各研究室における研究テーマに関連する実験(調査)を実施することにより、研究における課題解決のプロセスを体得する。「学生実験」と「卒業研究」の根本的な違いについて認識する。
概要:
学生は4〜5名の少人数グループに分かれ、最初の4回は生化学的な実験を行う。その後、週替りで化学コースの全研究室をまわる。各研究室で提示される実験または調査に取り組むことで、自分が所属したい研究室・取り組みたい研究テーマの指針を定めるとともに、卒業研究を実施する上で必要な作法(課題の抽出と解決にかかる考え方・取り組み方)について学ぶ。この科目のうち4校時分は、企業で半導体集積素子の設計及び製造プロセスの研究・開発を担当していた教員が、その経験を活かし、物質化学について実験形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
あらかじめ配布されるレジュメで実験内容や作業工程を予習しておき、各研究室において卒業研究のテーマに関連する実験または調査に取り組む。実験・調査終了後はレポートを提出し、実施内容に関する小テストを受ける。
【授業時間60時間+自学自習時間30時間】
注意点:
1. 各回のはじめに安全確保についての説明があるので、開始時間までにレジュメに記載された場所に集合すること。
2. それぞれの実験または調査にふさわしい衣服・履物・保護用品を着用すること(詳しくはレジュメを参照のこと)。
3. それぞれの実験または調査に必要な物品を携帯すること(詳しくはレジュメを参照のこと)。
4. 担当教員の指示や注意事項に従い、気を引き締めて取り組むこと。
5. レポートは実験(調査)終了後1週間以内に提出すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験ガイダンス |
実験時の安全対策とこれからの実験内容を説明できる。
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2週 |
DNA、タンパク質の抽出 |
DNA、タンパク質を抽出できる。
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3週 |
制限酵素処理 |
DNAを制限酵素処理後に電気泳動で分離できる。
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4週 |
タンパク質の活性測定 |
タンパク質の活性を測定できる
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5週 |
透光性アルミナセラミックスの焼結 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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6週 |
外来種の分布状況調査-タンポポ調査 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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7週 |
セラミックス蛍光体の作製と評価 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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8週 |
チタン酸リチウムナノ粒子の合成と評価 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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2ndQ |
9週 |
マンデル酸の光学分割 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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10週 |
各研究室の卒業研究テーマに関連する実験(調査)の実施。 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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11週 |
物質の分離と成分分析 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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12週 |
各研究室の卒業研究テーマに関連する実験(調査)の実施。 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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13週 |
各研究室の卒業研究テーマに関連する実験(調査)の実施。 |
各実験(調査)の意味を説明でき、安全に実施することができる。
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14週 |
実験(調査)内容における発表・試問の実施 |
これまでに実施した実験(調査)の結果について説明し、どのような問題解決につながったかを説明できる。
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15週 |
企業・研究機関における研究開発について学習 |
実務における課題発見および問題解決について説明できる。
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16週 |
予備日 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 有機化学実験 | 加熱還流による反応ができる。 | 4 | |
蒸留による精製ができる。 | 4 | |
吸引ろ過ができる。 | 4 | |
再結晶による精製ができる。 | 4 | |
分液漏斗による抽出ができる。 | 4 | |
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。 | 4 | |
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 4 | |
収率の計算ができる。 | 4 | |
物理化学実験 | 相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。 | 4 | |
生物工学実験 | 適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 3 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 3 | |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 3 | |
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。 | 3 | |
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。 | 3 | |
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。 | 3 | |
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。 | 3 | |
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。 | 3 | |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | |
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。 | 3 | |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 3 | |
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。 | 3 | |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 3 | |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |