到達目標
物理化学の土台となる概念(分子の運動、平衡論、速度論)を理解する。
論理的に考察を書けるようになる。
レポートの書き方を習得する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 分子の運動、平衡論、速度論に関する演習問題を解け、学んだことをいろんな状況に応用できる。 | 実験中や口頭試問時に、分子の運動、平衡論、速度論に関する基礎知識を説明できる。 | 各分子の運動、平衡論、速度論に関する基礎知識を説明できない。 |
評価項目2 | レポート作成時に、設問だけでなく、独自に問題を設定し、論理的に考察できる。 | レポート作成時に、設問を論理的に考察できる。 | レポートで論理的な考察を書けない。 |
評価項目3 | 図や表、模式図を用い、読みやすいレポートを書ける。 | 形式に従い、科学的な文章を書ける。 | 科学的な文章を書けない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
物理化学は化学反応や状態変化を定量的に理解する上で有効なツールであり、有機化学、無機化学、分析化学、化学工学でも重要な役割を果たす。本講義では実験を通して、物理化学の基本となる分子運動、平衡論、速度論の基本概念を学ぶ。実験、演習、考察課題、レポートの作成や口頭試問を通じ、各実験の基礎知識を説明できる能力や論理的に考察を書ける能力を習得する。
授業の進め方・方法:
一回の授業で効率よく知識を習得するため、実験と簡単な演習を組み合わせた形式で講義を展開する。
知識を効率的に習得するため、座学・演習・確認テストが実験数回に対し1回ある。
3回テストを行う。
注意点:
作業着もしくは白衣、保護メガネ、上履き、実験ノートを忘れないこと。
テキスト中にわからないことがある場合、教科書や図書館にある専門書を調べることを推奨する。インターネットのホームページは参考文献として認めない。原則、学生はすべての実験を行わなければならない。装置の故障など、状況に応じて実験テーマが変更される可能性がある。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーションおよび基礎知識の復習 |
実験の心構え、評価方法の説明と実験ノート、レポートの書き方の指導、基礎知識の復習
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2週 |
講義1(予習座学、演示実験演習) |
状態方程式、粘度測定、ブラウン運動の基礎知識の定着をはかる。
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3週 |
状態方程式 |
空気の圧力、体積、温度を計測し、状態方程式の使い方を理解する。
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4週 |
粘度測定 |
エタノール溶液の粘度を計測し、粘度の計測方法を習得する。
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5週 |
ブラウン運動の観察 |
コロイドのブラウン運動の観察を通して、分子運動の特徴を理解する。
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6週 |
講義2(確認試験1、予習座学、演示実験演習) |
上記までの3つの実験の確認試験および、熱量測定、最小二乗法、分配係数の基礎知識の定着をはかる。
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7週 |
熱量計測 |
熱量測定の利用方法について理解する。
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8週 |
最小二乗法 |
最小二乗法を用いて、データに対し近似直線を引けるようになる。
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2ndQ |
9週 |
【中間試験】 |
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10週 |
分配係数 |
水―エーテル系でのコハク酸の溶解について調べ、平衡定数の性質について理解する。
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11週 |
講義3(確認試験2、予習座学、演示実験演習) |
上記までの3つの実験の確認試験および、緩衝液、一次反応速度論、起電力の測定の基礎知識の定着をはかる。
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12週 |
緩衝液 |
緩衝作用を通して、平衡の移動について理解する。
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13週 |
一次反応速度論 |
過酸化水素水の分解速度から、反応速度の考え方や解析方法について理解する。
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14週 |
起電力の測定 |
ダニエル電池や濃淡電池の起電力を計測し、電池の仕組みについて理解する。
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15週 |
講義4(確認試験3、まとめ) |
上記までの3つの実験の確認試験および、物理化学実験のまとめを行う。
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16週 |
【期末試験】 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 確認試験 | レポート | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 10 | 20 | 60 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 5 | 5 | 20 | 0 | 30 |
専門的能力 | 5 | 15 | 40 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 10 | 10 |