機械数学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械数学
科目番号 210112 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高遠節夫・佐藤志保 ほか著「新応用数学」 大日本図書 ISBN 978-4-477-02716-6,ほかプリント配布,参考書:高専の数学教材研究会 編集「高専テキストシリーズ 応用数学」森北出版 ISBN 978-4-627-05551-3,中村達男・鉄健司 著「新版QC入門講座7 管理図の作り方と活用」日本規格協会 ISBN 978-4542502574,岡田昌史 著「システム制御の基礎と応用」数理工学社 ISBN 978-4-901683-52-4
担当教員 滝 康嘉,山崎 容次郎

到達目標

1.ラプラス変換の基本性質を活用して関数のラプラス変換と逆変換ができる。
2.ラプラス変換を利用して,定数係数線形常微分方程式を解くことができる。
3.周期関数のフーリエ級数を求めることができる。
4.簡単な関数のフーリエ変換と逆変換を求めることができる。
5.データの平滑化や平均・標準偏差の計算,ヒストグラム・管理図の作成ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス変換の基本性質を活用して様々な関数のラプラス変換と逆変換ができる。ラプラス変換の基本性質を活用して簡単な関数のラプラス変換と逆変換ができる。ラプラス変換の基本性質を活用して簡単な関数のラプラス変換と逆変換ができない。
評価項目2ラプラス変換を利用して,定数係数線形常微分方程式の初期値問題と境界値問題の解を求められる。ラプラス変換を利用して,簡単な定数係数線形常微分方程式の初期値問題を解くことができる。ラプラス変換を利用して,簡単な定数係数線形常微分方程式を解くことができない。
評価項目3周期関数に対してフーリエ級数を導出でき,基本となる性質や各種定理を説明できる。簡単な周期関数に対してフーリエ級数を求められる。簡単な周期関数のフーリエ級数を求めることができず,性質や定理を理解できない。
評価項目4簡単な関数のフーリエ変換やその逆変換を計算でき,各種定理や計算機への応用を理解できる。簡単な関数のフーリエ変換を計算でき,基本的な定理を理解できる。簡単な関数のフーリエ変換やその逆変換を求められず,定理や応用も理解できない。
評価項目5実データの分析に平滑化,平均・標準偏差・ヒストグラム・管理図を計算・作成して応用できる。データの平滑化や,平均・標準偏差の計算,ヒストグラム・管理図の作成ができる。データの平滑化や,平均・標準偏差の計算,ヒストグラム・管理図の作成ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ラプラス変換,フーリエ級数,フーリエ変換の基礎的事項を理解し,簡単な計算や常微分方程式を解くことができることを目指す。また,ラプラス変換の応用としてディジタルフィルタの基礎と応用,フーリエ変換についてはコンピュータを利用した離散フーリエ変換・高速フーリエ変換も体験し,周波数特性との関係もつかんでもらう。また,データの分析で重要な平均・標準偏差・ヒストグラム・管理図取り扱う。
授業の進め方・方法:
難しい計算問題よりも,基礎の定着と応用の理解に重点を置く。最初に物理現象や工学的応用を例示しイメージや学習意義をつかんでもらった後,基礎理論と基本的な例題を取り上げる。授業の後半では演習を主体とし,理解を深めてもらう。内容によっては,学生が予習やグループ学習で取り組む演習も設定する。また,必要に応じて課題レポートを課し,理解と実践力の習熟を図る。課題によっては表計算ソフトや数値計算ソフトも取り入れる。
注意点:
・必要に応じて演習室等を使用します。授業場所が変更になる場合もあるので,注意して下さい。
・オフィスアワーは別途指示しますが,メールやTeamsのチャットでも質問を受け付けます。
・また,クラウドやTeamsを介して講義資料を公開する予定です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,ラプラス変換概論 ラプラス変換の概要を理解できる。
2週 定義式によるラプラス変換の導出 積分により簡単な関数のラプラス変換を計算できる。
3週 ラプラス変換の線形性と移動法則 ラプラス変換の線形性と移動法則を理解し,応用できる。
4週 部分分数分解と逆ラプラス変換 部分分数分解が計算できる。逆ラプラス変換を計算できる。
5週 ラプラス変換の微分法則 ラプラス変換の定義から基本法則を導き出し,その法則を使ってより複雑な関数のラプラス変換を求めることができる。
6週 微分方程式の初期値問題 ラプラス変換を利用して,初期値を与えられた微分方程式を解くことができる。
7週 問題演習 演習を通してこれまでに学んだことを振り返る。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却と解説,微分方程式の境界値問題 ラプラス変換を利用して,境界条件を与えられた微分方程式を解くことができる。
10週 伝達関数とたたみ込み,および積分方程式 たたみ込みを理解し,そのラプラス変換を応用できる。
11週 ディジタルフィルタによる平滑化 データの平滑化について理解できる。
12週 計算機演習 実データの平滑化ができる。
13週 正規分布と平均・標準偏差・ヒストグラム,管理図とその応用 平均・標準偏差・ヒストグラムやその特性を理解できる。管理図とその特徴について理解できる。
14週 測定演習 実際の測定データに対し,ヒストグラムや管理図を求められる。
15週 測定演習 実際の測定データを平均・標準偏差・ヒストグラム・管理図で分析できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 周期関数,三角関数の性質と直交性 三角関数の直交性を理解できる。
2週 周期2πのフーリエ級数 周期2πの関数のフーリエ級数を求めることができる。
3週 周期2lのフーリエ級数 周期2lの関数のフーリエ級数を求めることができる。
4週 フーリエ正弦・余弦級数 フーリエ正弦級数,余弦級数を求めることができる。
5週 収束定理とその応用 フーリエ級数の収束定理を理解し,級数の公式を求めることができる。
6週 計算機演習 計算機により周期関数をフーリエ級数展開で表現でき,各種定理を理解できる。
7週 演習 フーリエ級数に関する計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説,複素フーリエ級数 複素フーリエ級数の基本を理解できる。
10週 複素フーリエ級数と離散フーリエ変換 複素フーリエ級数を求めることができ,計算機応用を理解できる。
11週 計算機演習 フーリエ変換・逆変換の公式を使って簡単な関数のフーリエ変換・逆変換を計算できる。
12週 フーリエ変換 フーリエ変換の定義から基本法則を求めることができる。
13週 フーリエ変換と積分定理 フーリエ変換の積分定理を理解し,応用できる。
14週 逆フーリエ変換(反転公式) 逆フーリエ変換を求めることができる。
15週 演習 複素フーリエ級数やフーリエ変換に関する計算ができ,各種定理を説明できる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前1,前7,前9
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前1,前6,前7,前9,前10

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力401050
専門的能力302050
分野横断的能力000