化学工学1

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 化学工学1
科目番号 5305 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 ベーシック化学工学(化学同人)橋本健治著 / 参考書は講義中に適宜連絡する
担当教員 奥本 良博

到達目標

1.気液分離の基礎を学んで、連続蒸留の技術が理解でき、説明できる。
2.気体の溶解度を学んで、充填塔の技術が理解でき、説明できる。
3.抽出と分離の基礎を学んで、抽出・分離の技術が理解でき、説明できる。
4.流体の流れの基礎を学んで、流体輸送に必要な動力の算出ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1蒸留操作の原理を理解し、連続蒸留装置の設計のための計算ができる。蒸留操作の原理を理解している。蒸留操作の原理を理解していない。
到達目標2ガス吸収の原理を理解し、充填塔の設計のための計算ができる。ガス吸収の原理を理解している。ガス吸収の原理を理解していない。
到達目標3液液平衡の原理を理解し、抽出装置の設計のための計算ができる。液液平衡の原理を理解している。液液平衡の原理を理解していない。
到達目標4流れの物理法則を理解し、流体輸送装置の設計のための計算ができる。流れの物理法則を理解している。流れの物理法則を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学工学は化学コースにおける主要科目群の柱の一つであり、化学物質を製造するプロセスと設備に関する学問です。化学分野における機械工学とも呼ばれることもあり、化学プラントを動かすための知識を学びます。3年生の化学工学1では、本格的に単位操作の内容に入ります。前期は最初に蒸留と蒸発を通して気液分離の基礎を学びます。次に気体の溶解度を理解した上でガス吸収の原理を学びます。後期には液体の溶解度を理解した上で液液抽出、固液抽出および膜分離を学び、最後に流体の流れの物質収支とエネルギー収支について学びます。

プラントで製造される物質の量を推定するための知識と化学反応に必要な投入エネルギーを推定するための知識について学びます。大学では1か月程度でさらっと流される単元ですが、本講義ではじっくりと時間をかけて、内容を理解して計算できる力を養成します。
授業の進め方・方法:
「原理の説明→その理解のための例の提示と演習」の繰り返しです。講義の最後に宿題を与えますが、やるかやらないかは受講者に任せます。宿題をすることが復習と予習につながります。講義には電卓を忘れないように持ってきてください。
注意点:
不明な点は授業中に質問してください。
テスト問題作成後は質問は一切受け付けませんので、日頃から予習・復習に努めてください。
レポート・課題の丸写し(本質的なクローン)については徹底的に調査し、見せた者、写した者双方の評価をゼロにします。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 蒸留と蒸留塔 化学工学1で学習する化学装置の代表としての蒸留塔の重要性を理解できる。
2週 気液平衡関係 気液平衡関係図を使っての計算ができる。
3週 単蒸留の計算 単蒸留における計算ができる。
4週 連続蒸留の計算1 連続蒸留の原理が理解できる。
5週 連続蒸留の計算2 操作線の引き方が理解できる。
6週 連続蒸留の計算3 還流比と理論段数が計算できる。
7週 蒸発缶 蒸留と蒸発の違いが理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 ガス吸収と充填塔 化学工学1で学習する化学装置の代表としての充填塔の重要性を理解できる。
10週 気体の溶解度 気体の溶解度が理解できる。
11週 物質移動係数と吸収速度 物質移動係数を使った計算ができる。
12週 充填塔の計算1 操作線の引き方が理解できる。
13週 充填塔の計算2 充填塔の高さが計算できる。
14週 充填塔の計算3 充填塔の直径が計算できる。
15週 吸着の原理 物理吸着の原理が理解できる。
16週 期末試験と試験返却
後期
3rdQ
1週 抽出と抽出装置 化学工学1で学習する化学装置の代表としての抽出装置の重要性を理解できる。
2週 液液平衡関係(液体の溶解度) 三角線図、てこの原理が理解できる。
3週 単抽出の計算 単抽出の計算ができる。
4週 多回抽出の計算1 単抽出と多回抽出の違いが理解できる。
5週 多回抽出の計算2 多回抽出の計算ができる。
6週 固液抽出の原理 固液抽出の原理の理解と簡単な計算ができる。
7週 膜分離の原理 膜分離の原理の理解と簡単な計算ができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ポンプ(流体輸送機)と管路 化学工学1で学習する化学装置の代表としてのポンプの重要性を理解できる。
10週 流れの物質収支 連続の式を使った計算ができる。
11週 流れのエネルギー収支1 全エネルギー収支式を使った計算ができる。
12週 流れのエネルギー収支2 機械的エネルギー収支式を使った計算ができる。
13週 管内の流れの性質(層流と乱流) 層流と乱流の違いが理解できる。
14週 管摩擦によるエネルギー損失 管摩擦その他のエネルギー損失が計算できる。
15週 流体輸送機の動力計算 理論動力が計算できる。
16週 期末試験・試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合70201000100
基礎的能力000000
専門的能力70201000100
分野横断的能力000000