コンピュータ工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 コンピュータ工学
科目番号 210120 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:半谷・見山・長谷川,コンピュータ概論,コロナ社(ISBN: 978-4-339-02428-9),およびプリント
担当教員 山崎 容次郎

到達目標

1.コンピュータ(PC)の構成,数や文字の表現方法が説明でき,2進数,8進数および16進数の計算ができる。
2.基本的論理回路の説明ができ,加算器などの簡単な組合せ論理回路や順序回路の解析,設計ができる。
3.集積回路(IC)の特徴や,基本的な演算回路(レジスタ,カウンタ等)について説明ができる。
4.中央処理装置(CPU)の動作が説明でき,Z80に対応したアセンブリ言語を用いた基本的なプログラムが作成できる。
5.ディスク装置の記憶容量の計算ができ,オペレーティングシステム(OS)の基礎的な役割やネットワークの概要が説明できる。



ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1コンピュータ(PC)の構成,数や文字の表現方法が説明でき,2進数,8進数および16進数の計算ができる。 コンピュータ(PC)の構成,数や文字の表現方法が説明でき,2進数,8進数および16進数の基礎的な計算ができる。 コンピュータ(PC)の構成,数や文字の表現方法,2進数や16進数を用いた計算方法が説明できない。
評価項目2基本的論理回路の説明ができ,加算器などの組合せ論理回路や順序回路の解析,設計ができる。 基本的論理回路の説明ができ,加算器などの簡単な組合せ論理回路や順序回路の解析,設計ができる。 基本的論理回路を用いた組合せ論理回路や順序回路について,説明できない。
評価項目3集積回路(IC)の特徴や,基本的な演算回路(レジスタ,カウンタ等)の説明,設計ができる。 集積回路(IC)の特徴や,基本的な演算回路(レジスタ,カウンタ等)について説明ができる。 集積回路(IC)の特徴や,基本的な演算回路について説明できない。
評価項目4中央処理装置(CPU)の動作が説明でき,Z80に対応したアセンブリ言語を用いたプログラムが作成できる。 中央処理装置(CPU)の動作が説明でき,Z80に対応したアセンブリ言語を用いた基本的なプログラムが作成できる。 Z80に対応したアセンブリ言語を用いた基本的なプログラムが作成できない。
評価項目5ディスク装置の記憶容量の計算ができ,オペレーティングシステム(OS)の役割やネットワークの概要や応用について説明できる。 ディスク装置の記憶容量の計算ができ,オペレーティングシステム(OS)の基礎的な役割やネットワークの概要が説明できる。 ディスク装置の記憶容量の計算法や,オペレーティングシステム(OS)の基礎的な役割やネットワークの概要が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータを構成する各装置の仕組み(ハード)を学び,コンピュータを実際的な機器(道具)の一つとして理解するとともに,それらを動作させる基本的な情報の取扱い方法を身につける。
※実務との関係
この科目は企業で油圧ポンプの機構設計と制御系設計を担当していた教員が, その実務経験を活かし,コンピュータの仕組み,およびコンピュータを用いた信号処理の基礎について,講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義は主に教科書を用いて進めるが,情報処理技術者試験にも関連していることを考慮し,最新の情報や詳細についてはプリントや実物を用いて解説する。また,本講は即物的科目と考えられ,実物に触れたり演習問題等の具体例を通してコンピュータの仕組みを学ぶ。
注意点:
試験期ごとに,定期試験を90%,課題レポートを10%として評価し,総合成績60%以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス,コンピュータ(PC)の歴史と基盤技術 コンピュータ(PC)の基本構成要素(5大装置)と基盤技術が説明できる。
2週 数と文字の表現法,整数,2進数,固定小数点数 2進数を理解し,10進数⇔2進数に関して,整数および小数の計算ができる。
3週 丸め誤差と2進数,8進数,16進数の計算 2進数を用いたとき丸め誤差を理解し,2進数,8進数,16進数の計算ができる。
