到達目標
1. 陽イオンの定性分析(系統的定性分析)を修得する。
2. 容量分析(中和滴定、酸化還元滴定、キレート滴定)を修得する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標1 | 陽イオンの各反応を理解し、系統的定性分析の実験を進めることができる。 | 陽イオンの系統的定性分析の実験を進めることができる。 | 陽イオンの各反応を理解していないため、系統的定性分析の実験を進めることができない。 |
到達目標2 | 容量分析の中和滴定・酸化還元滴定・キレート滴定の類似点と相違点を理解し、実験を進めることができる。 | 容量分析の中和滴定・酸化還元滴定・キレート滴定の実験を進めることができる。 | 容量分析を理解していないため、実験を進めることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
学問としての化学を深く理解・体得するには、それぞれの専門科目の授業と自分自身による化学の実験が必須である。本実験科目は、化学実験の基礎となる分析を主眼とするものであり、基本的な定性分析・定量分析に関する知識と技術を修得することを目的とする。
また、本科目は化学コース配属後初めての実験科目であり、化学実験における基礎的な知識(実験技術、化学実験室におけるルール、実験ノートの作成方法、実験結果の考察方法など)も修得目的とする。
授業の進め方・方法:
化学において実験は基礎であり、基礎技術の習得は不可欠である。実験目的をよく考え、実験方法、考え方をまずは予習において学び、それを実験において確かめ、化学の法則を実際に経験し、理解を深める。また実験後においては、正確な測定によって得られた実験データを用いて解析を行い、レポートにまとめる。このレポートの作成の段階を復習とすると、化学実験では、予習、実験、復習を繰り返すことによって実験を深く学ぶ。実験の始まる前までに実験ノートに実験計画を記入して、実験に臨むことを課す。実験終了時には結果と実験データを記録したノート及び報告書を担当の教員に提出することにより、この実験の終了とする。
注意点:
実験を事故なく遂行するため下記の注意事項を必ず守ること。
1. 実験室内は飲食厳禁、携帯電話類の持ち込みを禁止とする。
2. 時間までに実験室に入室する。
3. 実験室に入室する際には、必ず所定の白衣、上履きを着用する。また長い髪の学生は後ろで束ねること。
4. 実験を開始する前に、必ず保護メガネ、保護手袋を着用する。
5. 担当教員から諸注意や指示があった時は速やかに従うこと。
6. レポートは所定の期日までに提出する。
7. 成績はレポート,ノート状況,試験,取り組み姿勢より総合的に評価する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
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2週 |
講義1 定性分析法 |
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3週 |
実験1 定性分析 1 |
陽イオン(第I族)について、分離及び確認ができる。また、陽イオンの乾式呈色法ができる。
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4週 |
実験2 定性分析 2 |
陽イオン(第III族)について、分離及び確認ができる。
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5週 |
実験3 定性分析 3 |
陽イオン(第II族及び第V族)について、分離及び確認ができる。
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6週 |
実験4 陽イオンの系統分析 (未知試料分析) |
陽イオン(未知試料)について、分離及び確認を行い、定性分析することができる。
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7週 |
実験5 陰イオン交換樹脂によるFe(III), Co(II), Ni(II)の分離 |
陰イオン交換樹脂を用いて、3種類の金属イオンを分離することができ、定性することができる。
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8週 |
講義2 中和反応、酸化還元反応、化学計算演習 |
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2ndQ |
9週 |
実験6 中和滴定 |
中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。
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10週 |
実験7 酸化還元滴定 |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。
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11週 |
実験8 キレート滴定 |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度及び硬度を計算することができる。
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12週 |
実験9 緩衝作用 |
緩衝作用の原理を理解し、緩衝溶液のpHを計算することができる。
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13週 |
実験10 水質調査 |
水の性質を理解し、水質の有機汚濁指標であるCODの分析を行うことができる。
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14週 |
試験 |
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15週 |
実験予備日 |
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16週 |
実験予備日 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 3 | |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 3 | |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。 | 3 | |
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。 | 3 | |
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 3 | |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 3 | |
評価割合
| 定期試験 | 小テスト | ポートフォリオ | 発表・取り組み姿勢 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 | 60 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 | 40 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |