固体物理

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 固体物理
科目番号 1495803 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:真船文隆著 「量子化学-基礎からのアプローチ-」 化学同人
担当教員 吉田 岳人

到達目標

1.等核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位と波動関数を導出することができる。また記号σ, π, g, uを用いてMOの分類ができる。簡単な等核2原子分子・イオンの結合次数を算出できる。
2.異核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位と波動関数を導出することができる。
3.多原子分子及び固体結晶に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位と波動関数を導出することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
評価項目1等核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位と波動関数を導出することができる。また記号σ, π, g, uを用いてMOの分類ができる。簡単な等核2原子分子・イオンの結合次数を算出できる。等核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位を導出することができる。また記号σ, π, g, uを用いてMOの分類ができる。等核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位の導出の方法を説明できる。
評価項目2異核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位と波動関数を導出することができる。異核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位を導出することができる。異核2原子分子に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位の導出方法を説明できる。
評価項目3多原子分子及び固体結晶に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位と波動関数を導出することができる。多原子分子及び固体結晶に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位を導出することができる。多原子分子及び固体結晶に原子軌道1次結合-分子軌道(LCAO-MO)法を適用することで、エネルギー準位の導出方法を説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義は、化学分野の基盤科目である物理化学の中でも、20世紀前半に急速に進展した量子化学について、その基礎を数学的手段を駆使した一貫した理論体系として把握する。次に化学への重要な応用として、分子と固体結晶の電子状態に関して数理的に理解することを学ぶ。具体的問題解法を多く取り入れることで理解力を涵養し、応用化学分野への適応能力を身につける。この科目は企業で、半導体集積素子の設計及び製造プロセスの研究・開発を担当していた教員が、その経験を活かし、多原子分子から固体について量子化学に基づいて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業内容は授業計画を参照すること。基本的に講義形式をとる。板書が主体であるが,関連資料のスライド紹介も取り入れる(特に分子軌道).学生への発問はするので(3-5回/1コマ),積極的に答えること。指名されない学生も積極的に考えること。計15回(計約60問)の課題は、自主的に考えて解き問題解法の力を養うこと。
注意点:
5年生前期までの数学・物理・物理化学系科目の知識を前提として活用するので、これらの内容をしっかり復習しておくこと。また授業各回毎に出された課題の実施を含む自学自習が不可欠である。授業時間内に自学自習課題の解説を十分に行うことは不可能なので、疑問点があれば質問に来ること。質問にあたっては、先ず自分で調べ考えてみて、何が理解できなかったのかをはっきりさせてから質問に来ること。
シラバス指定参考書:近藤保・真船文隆著 「新化学シリーズ 量子化学」 裳華房

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ボルン-オッペンハイマー(B-O)近似 B-O近似による水素分子イオンをモデル図示し、ハミルトニアンを書き下すことができる。
2週 分子軌道(MO)法: 原子軌道1次結合(LCAO)によるMOの構成方法について説明できる。
3週 分子軌道(MO)法:水素分子イオン 変分法をB-O近似水素分子イオンハミルトニアンに適用し、重なり積分, クーロン積分, 共鳴積分, 永年方程式について概略を説明できる。
4週 分子軌道(MO)法:水素分子イオン LCAO-MO法を水素分子イオンに適用した際の,波動関数とエネルギー準位を導出することができる.
5週 分子軌道(MO)法:水素分子イオン LCAO-MO法を水素分子イオンに適用した際の,クーロン積分について核間距離依存性などを定量的に図示・説明できる.
6週 分子軌道(MO)法:水素分子イオン LCAO-MO法を水素分子イオンに適用した際の,共鳴積分について核間距離依存性などを定量的に図示・説明できる.
7週 分子軌道(MO)法:水素分子イオン LCAO-MO法による水素分子イオンの,波動関数(結合性,反結合性)形状とエネルギー準位を核間距離の関数として図示することができる.重なり積分, クーロン積分, 共鳴積分の挙動も併せて,水素分子イオンについての説明ができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 多原子分子:sp混成軌道 LCAO-MO法を用いて,BeH2のsp混成軌道を導出することができる.
10週 多原子分子:sp2混成軌道 LCAO-MO法を用いて,BH3のsp2混成軌道を導出することができる.
11週 多原子分子:sp3混成軌道 LCAO-MO法を用いて,CH4のsp3混成軌道を導出することができる.
12週 多原子分子:ヒュッケル近似 ヒュッケル近似について概要説明できる。エテン分子にヒュッケル近似を適用し、エネルギー準位を導出できる。
13週 多原子分子:ヒュッケル近似 3ブタジエン分子パイ電子軌道にヒュッケル近似を適用し、エネルギー準位を導出し波動関数の概形を描ける。
14週 固体の電子状態 LCAO-MO法を結晶モデルに適用し、エネルギーバンド構造の導出ができる。
15週 固体の電子状態 フェルミ-ディラック分布を用いた絶縁体・半導体の電子構造について説明できる。バンドの底(有効質量近似)のエネルギー状態密度を計算することができる.
16週 期末試験答案返却・解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢レポート・課題合計
総合評価割合5000050100
基礎的能力100001020
専門的能力300003060
分野横断的能力100001020