無機材料学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機材料学
科目番号 1495201 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし、参考書:足立吟也・南努「現代無機材料科学」 化学同人、(社)日本セラミックス協会「これだけは知っておきたいファインセラミックスのすべて」日刊工業新聞社
担当教員 小西 智也

到達目標

1. 物質から材料を得る方法を理解し、社会における材料の役割について説明できる。
2. 各種無機材料の特徴とその発現原理について説明できる。
3. 各種無機材料の機能性とそれを引き出すための加工方法について説明できる。
4. エネルギー問題について討論し、その解決に向けた無機材料の活用について説明できる。
5. 新しい材料の開発や活用について提言できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質に与えられた形態とそれによって発言する機能性について具体例を挙げて説明できる。物質を加工し、形態を付与することで材料が得られることを説明できる。物質と材料の違いを説明できない。
評価項目2各種無機材料の機能性を向上する方法について説明できる。各種無機材料の形態と機能性について説明できる。無機材料の種類と機能性について具体例を挙げることができない。
評価項目3材料の観点から社会問題を解決する方法と、それを実現するための無機材料の活用について提言できる。材料の観点から社会問題を解決する方法と、それを実現するための無機材料の活用について説明できる。材料の観点から社会問題を解決する方法と、それを実現するための材料開発について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
セラミックス材料を代表とする無機材料は多種多様な利点と機能性を持ち合わせており、身の回りで広く使われている。本講では無機材料が持つ形態に着目し、このような利点と機能性の起源を探るとともに、最先端の用途について学習する。無機材料の機能性は、形態を付与する加工方法と密接に関係していることから、「材料工学」で取り扱う内容も一部含む。無機材料の機能性と活用を検討するにあたり、これまでの知識をどのように活かせばよいのかを考えながら、実践的技術者としての基礎的素養を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
講義は主にスライドと書き込み式のワークシートを使って進めていくので、ノート等はとくに準備しなくてもよい。なるべく実例や具体例を示しながら進める。
【授業時間30時間+自学自習時間60時間】
注意点:
本講は副専門対応科目であり、一般教養の化学・物理・数学で学習した基礎知識・基礎概念を使って各種材料の機能性や現象の本質を理解していくので、必要に応じて苦手分野を復習しておくこと。また、講義の振り返り・課題提出にmanabaを使用するので、 PCまたは携帯端末によるインターネット接続環境を確保しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 材料とは何か? 物質と材料の違い、材料の形態と機能について説明できる。
2週 セラミックス材料概論 セラミックス材料の特長、ファインセラミックスについて説明できる。
3週 結晶の基礎と相転移 結晶の種類と物性、相転移について説明できる。
4週 ジルコニア材料(I) ジルコニアの安定化、部分安定化ジルコニア材料の靭性について説明できる。
5週 ジルコニア材料(II) 安定化ジルコニアの機能性について説明できる。
6週 ファインセラミックスの加工方法 錯体による原料高純度化プロセスと各種焼結法について説明できる。
7週 ソフト溶液化学法 溶液プロセスによりファインセラミックスを合成する方法を説明できる。
8週 【中間試験】 これまでの学習内容に関する問題を解くことができる。
4thQ
9週 誘電体材料 誘電体材料の構造と物性、種類と用途について説明できる。
10週 無機蛍光材料 希土類イオンの蛍光発光特性、無機蛍光材料の特徴と用途について説明できる。
11週 磁性材料 磁性材料の特徴と用途について説明できる。
12週 ガラス材料 ガラス材料の特長を理解し、加工方法・強化方法・機能化方法を説明できる。
13週 ナノ材料 触媒材料を例にナノサイズに加工する方法と機能化について説明できる。
14週 エネルギー材料(I) 燃料電池の構造と材料について説明できる。
15週 エネルギー材料(II) 色素増感太陽電池の構造と材料について説明できる。
16週 【期末試験返却】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。4
化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。4
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。4
純物質と混合物の区別が説明できる。4
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。4
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。4
価電子の働きについて説明できる。4
原子のイオン化について説明できる。4
代表的なイオンを化学式で表すことができる。4
イオン式とイオンの名称を説明できる。4
イオン結合について説明できる。4
イオン結合性物質の性質を説明できる。4
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。4
共有結合について説明できる。4
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。4
金属の性質を説明できる。4
電気分解反応を説明できる。4
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3000003060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000