工業物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業物理Ⅱ
科目番号 0126 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高橋正雄著 工科系の基礎物理学(東京教学社)
担当教員 橋本 良夫

到達目標

1.剛体のつり合い問題について,力とモーメントのつり合い式を求め解くことができる。
2.剛体の運動方程式を求め,運動を計算することができる。
3.応力-ひずみの関係式を用いて,弾性体の問題を解くことができる。
4.連続の式とベルヌーイの定理を用いて,流体の問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な剛体のつり合い問題を解くことができる簡単な剛体のつり合い問題を解くことができる。簡単な剛体のつり合い問題を解くことができない。
評価項目2剛体の運動方程式を求め,運動を計算することができる。簡単な剛体の運動方程式を求め,運動を計算することができる。簡単な剛体の運動方程式を求め,運動を計算することができない。
評価項目3応力-ひずみの関係式を用いて,弾性体の問題を解くことができる。応力-ひずみの関係式を用いて,弾性体の基礎的な問題を解くことができる。応力-ひずみの関係式を用いて,弾性体の基礎的な問題を解くことができない。
評価項目4連続の式とベルヌーイの定理を用いて,流体の問題を解くことができる。連続の式とベルヌーイの定理を用いて,流体の基礎的な問題を解くことができる。連続の式とベルヌーイの定理を用いて,流体の基礎的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
質点系・剛体の力学の基礎理論とその導出過程を理解することによって,物理的思考力を身につけるとともに,機械工学への応用力を身に付ける。連続体としての弾性体と流体の基礎を理解する。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って基礎的事項の解説を行い,演習問題を解くことで理解を定着させる。
注意点:
提出遅れの課題については,評価t点から20%を減点する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
力のモーメント
二次元問題の力のモーメントを計算することができる
2週 剛体のつり合い 二次元問題の剛体のつり合い問題を解くことができる
3週 重心の計算 質点系の重心を求めることができる
4週 重心の計算 剛体の重心を求めることができる
5週 重心の計算 積分を使って剛体の重心を求めることができる
6週 ベクトルの外積
力のモーメント角運動量
ベクトルの外積を使って,力のモーメントと運動量ベクトルを求めることができる
7週 重心の運動
質点系の回転運動
質点系の並進の運動方程式と回転の運動方程式を理解する
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 剛体の回転運動の関係式 剛体の回転運動の式と回転の運動エネルギーを理解する
10週 慣性モーメント 簡単な形の物体の慣性モーメントを計算することができる
11週 固定軸を持つ剛体の運動
固定軸を持つ剛体の運動を解くことができる
12週 平行軸の定理
剛体振り子
平行軸の定理を応用し剛体振り子の固有振動数や振動周期を計算することができる
13週 剛体の平面運動の運動方程式(1) 剛体の平面運動の運動方程式の導出課程を理解する
14週 剛体の平面運動の運動方程式(2) 剛体の平面運動の運動方程式を立てて,解くことができる
15週 剛体の平面運動と力学的エネルギー 剛体の平面運動の力学的エネルギーを利用して,剛体の運動を計算することができる
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 固体の変形
応力ーひずみ曲線
ひずみや応力を説明できる
2週 弾性定数(ヤング率,ポアッソン比) ヤング率やポアッソン比の意味を正しく理解して使うことができる
3週 弾性定数(体積弾性率,剛性率)
弾性体のエネルギー
体積弾性率や剛性率の意味を正しく理解して使うことができる
4週 弾性定数間の関係 ヤング率とポアッソン比から体積弾性率と剛性率を求めることができる
5週 棒の引っ張り 引っ張られた棒のひずみや伸びを求めることができる。
6週 ねじれ ねじれ振り子の振動周期や丸棒のねじれ定数を求めることができる。
7週 棒の曲げ 曲率と曲げモーメントの関係式を導くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 静止流体(1) 静水圧の性質を正しく理解している
10週 静止流体(2) 浮力や大気圧の計算ができる
11週 ベルヌーイの定理 ベルヌーイの定理を正しく理解している
12週 ベルヌーイの定理の応用 ベルヌーイの定理を応用して,基礎的な問題を解くことができる
13週 粘性流体 ニュートンの粘性法則について正しく理解している
14週 ハーゲン・ポアズイユの法則 円管内を流れる粘性流体の速度分布を求めることができる
15週 表面張力 表面張力を用いて毛細管現象などの計算ができる
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前1,前6
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前1
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前2
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前9
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前15
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前15
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前11
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前10,前12
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4後1
応力とひずみを説明できる。4後1
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4後2,後3,後4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4後6
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後3
熱流体パスカルの原理を説明できる。4後9
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4後9
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4後10
物体に作用する浮力を計算できる。4後10
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4後9
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4後11,後12

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力000