不可逆)について説明でき、和差による各種計算に活用できる。
3週 熱力学第1法則:各種変化 各種(定積・定圧・等温・断熱)変化における内部エネルギー・エンタルピー・仕事などの計算ができて、断熱変化においては、マイヤーの関係式・ポアッソンの式を理解し活用できる。
4週 熱力学第1法則:反応熱 標準生成熱から標準反応熱を計算し、キルヒホッフの式を用いて任意の温度の反応熱が計算できる。
5週 熱力学第2法則: 第2法則を定性的に理解し説明できる。カルノーサイクルの動作を理解し、作業物質を理想気体とした場合の効率を計算できる。
6週 熱力学第2法則: 第2法則(熱比の式)から状態量であるエントロピーの存在を導出できる。膨張・温度変化など各種変化のエントロピー計算ができる。
7週 熱力学第2法則: 熱力学ポテンシャル(ギブスエネルギー、ヘルムホルツエネルギー)を用いて、等温・等圧変化、等温・等積変化の方向あるいは平衡状態を説明することができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 熱力学第2法則: マックスウェルの関係式を理解し、熱力学的状態量(独立、従属)間の関係を導くことができる。またギブス-ヘルムホルツの式を導出できる(平衡定数温度依存性の基礎)。
10週 熱力学第3法則: 第3法則に基づいて標準エントロピーについて説明できる。簡単な化学反応におけるエントロピー変化(任意温度)を計算することができる。
11週 相平衡と溶液: 相転移・相平衡について理解し、ギブスの相律を活用することができる。純物質の状態図を理解し、クラウジウス-クラペイロンの式を理解・活用して、圧力変化と相転移温度の関係を導ける。
12週 相平衡と溶液: 2成分系の気-液平衡条件を理解し、ラウールの法則から理想溶液の蒸気圧を計算できる。
13週 相平衡と溶液: ヘンリーの法則から理想希薄溶液の蒸気圧・液体のガス吸収を計算できる。
14週 相平衡と溶液: 活量の定義から実在溶液の蒸気圧・沸点を算出できる。
15週 相平衡と溶液: 束一的性質を理解し、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧に関係する計算ができる。
16週 期末試験答案返却・解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢課題・レポート合計
総合評価割合6000040100
基礎的能力200001030
専門的能力300002050
分野横断的能力100001020