材料工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料工学Ⅰ
科目番号 0122 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 宮川大海:「金属材料工学」,森北出版
担当教員 徳田 太郎

到達目標

1.金属材料の基本的特性が理解できる。
2.機械設計に必要な材料選択および許容応力の決定に応用できる。
3.金属材料の微視的変形機構について理解できる。
4.鉄鋼熱処理と機械的性質について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.金属材料の基本的特性が理解できる。金属と合金の結晶構造の詳細を理解し,ミラー指数を用いて特定の面・線方位を表記できる。基本的な金属と合金の結晶構造を理解し,ミラー指数を用いて特定の面・線方位を表記できる。基本的な金属と合金の結晶構造を理解できず,ミラー指数を用いて特定の面・線方位を表記できない。
2.機械設計に必要な材料選択および許容応力の決定に応用できる。金属材料の機械的性質を理解し,平行状態図を描ける。基本的な金属材料の機械的性質を理解し,平行状態図を描ける。基本的な金属材料の機械的性質を理解できず,平行状態図を描けない。
3.金属材料の微視的変形機構について理解できる。金属の塑性変形の微視的な変形メカニズムを転位の運動に関連付けて説明できる。金属の塑性変形の微視的な変形メカニズムと転位の運動を説明できる。金属の塑性変形の微視的な変形メカニズムと転位の運動を説明できない。
4.鉄鋼熱処理と機械的性質について理解できる。鉄鋼の熱処理の種類と目的,原理,方法,組織と機械的性質の関係について説明できる。基本的な鉄鋼の熱処理の種類と目的,原理,方法,組織と機械的性質の関係について説明できる。基本的な鉄鋼の熱処理の種類と目的,原理,方法,組織と機械的性質の関係について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
おもに金属および合金について、種類、製法、性質、用途、加工性、処理技術等の知識を習得し、機械の設計・製作に必要な材料の選択、取扱い能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
項目ごとに材料および機械的性質の基本について解説し,必要に応じて演習問題を行う。特に「材料工学」では非常に多くの専門用語が出てくるので,その定義,意味,言葉だけでなく,図,写真,表どのプリント配布して説明する。
注意点:
授業には教科書を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 金属および合金の結晶構造
(1)金属の結晶構造とミラー指数
金属の結晶構造を説明できる。
2週 (1)金属の結晶構造とミラー指数 ミラー指数を用いて特定の面・線方位を表記できる。
3週 (2) 合金の結晶構造 合金の結晶構造について説明できる。
4週 2. 二元合金の平衡状態図
(1) 二元合金平衡状態図における基本的事項
二元合金の平衡状態図の基本事項について説明できる。
5週 (1) 二元合金平衡状態図における基本的事項 二元合金の平衡状態図の基本事項について説明できる。
6週 (2) 基本的な平衡状態図の型 二元合金の基本的な平衡状態図を描ける。
7週 (2) 基本的な平衡状態図の型 二元合金の基本的な平衡状態図を描ける。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 3. 平衡状態における鉄鋼の変態と組織
(1) Fe−C系平衡状態図
炭素鋼の平衡状態図を描ける。
10週 (2) 炭素鋼をオーステナイト領域から徐冷した場合の変態と組織 特定の温度における各変態について説明できる。
11週 (3) 炭素鋼の状態図への合金元素の影響 炭素鋼の状態図への合金元素の影響を説明できる。
12週 4. 金属材料の機械的性質と試験法
(1) 引張強さと延性
金属材料の機械的性質の基礎を説明できる。
13週 (1) 引張強さと延性 金属材料の試験法の概要について説明できる。
14週 (2) 硬さ 与えられた実験データをもとに各特性値を算出できる。
15週 (3) 疲労強度 与えられた実験データをもとに各特性値を算出できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 5. 金属の塑性変形と格子欠陥
(1) 金属の塑性変形機構
金属の塑性変形の微視的な変形メカニズムを説明できる。
2週 (1) 金属の塑性変形機構 金属の塑性変形の微視的な変形メカニズムを説明できる。
3週 (1) 金属の塑性変形機構 金属の塑性変形の微視的な変形メカニズムを説明できる。
4週 (2) 金属結晶中の格子欠陥 臨界せん断応力について説明できる。
5週 (2) 金属結晶中の格子欠陥 臨界せん断応力について説明できる。
6週 (3) 転位の性質と挙動 転位の運動について説明できる。
7週 (3) 転位の性質と挙動 転位の運動について説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 6. 鉄鋼の熱処理と機械的性質
(1) 鋼の焼ならし,焼なまし
鋼の焼ならしについて説明できる。
10週 (1) 鋼の焼ならし,焼なまし 焼なましについて説明できる。
11週 (2) 等温変態,連続冷却変態 等温変態について説明できる。
12週 (2) 等温変態,連続冷却変態 連続冷却変態につて説明できる。
13週 (3) 鋼のマルテンサイト変態と焼入れ性 鋼のマルテンサイト変態と焼入れ性について説明できる。
14週 (4) 鋼の焼入れ方法と焼割れ 鋼の焼入れ方法と焼割れについて説明できる。
15週 (5) 鋼の焼戻し 焼戻しについて説明できる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料金属と合金の結晶構造を説明できる。4
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4
合金の状態図の見方を説明できる。4
鉄鋼の製法を説明できる。4
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合9010100
1.金属材料の基本的特性が理解できる。25328
2.機械設計に必要な材料選択および許容応力の決定に応用できる。25328
3.金属材料の微視的変形機構について理解できる。20222
4.鉄鋼熱処理と機械的性質について理解できる。20222