電気基礎

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気基礎
科目番号 1493402 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 初歩から学ぶ基礎物理学/電磁気・原子,電磁気・原⼦問題集(大日本図書)
担当教員 中村 厚信

到達目標

1. 対称性の良い電荷分布に対する電場・電位を計算できる。
2. 直流回路に対してキルヒホッフの法則を用いた計算ができる。
3. コンデンサー・コイルに関する計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安
到達目標1対称性の良い形状に対してガウスの法則を適用した計算ができる。点電荷に対してガウスの法則を適用した計算ができる。平面電荷に対してガウスの法則を適用した計算ができる。
到達目標2複雑な直流回路に対してキルヒホッフの法則を適用できる。複数の電源をもつ簡単な直流回路に対してキルヒホッフの法則を適用できる。1つの電源と2つの分岐点をもつ直流回路に対してキルヒホッフの法則を適用できる。
到達目標3RLC回路に関する計算ができる。RL, RC回路に流れる電流を計算できる。コンデンサーやコイルに交流電圧が印加されているときの電流-電圧波形を描くことができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 電磁気学は、今後電気化学や量子論を学ぶために必要とする重要な知識である。しかしそれを学ぶためには、基礎的な数学の知識を必要とする。例えば電場や磁場の計算にはベクトル、電磁気の法則では微分や積分、さらにそのための初頭関数に関する知識などである。従って、本科目では先ずベクトル、指数関数、対数関数に関する復習、次に微分・積分の復習を行う。その後、それらを用いて電場と電位、電流と磁場、電磁誘導や交流の学習へと進んでいく。
授業の進め方・方法:
 前期の数学の復習に関する授業では、まず最初に各回の復習内容を説明した後、演習を行っていく。後期から、電磁気学に関することを次の順で学ぶ。なお、頻繁に小テストを行う。
 先ずクーロンの法則をもとに電場と電位、応用としてコンデンサーについて学ぶ。
 次にオームの法則、キルヒホッフの法則をもとに電流と回路について学ぶ。
 その後、ビオ・サバールの法則をもとに電流と磁場の関係について学ぶ。
 最後にファラデーの電磁誘導の法則をもとに電磁誘導、および交流について学ぶ。
注意点:
 本科目で指定した教科書に加え、今まで用いてきた数学や物理の検定教科書も良く読んで、学習していくこと。また、小テストも頻繁に行うので、必ず予習・復習を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトルの計算 ベクトルの成分を用いた定数倍・和・差の計算ができる。
2週 ベクトルの計算 ベクトルの内積と外積の計算ができる。
3週 ベクトルの計算 位置ベクトルにより空間内の点を表すことができる。
4週 ベクトルの計算 単位ベクトルを用いてクーロンの法則を表現できる。
5週 指数関数の計算 指数法則に関する計算ができる。
6週 指数関数の計算 指数関数に対する計算ができる。
7週 対数関数の計算 対数関数に関する計算ができる。
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 指数関数と対数関数の計算 指数関数から対数関数への変換ができる。
10週 整式の微分・積分 整式について微分・積分の計算ができる。
11週 整式の最大・最小 整式の最大・最小の値を求めることができる。
12週 積の微分・商の微分・合成関数の微分 積の微分・商の微分・合成関数の微分ができる。
13週 指数関数・対数関数の微分 指数関数・対数関数の微分ができる。
14週 置換積分 置換積分ができる。
15週 部分積分 部分積分ができる。
16週 【前期期末試験】
後期
3rdQ
1週 クーロンの法則 クーロンの法則を用いた計算ができる。
2週 ガウスの法則 ガウスの法則を用いた計算ができる。
3週 電位 点電荷などに対する電位の計算ができる。
4週 電場中の物体 静電誘導と誘電分極の違いが理解できる。
5週 コンデンサー コンデンサーの容量が計算できる。
6週 コンデンサー コンデンサーに蓄えるエネルギーが計算できる。
7週 オームの法則 抵抗値やジュール熱を計算できる。
8週 【後期中間試験】
4thQ
9週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則を用いた計算ができる。
10週 磁場 磁場の重ね合わせを用いた計算ができる。
11週 ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則を用いた計算ができる。
12週 ローレンツ力 ローレンツ力の値を求めることができる。
13週 電磁誘導 ファラデーの電磁誘導の法則を用いて起電力の計算ができる。
14週 インダクタンス 自己誘導と相互誘導に関する計算ができる。
15週 交流 抵抗・コンデンサー・コイルに交流が流れた場合の電流が計算できる。
16週 【後期期末試験】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3後4
電場・電位について説明できる。3後3
クーロンの法則が説明できる。3後1
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3後1
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3後7
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3後7
ジュール熱や電力を求めることができる。3後7

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合60152500100
基礎的能力401050055
専門的能力205200045
分野横断的能力000000