計算力学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 計算力学
科目番号 210124 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 自作プリント
担当教員 橋本 良夫

到達目標

1.差分公式を使って微分方程式を差分方程式に変換し近似解を求めることができる。
2.連立一次方程式の直接法,間接法の基礎を理解し,具体的な問題に応用することができる。
3.重み付き残差法に基づく有限要素法の流れを理解し,簡単な問題に有限要素法を応用することができる。
4.有限要素法の材料力学(棒の引っ張り,トラス,はりの曲げ)への応用の基礎を理解し,具体的な問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1必要な差分公式を求め,微分方程式を差分方程式に変換し近似解を求めることができる。差分公式を使って微分方程式を差分方程式に変換し近似解を求めることができる。差分公式を使って微分方程式を差分方程式に変換し近似解を求めることができない。
評価項目2連立一次方程式の直接法,間接法の基礎を理解し簡単なプログラムを作ることができる。連立一次方程式の直接法,間接法の基礎を理解し利用できる。連立一次方程式の直接法,間接法の基礎を理解し利用できない。
評価項目3重み付き残差法に基づく有限要素法の流れを理解し,問題を有限要素法で解くことができる。重み付き残差法に基づく有限要素法の流れを理解し,簡単な問題を有限要素法で解くことができる。重み付き残差法に基づく有限要素法の流れを理解できず,簡単な問題を有限要素法で解くことができない。
評価項目4有限要素法の材料力学(棒の引っ張り,トラス,はりの曲げ)への応用の基礎を理解し,問題を解くことができる。有限要素法の材料力学(棒の引っ張り,トラス,はりの曲げ)への応用の基礎を理解し,簡単な問題を解くことができる。有限要素法の材料力学(棒の引っ張り,トラス,はりの曲げ)への応用の基礎を理解し,簡単な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
計算機技術の発達に伴い, 機械設計において数値解析は欠かすことの出来ない道具の一つになった. 計算力学とは, 力学的な問題に対し計算機を使った数値解析で解を求める手法である. 設計の際に解析の際にソフトウェアを用いたり, 研究において未知の工学的諸問題に取り組むにあたり, 機械工学において計算力学がどのような考えに基づいているかを理解することは極めて重要である. この講義では, 数値計算法を利用して機械工学における力学的な問題を数値的に解く方法を学ぶ. 内容としては, 有限要素法を中心に取り上げる. 受講者は基礎的なプログラミングと数値計算法を理解していることが望ましい.
授業の進め方・方法:
講義形式で基礎的事項の説明をした後,簡単なプログラムを作って近似解を求め,計算力学の仕組みについて理解を深める.
講義中のプログラムはmatlabを用いて作成する.
注意点:
- 提出遅れの課題レポートは,評価点から20%を減点する.
- レポート点が5割であることを鑑み再試験は実施しない.
- 欠席したときには課題が出されなかったどうかを確認すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計算力学とは
Matlab入門(1)
計算力学の必要性が理解できる。
2週 Matlab入門(2) Matlabで簡単なプログラミングができる。
3週 微分方程式の差分近似 簡単な微分方程式を差分方程式に変換できる。
4週 微分方程式の厳密解 簡単な微分方程式の厳密解を求めることができる。
5週 二階微分方程式の境界値問題の差分法解析 差分法のプログラムを作り,近似解を求めることができる。
6週 連立一次方程式の解法(直接法) 簡単な連立一次方程式を手計算のガウスの消去法で解くことができる。
7週 連立一次方程式の解法(反復法) 連立一次方程式に反復法を適用したときの収束判定ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 2次元Poisson方程式の差分法 2次元Poisson方程式を差分方程式に変換して近似解を求めることができる。
10週 有限要素法の歴史
重み付き残差法(部分領域法)
部分領域法を用いて,簡単な微分方程式の近似解を求めることができる。
11週 重み付き残差法(選点法)
重み付き残差法(ガラーキン法)
選点法やガラーキン法を用いて,簡単な微分方程式の近似解を求めることができる。
12週 重み付き残差法と3手法の誤差比較 重み付き残差法という観点から部分領域法,選点法,ガラーキン法を統一的に説明することができる。
13週 一次元の有限要素法の定式化
1要素,2要素モデルによる近似解
微分方程式の弱形式を導き出すことができ,近似式を用いて近似解を求めることができる。
14週 要素マトリクスによる解法 与えられた要素マトリクスを用いて近似解を計算することができる。
15週 多要素モデルによる解法のプログラミング matlabを用いて有限要素法のプログラムを作ることができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 構造力学への応用
棒要素の導出
棒要素の要素剛性マトリクスと等価節点力ベクトルが導出ができる。
2週 棒の引っ張り問題への応用 棒要素を用いて棒の引っ張り問題を解くことができる。
3週 平面トラスへの応用(1) 棒要素からトラス部材の要素剛性マトリクスを導くことができる。
4週 平面トラスへの応用(2) トラス部材の要素剛性マトリクスを用いてトラスのたわみを計算することができる。
5週 平面トラスへの応用(支点反力,部材軸力の計算) トラスのたわみを用いて,支点反力と部材軸力を計算できる。
6週 はり要素の導出 はり要素の要素剛性マトリクスと等価節点力ベクトルを導出できる。
7週 はりの曲げ問題への応用 はり要素の要素剛性マトリクスと等価節点力ベクトルを用いて,はりの曲げ問題を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 2次元Poisson方程式の有限要素法 2次元Poisson方程式の弱形式が導出できる。
10週 三角形要素の導出 三角形要素の要素剛性マトリックスと等価節点力ベクトルが導出できる。
11週 三角形要素を用いたプログラミング(1) matlabで三角形要素を用いた2次元Poisson方程式の有限要素法プログラムを作成することができる。
12週 三角形要素を用いたプログラミング(2) matlabで三角形要素を用いた2次元Poisson方程式の有限要素法プログラムを作成することができる。
13週 長方形要素の導出 長方形要素の要素剛性マトリックスと等価節点力ベクトルが導出できる。
14週 長方形要素を用いたプログラミング(1) matlabで長方形要素を用いた2次元Poisson方程式の有限要素法プログラムを作成することができる。
15週 長方形要素を用いたプログラミング(2) matlabで長方形要素を用いた2次元Poisson方程式の有限要素法プログラムを作成することができる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4前5,後2,後4,後7,後11,後12,後14,後15
繰り返し処理プログラムを作成できる。4前5,後2,後4,後7,後11,後12,後14,後15
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4前5,後2,後4,後7,後11,後12,後14,後15

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力50050
専門的能力05050