概要:
「制御とは何か?」を理解し,制御系を伝達関数やブロック線図で表現でき,応答性や安定性について評価ができる能力を身につける。特に,基本要素のステップ応答や周波数応答,ベクトル軌跡などの基本的な特徴を理解するとともに,それら基本要素を含むシステムに対して簡単なフィードバック制御系が設計できる能力を身につける。
※実務との関係
この科目は企業で油圧ポンプの機構設計と制御系設計を担当していた教員が, その実務経験を活かし,制御工学全般について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
制御工学の基礎概念の理解のため古典制御理論に力点を置いて学ぶ。また,制御理論は各項目が相互に関連しているので,配布プリントなどの演習問題を自ら積極的に解いたり,機械工学実験Ⅱ(制御工学実験)を通して理解を深めていくことが望ましい。
注意点:
試験期ごとに,定期試験を90%,課題レポートを10%として評価し,総合成績60%以上を合格とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
制御工学・計測制御のガイダンス,フィードバック制御の基礎と基本構成 |
制御工学・計測制御の概要,フィードバック制御の基礎を説明できる。
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2週 |
システムの動特性の表現,伝達関数,1タンクシステム,2タンクシステム |
伝達関数が説明でき,例題を通じて伝達関数の求め方が説明できる。
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3週 |
ラプラス変換と逆変換,ラプラス変換と逆変換の例題演習 |
ラプラス変換と逆変換が説明でき,基礎的例題を計算することができる。
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4週 |
比例要素,積分要素,1次遅れ要素とその標準形 |
比例要素,積分要素,1次遅れ要素とその標準形が説明できる。
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5週 |
2次遅れ要素,むだ時間要素,微分要素 |
2次遅れ要素,むだ時間要素,微分要素が説明できる。
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6週 |
ブロック線図によるシステム構造の表現,直列結合,並列結合,FB結合,直結FB |
ブロック線図の作図法が説明できる。
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7週 |
ブロック線図の等価変換,全システムの伝達関数 |
ブロック線図の等価変換と全システムの伝達関数が説明できる。
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8週 |
過渡応答,インパルス応答,ステップ応答,基本要素のインディシャル応答1(比例要素,積分要素) |
インパルス応答,ステップ応答,インディシャルが説明でき,比例要素,積分要素の計算ができる。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
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10週 |
基本要素のインディシャル応答2(1次遅れ要素) |
1次遅れ要素のインディシャル応答が説明できる。
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11週 |
基本要素のインディシャル応答3(1次遅れ要素の続き)と部分分数とその一般的解法 |
部分分数を用いて,1次遅れ要素のインディシャル応答が計算できる。
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12週 |
基本要素のインディシャル応答4(2次遅れ要素,特性方程式) |
2次遅れ要素のインディシャル応答と特性方程式の説明できる。
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13週 |
例題:直流サーボモータのステップ応答の調整,減衰係数,固有角周波数 |
例題:直流サーボモータのステップ応答を通じて,減衰係数と固有角周波数の説明ができる。
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14週 |
安定性とその解析,安定論の基礎,安定のための条件 |
安定性の意味と基礎的理論,および安定のための条件が説明できる。
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15週 |
ラウスの安定判別法とフルビッツの安定判別法,およびそれらの比較 |
ラウスの安定判別法とフルビッツの安定判別法を用いて安定判別ができる。
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16週 |
前期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
周波数応答と周波数伝達関数 |
周波数応答と周波数伝達関数の説明ができ,周波数伝達関数を求めることができる。
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2週 |
ベクトル軌跡1(1次遅れ要素,2次遅れ要素) |
1次遅れ要素と2次遅れ要素のベクトル軌跡を図示できる。
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3週 |
ベクトル軌跡2(むだ時間要素),ボード線図1(積分要素,微分要素,作図演習) |
むだ時間要素のベクトル軌跡,積分要素と微分要素のボード線図を説明できる。
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4週 |
ボード線図2(1次遅れ要素,1次進み要素積,むだ時間要素,作図演習) |
1次遅れ要素,1次進み要素積,むだ時間要素のボード線図を説明できる。
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5週 |
ボード線図3(1次遅れ要素+むだ時間要素,2次遅れ要素),共振周波数とピーク値 |
1次遅れ要素+むだ時間要素,2次遅れ要素のボード線図と,共振周波数とピーク値が説明できる。
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6週 |
計測制御の概念と用語・単位,ナイキストの安定判別法と安定度 |
計測制御の概念と用語・単位,ナイキストの安定判別法と安定度を説明できる。
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7週 |
ナイキスト軌跡の描き方,ボード線図による安定判別 |
ナイキスト軌跡の描き方が説明でき,ボード線図による安定判別ができる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
伝達関数による制御系の設計,FB制御の有意性,制御器の設計法の概要 |
伝達関数による制御系の設計,FB制御の有意性,制御器の設計法の概要が説明できる。
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10週 |
制御系の設計仕様,定常特性の評価(定常位置偏差,定常速度偏差,定常加速度偏差) |
定常特性に関する定常位置偏差,定常速度偏差,定常加速度偏差を説明できる。
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11週 |
過渡特性の評価,ゲイン余裕と位相余裕,各偏差のまとめ |
ステップ応答に関して立ち上がり時間などの評価ができ,ゲイン余裕と位相余裕が説明できる。
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12週 |
共振ピーク周波数とピーク値,帯域幅 |
2次遅れ要素に関して,共振ピーク周波数とピーク値,帯域幅が説明できる。
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13週 |
2次系の過渡特性と周波数特性の関係 |
2次遅れ要素の標準形を基に,帯域幅,ピーク値,制定時間などの求め方が説明できる。
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14週 |
制御系の設計法,サーボ系の設計法1(ゲイン調整による方法) |
制御系の設計法の概要,サーボ系におけるゲイン調整に方法が説明できる。
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15週 |
サーボ系の設計法2(位相遅れ要素による直列補償法),プロセス系の設計法,PID制御 |
サーボ系の位相遅れ要素による直列補償法と,プロセス系の設計法およびPID制御が説明できる。
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16週 |
後期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 3 | |
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 4 | |
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。 | 4 | |
自動制御の定義と種類を説明できる。 | 4 | |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 4 | |
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。 | 4 | |
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。 | 4 | |
伝達関数を説明できる。 | 4 | |
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。 | 4 | |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 4 | |
制御系の定常特性について説明できる。 | 4 | |
制御系の周波数特性について説明できる。 | 4 | |
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。 | 4 | |