物理化学2

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学2
科目番号 5404 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:福地賢治編 Professional Engineering Library 「物理化学」 実教出版、参考書:千原秀昭、稲葉章(訳) 「アトキンス基礎物理化学(下)」 東京化学同人
担当教員 小西 智也

到達目標

物理化学とは、主として化学現象を物理学(たとえば熱力学や量子力学)の知識に基づいて原子・分子構造から本質的に理解し、また諸性質を定量的に表現しようとする学問の一分野である(教科書「まえがき」より引用)。物理化学2では、以下の項目を目標とする。
1. 熱力学の知識を用いて、化学平衡・反応速度・反応解析について説明でき、関連する応用問題を解くことができる。
2. 量子力学の基礎について説明でき、基本的な問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学平衡に関する応用問題を解くことができる。化学平衡について説明することができる。化学平衡について説明することができない。
評価項目2反応速度に関する応用問題を解くことができる。反応速度について説明することができる。反応速度について説明することができない。
評価項目3反応解析に関する応用問題を解くことができる。反応解析について説明することができる。反応解析について説明することができない。
評価項目4量子力学の基礎に関する基本的な問題を解くことができる。量子力学の基礎について説明することができる。量子力学の基礎について説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
週1回開講する。物理化学2では、化学平衡・反応速度・反応解析について学習し、物質の状態や物理法則に従って、化学反応がどのように進行するのかを理解する。この概念は、例えば、工場で化学製品を製造するとき、原料はどのように加えたら良いのか、温度はどのくらいにすればよいのか、時間はどのくらい待てばよいのか、製品はどのくらいの収率が期待されるのかを考える上で必要不可欠となる。さらに量子力学の基礎についても取り扱い、次の物理化学3への導入を行う。
授業の進め方・方法:
授業は主に、(1)講義と(2)演習によって構成される。(1)講義では、身近な現象や具体例を挙げながら、スライドや動画による視覚的な学習も取り入れる。(2)演習では、例題の解き方を学習したあと、一人であるいはグループワークで演習問題に取り組み、体験による知識や技能の定着を促すとともに、応用力を身につける。毎回、LMS/ポートフォリオシステム(manaba)を使って、授業の振り返りおよび予習を行い、学習内容の要点を整理する。
注意点:
3年生までの数学・物理・化学系科目・物理化学1の知識を前提として活用するので、これらの内容をしっかり復習しておくこと。また授業各回の予習・課題の実施を含む自学自習が不可欠である。とくに物理化学2で取り扱う内容は、実際に「自分で手を動かして」課題・演習問題に取り組まないと、学習効果は全く見込めないといってよい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学平衡(1) 質量作用の法則から化学平衡を、ルシャトリエの原理から平衡移動を説明できる
2週 化学平衡(2) 平衡定数を説明でき、平衡組成を計算できる。
3週 化学平衡(3) ルシャトリエの原理から化学平衡の諸条件の影響を説明できる。
4週 演習 化学平衡に関する演習問題を解くことができる。
5週 反応速度(1) 逐次反応、可逆反応、併発反応の速度式を導出し、選択率を計算できる。
6週 反応速度(2) 定常状態近似法または律速段階近似法によって速度式を導出できる。
7週 演習 反応速度に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験 1〜7週に学習した内容について試験問題を解くことができる。
4thQ
9週 反応解析(1) 逐次反応、可逆反応、併発反応の速度式を導出し、選択率を計算できる。
10週 反応解析(2) 定常状態近似法または律速段階近似法によって速度式を導出できる。
11週 反応解析(3) アレニウスの式から反応速度や活性化エネルギーを計算できる。
12週 演習 反応解析に関する演習問題を解くことができる。
13週 量子化学基礎(1) エネルギー量子仮説とド・ブロイ波について説明できる。
14週 量子化学基礎(2) 原子スペクトルを、ボーアの原子モデルとボーアの量子条件を用いて説明できる。
15週 量子化学基礎(3) 1次元のシュレーディンガー方程式を導出し、波動関数の意味を説明できる。
16週 期末試験答案返却 期末試験で間違った箇所と正解を確認し、正しく解き直すことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000525100
基礎的能力3000051045
専門的能力4000001555
分野横断的能力0000000