概要:
質点系・剛体の力学の基礎理論とその導出過程を理解することによって,物理的思考力を身につけるとともに,機械工学への応用力を身に付ける。また,連続体としての弾性体の基礎を理解する。特に3次元CAD・CAEを扱う上で必要となる基礎知識・基礎的概念の習得を目指し,ドローンの姿勢表現や慣性センサの力学的原理についても取り扱う。
授業の進め方・方法:
最初に物理現象や工学的応用を例示しイメージや学習意義をつかんでもらった後,基礎理論と基本的な例題を取り上げる。授業の後半は演習を主体とし,理解を深めてもらう。内容によっては,学生が予習やグループ学習で取り組む演習も設定する。また,必要に応じて課題演習やレポートを課し,理解と実践力の習熟を図る。
注意点:
・演習室等の使用で授業場所が変更になる場合もありますので,注意して下さい。
・オフィスアワーは別途指示しますが,メールやTeamsのチャットでも質問を受け付けます。
・また,クラウドやTeamsを介して講義資料を公開する予定です。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,剛体の力学の概説 |
剛体やその力学の概念を理解できる。
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2週 |
力のモーメント |
二次元問題の力のモーメントを計算することができる。
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3週 |
剛体のつり合い |
二次元問題の剛体のつり合い問題を解くことができる。
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4週 |
重心の計算 |
剛体の重心を求めることができる。
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5週 |
重心の計算 |
積分を使って剛体の重心を求めることができる。
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6週 |
ベクトルの外積 力のモーメント角運動量 |
ベクトルの外積を使って,力のモーメントと運動量ベクトルを求めることができる
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7週 |
重心の運動 質点系の回転運動 |
質点系の並進の運動方程式と回転の運動方程式を理解する
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
剛体の回転運動の関係式 |
剛体の回転運動の式と回転の運動エネルギーを理解する
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10週 |
慣性モーメント |
簡単な形の物体の慣性モーメントを計算することができる
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11週 |
固定軸を持つ剛体の運動
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固定軸を持つ剛体の運動を解くことができる。
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12週 |
平行軸の定理 剛体振り子 |
平行軸の定理を応用し剛体振り子の固有振動数や振動周期を計算することができる。
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13週 |
剛体の平面運動の運動方程式(1) |
剛体の平面運動の運動方程式の導出課程を理解する。
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14週 |
剛体の平面運動の運動方程式(2) |
剛体の平面運動の運動方程式を立てて,解くことができる。
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15週 |
剛体の平面運動と力学的エネルギー |
剛体の平面運動の力学的エネルギーを利用して,剛体の運動を計算することができる。
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16週 |
前期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
姿勢を表す回転行列とオイラー角 |
3次元空間における姿勢の表現方法を理解できる。
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2週 |
ロール・ピッチ・ヨー角,単位四元数(クォータニオン) |
3次元空間における姿勢の表現方法を理解できる。
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3週 |
慣性センサとその原理 |
慣性センサの力学的原理を理解できる。
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4週 |
角運動量と慣性テンソル,オイラーの運動方程式 |
慣性テンソルの特徴やオイラーの運動方程式を理解できる。
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5週 |
ラグランジュの運動方程式 |
ラグランジュの運動方程式を導出できる。
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6週 |
応用物理実験・測定演習 |
応用物理の実問題の結果を分析でき,理論を理解できる。
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7週 |
応用物理実験・測定演習 |
応用物理の実問題の結果を分析でき,理論を理解できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
試験返却と解説,固体の変形,応力ーひずみ曲線 |
ひずみや応力を説明できる。
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10週 |
弾性定数(ヤング率,ポアッソン比) |
ヤング率やポアッソン比の意味を正しく理解して使うことができる。
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11週 |
弾性定数(体積弾性率,剛性率),弾性体のエネルギー |
体積弾性率や剛性率の意味を正しく理解して使うことができる。
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12週 |
弾性定数間の関係 |
ヤング率とポアッソン比から体積弾性率と剛性率を求めることができる。
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13週 |
棒の引っ張り |
引っ張られた棒のひずみや伸びを求めることができる。
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14週 |
ねじれ |
ねじれ振り子の振動周期や丸棒のねじれ定数を求めることができる。
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15週 |
棒の曲げ |
曲率と曲げモーメントの関係式を導くことができる。
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16週 |
後期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 前2 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 前6,後4 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 前6,後4 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 前2 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 前1,前4,前5 |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | 前1,前10 |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | 前1,前7,前9,前11,前12,前13,前14,前15,後4,後5 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前1,前6 |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 4 | 前2 |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 4 | 前4,前5,前11,前12,前13,前14,前15 |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前9,後3,後4,後5 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | 前15,後5 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | 前15,後5 |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | 前7,前9,前11,前13,前14,後4,後5 |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | 前9,前11,前12,前13,前14,前15,後4 |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 後1,後9 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 後1,後9 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後10,後11,後12 |
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。 | 4 | 後6,後14 |
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | 後3,後11 |