到達目標
1. ラグランジュ方程式・正準方程式・ポアッソンの括弧式などを具体的力学問題の定量的解法に活用することができる.
2. ギブス分布・マックスウェルの速度分布則・ボルツマンの原理・分配関数の概念を理解し,定量的取り扱いができる.
3. 古典粒子系の物理量の期待値(熱力学的諸量)を,統計的手法を用いて,定量的に導出することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安(可) |
評価項目1 | ラグランジュ方程式・正準方程式・ポアッソンの括弧式などを応用的力学問題の定量的解法に活用できる. | ラグランジュ方程式・正準方程式・ポアッソンの括弧式を力学問題に適用し定量解を得ることができる. | ラグランジュ方程式・正準方程式・ポアッソンの括弧式を力学問題に適用し定量解の概略を得ることができる. |
評価項目2 | ギブス分布・マックスウェルの速度分布則・ボルツマンの原理・分配関数,の応用的定量活用ができる. | ギブス分布・マックスウェルの速度分布則・ボルツマンの原理・分配関数の定量解を得ることができる. | ギブス分布・マックスウェルの速度分布則・ボルツマンの原理・分配関数の概略を得ることができる. |
評価項目3 | 応用的古典粒子系の物理量の期待値(熱力学的諸量)を,統計的手法を用いて,応用的課題において定量的解を導出できる. | 古典粒子系の物理量の期待値(熱力学的諸量)を,統計的手法を用いて,定量的に導出できる. | 古典粒子系の物理量の期待値(熱力学的諸量)を,統計的手法を用いて,概略的定量解を得ることができる. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義は,本科でに学んだ古典力学の基礎を,より解析的手法を強化しながら体系化する.次に現代物理学への橋渡しとして,ミクロスコピック手法の代表である統計力学の基礎概念を習得し,工学応用で重要となる物質の性質を数理科学的に理解することを学ぶ. この科目は企業で、半導体集積素子の設計及び製造プロセスの研究・開発を担当していた教員が、その経験を活かし、平衡状態の古典・量子統計力学の基礎について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業内容は授業計画を参照すること.基本的に講義形式をとる.板書が主体であるが,関連資料をスライドで紹介する場合もある.学生への発問はするので(3-5回/1コマ),積極的に答えること.指名されない学生も一緒に考えること.計15回(計約60問)の課題は,自主的に考えて解き,問題解法の力を養うこと.
注意点:
本講義は予備知識として,本科において学んだ数学・物理(力学・電磁気・熱力学)系科目の内容を前提とする.これらをスプリングボードとして,古典力学を解析的な手法によって体系化し総仕上げとする.次に「現代物理学」への導入として統計力学の基礎概念を学ぶ.そして工学応用上で重要な物質の諸物理量を,ミクロスコピックな手法を用いて定量的に算出する方法を学ぶ.
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 解析力学 |
ニュートン形式力学の問題を解析的に解くことができる.
|
2週 |
1. 解析力学 |
ラグランジュ方程式を導出し簡単な問題に適用し解くことができる.
|
3週 |
1. 解析力学 |
ラグランジュ方程式を応用問題に適用し解くことができる.
|
4週 |
1. 解析力学 |
ハミルトンの正準方程式を導出し簡単な問題に適用し解くことができる.
|
5週 |
1. 解析力学 |
ハミルトンの正準方程式を応用問題に適用し解くことができる.
|
6週 |
1. 解析力学 |
ポアッソンの括弧式に関する基本規則を計算でき,これを用いて運動方程式を表現できる.
|
7週 |
1. 解析力学 |
1次元の連成微小振動系に対し運動方程式を立て基準振動数を導出することができる.
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
2. 統計力学の基本 |
熱力学におけるヘルムホルツの自由エネルギーから熱力学的諸量を計算できる.ガンマ空間の概念を理解し定性的に説明できる
|
10週 |
2. 統計力学の基本 |
平等確率の仮説を理解し定性的に説明できる.ギブス分布を導出し物理的意味を説明できる
|
11週 |
2. 統計力学の基本 |
マックスウェルの速度分布則を導出し分子速度に関する諸量を計算できる
|
12週 |
2. 統計力学の基本 |
ボルツマンの原理と分配関数の物理的意味を理解し説明できる
|
13週 |
2. 統計力学の基本 |
分配関数と自由エネルギーの関係を導出できてその意味を説明できる
|
14週 |
3.統計力学の応用 |
相互作用のない粒子系の物理量期待値を計算できる.理想気体の状態方程式を理論的に導出できる
|
15週 |
3.統計力学の応用 |
固体における原子間相互作用のない比熱モデル(デュロン・プティ(古典),アインシュタイン(量子))を導出でき,固体の比熱を温度の関数として導出することができる
|
16週 |
期末試験答案返却・解説 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 小テスト | レポート・課題 | 発表 | その他 | | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 20 |
専門的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 30 |