4週 負数,符号絶対値法,補数 PCで用いられる負数を理解し,符号絶対値法と補数を説明できる。
5週 情報の単位と2進数の算術演算(加算,減算,乗算,除算) 各種の情報の単位(ビット,バイト,ワード)が説明でき,2進数の算術演算ができる。
6週 浮動小数点数(IEEEの単精度,IEEEの倍精度,IBMの単精度) 小数をいくつかの精度の浮動小数点数で表すことができる。
7週 データの符号化,文字,コード(ASCIIコード,JISコードなど) データの符号化を理解し,ASCIIコード,JISコードなどの特徴を説明できる。
8週 ブール代数と論理回路,基本的論理回路,ドモルガンの公式 ブール代数と基本的論理回路を理解し,論理関数の展開や,ドモルガンの公式が使える。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 排他的論理和と基本論理回路のシンボル 排他的論理和が説明でき,基本論理回路のシンボルを知り,論理回路図が描くことができる。
11週 組合せ論理回路,全加算器と半加算器,カルノー図による論理関数の簡略化 カルノー図を用いて,全加算器と半加算器の最大限に簡略化した論理回路図を描くことができる。
12週 加法標準形,順序回路とフリップフロップ回路(FF回路) 加法標準形,順序回路,RS-FF回路を説明することができる。
13週 RS-FFとJK-FFの特性表,特性方程式 RS-FFとJK-FFの特性表,特性方程式が説明できる。
14週 D-FFとT-FF D-FFとT-FFの特性表と機能や役割が説明できる。
15週 順序回路(FF回路)のまとめ FF回路を使った順序回路が説明できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 集積回路(IC)と論理演算回路 集積回路(IC)の各種分類,真理値表と機能表(正論理,負論理)が説明できる。
2週 レジスタ,シフトレジスタ,カウンタ(非同期式2進カウンタ) レジスタとカウンタの回路構成と機能が説明できる。
3週 同期式2進カウンタ,エンコーダとデコーダ 同期式2進カウンタとエンコーダ(16進キーエンコーダ)とデコーダの機能が説明できる。
4週 マルチプレクサとデマルチプレクサ,比較器(コンパレータ) マルチプレクサとデマルチプレクサ,比較器の機能が説明できる。
5週 算術論理演算回路(リップル桁上げ加算機,2の補数を用いた加算機) 算術論理演算回路である各種加算機の機能が説明できる。
6週 基本記憶素子(BMC)に基づく記憶装置 基本記憶素子の機能,MARとMDRの役割が説明できる。
7週 DA変換機とAD変換機 4ビットのDA変換機とAD変換機の例に,その機能が説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 コンピュータ(PC)の5大装置とバス接続法 コンピュータの基本構成(5大装置)とバス接続法が説明できる。
10週 中央処理装置(CPU),高級言語と機械語,アセンブリ言語 中央処理装置(CPU)の信号の流れ,機械語とアセンブリ言語の概要が説明できる。
11週 Z80のアセンブリ言語と機械語1(レジスタ,データ転送命令,算術演算命令,論理演算命令) Z80のレジスタが説明でき,基礎的なプログラムについて説明できる。
12週 Z80のアセンブリ言語と機械語2(分岐命令,コールリターン命令,ビット移動命令) Z80のプログラムに関する例題が解け,基礎的なプログラムが作成できる。
13週 記憶システムの分類と階層化 記憶システムの分類と記憶システムの階層化について説明できる。
14週 磁気ディスク装置の計算法 磁気ディスク装置の記憶容量が計算できる。
15週 オペレーティングシステム(OS)とネットワーク OSの役割,ネットワークの基礎的な事項が説明できる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。3
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。3
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。3
条件判断プログラムを作成できる。4
繰り返し処理プログラムを作成できる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合000
到達目標1000
到達目標2000
到達目標3000
到達目標4000
到達目標5000