機器分析

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機器分析
科目番号 5396Z01 科目区分 AE / 選択
授業形態 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子情報コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 エキスパート応用化学テキストシリーズ 機器分析 大谷肇 編 講談社(ISBN978-4-06-156807-5)
担当教員 山田 洋平,西岡 守

到達目標

1.電磁波と物質との相互作用について説明できる。
2.講義で扱う分析機器の測定原理を説明できる。
3.測定試料や得たい情報に応じた分析方法をいくつか選び、提案することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電磁波と物質の相互作用電磁波の分類やその波長、エネルギーのスケールを正確に説明できる。また、電磁波と物質の相互作用について、説明できる。電磁波の分類やその波長、エネルギーのスケールを計算することができる。計算せずとも大局的にその数値を述べることができる。電磁波の分類やその波長、エネルギーのスケールを計算することができる。
分析機器の測定原理教科書で扱う各種分析機器の測定原理を説明できる。各装置の特徴を理解し、使い分けに関する知見を有する。 教科書で扱う各種分析機器の測定原理を説明できる。教科書で扱う各種分析機器の測定原理を一部説明できる。
測定試料や得たい情報に応じた分析方法の選定、提案前処理から測定までのプロセスをイメージしながら、試料や入手したい情報に応じた分析方法を提案できる。試料や入手したい情報に応じた分析方法を提案できる。適格な方法ではないかもしれないが、分析方法を列挙できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析化学は試料の成分や含有量を調べ、さらにそれらの化学状態や存在状態を解析する学問である。この分析化学において、機器分析は中心的な役割を担っており、物質の開発、品質管理、環境調査、医療などヒトのあらゆる活動において欠かせないものである。一般に分析機器はその原理に基づき、電磁波分析・電気分析・分離分析・その他(熱分析・質量分析)に分類される。まず、これらの分析機器がどのような原理や装置構成で成り立っているのかを学ぶ。また、これらの分析機器から得られる結果から、どのような情報が得られるかについて学んでいく。
授業の進め方・方法:
教科書をベースに解説していく。教室に持ち込み可能な道具類については、積極的に活用し、演示ないし実測できる時間を設ける。本校の本科4年生向けに開講している「応用化学(機器分析の単元)」と一部内容が重複するが、本講義ではより積極的な学生参加を求める。予習を課すとともに、学生による解説や質問を求める。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機器分析序論・電磁波と物質の相互作用 機器分析の活躍する場、電磁波と物質の相互作用について説明することができる。
2週 吸光光度法と蛍光光度法
測定原理、装置構成および得られるスペクトルについて説明できる。
3週 原子吸光分析
測定原理、装置構成について説明できる。各種原子化法(フレーム原子化法、電気加熱原子化法など)の特徴や使い分けについて説明できる。
4週 誘導結合プラズマ発光分析と質量分析
測定原理、装置構成について説明できる。原子化源、励起源、イオン化源としてのICPの 意義について説明できる。
5週 赤外分光分析とラマン分光分析
測定原理、装置構成について説明できる。赤外分光分析とラマン分光分析で得られるスペクトルから情報を読み取る練習をする。
6週 核磁気共鳴分析(NMR)
測定原理、装置構成について説明できる。スペクトルから情報を読み取る練習をする。
7週 有機質量分析 測定原理、装置構成、種々のイオン化法について説明できる。スペクトルから情報を読み取る練習をする。
8週 中間試験

2ndQ
9週 X線分析
測定原理、装置構成、試料調製法について説明できる
10週 顕微鏡観察(光学顕微鏡、電子顕微鏡)
光学顕微鏡、電子顕微鏡の原理について説明できる。
11週 クロマトグラフィー 移動相に基づくクロマトグラフィーの分類について説明できる。分配係数、保持時間、理論段数などクロマトグラフィー原理の理解に必要な用語の意味を説明できる。
12週
まとめ(学生による発表)

これまで学んだ分析機器についての復習や、学生による装置解説を求める。
13週 実験(ICP発光分析)
溶液調製(試料溶液・標準溶液・ブランク試料)を行う。
14週 実験(ICP発光分析)
ICP-発光分析装置での測定
15週 データ解析・考察 実験から得られたデータをExcelを使って処理する。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験発表・質疑レポート合計
総合評価割合602020100
専門的能力602020100