機械数学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械数学
科目番号 220105 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 河東泰之監修「LIBRARY工学基礎&高専TEXT T-4 応用数学」数理工学社,ISBN 978-4-86481-033-3,参考書:佐藤志保,高遠節夫 ほか「新応用数学」大日本図書,ISBN 978-4-477-02716-6,岡田昌史「システム制御の基礎と応用」数理工学社,ISBN 978-4-901683-52-4
担当教員 滝 康嘉,山崎 容次郎

到達目標

1.ラプラス変換や逆変換の導出,およびそれらの応用ができる。
2.スカラー場やベクトル場の微分,積分を求めることができる。
3.管理図の導出や有意水準を考慮した検定が理解できる。
4.複素関数の基礎を理解し,基礎的な計算ができる。
5.フーリエ級数,フーリエ変換を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ラプラス変換,逆ラプラス変換を導出でき,微分方程式や積分方程式に応用できる。ラプラス変換,逆ラプラス変換を導出できる。ラプラス変換,逆ラプラス変換を求めることができない。
評価項目2スカラー場やベクトル場の微分,積分や応用的問題を解くことができる。スカラー場やベクトル場の微分,積分について基礎的な計算ができる。スカラー場やベクトル場の微分,積分を求めることができない。
評価項目3管理図の導出や有意水準を考慮した検定ができる。管理図や有意水準を考慮した検定を理解できる。管理図の導出や有意水準を考慮した検定ができない。
評価項目4複素関数について基礎的な計算ができる。複素関数の基礎について理解し,いくつかの計算ができる。複素関数について理解できず,基礎的な計算もできない。
評価項目5フーリエ級数,フーリエ変換を求めることができ,コンピュータへの応用を理解できる。フーリエ級数,フーリエ変換を求めることができる。フーリエ級数,フーリエ変換を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学の各専門科目で必要となる数学について学ぶ。機構学や流体力学で用いられる複素関数やベクトル解析,振動工学や制御工学,システム工学で用いられるラプラス変換やフーリエ解析を取り扱い,品質管理で用いる統計的な内容についても触れる。
授業の進め方・方法:
基本的な概念や例題を解説した後,授業の後半では演習に取り組んでもらう。解答例や補足はTeamsも利用する。また,四半期ごとに (a) 定期試験までの間に一度小テストを実施し,(b) 主としてコンピュータ(Excel)を用いた課題にも取り組んでもらい,理解や実践力も養う。
注意点:
・第二講義室で授業をしますので,移動時間を考慮しておいて下さい。
・オフィスアワーは別途指示しますが,メールやTeamsのチャットでも質問を受け付けます。
・また,Teamsを介して講義資料や板書写真を公開し,必要に応じて解説動画も配信します。
・課題の提出や添削指導にもTeamsを活用する予定です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ラプラス変換の導入,線形性 ラプラス変換の概要を理解できる。
2週 定義式による像関数の導出 積分により簡単な関数のラプラス変換を計算できる。
3週 各種法則と逆ラプラス変換 ラプラス変換の法則を理解し,ラプラス変換や逆変換の導出に応用できる。
4週 部分分数分解,微分方程式の初期値解 微分方程式を解くことができる。
5週 小テスト,境界条件の利用 微分方程式を解くことができる。
6週 伝達関数,ディジタルフィルタ 伝達関数やフィルタを理解できる。
7週 問題演習 ラプラス変換,逆変換,微分方程式の基本的な問題が解ける。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 畳み込みと積分方程式 畳み込みのラプラス変換ができる。
10週 ベクトルの内積と外積 ベクトルの内積や外積の計算ができる。
11週 スカラー場と勾配 スカラー場の微分ができる。
12週 ベクトル場と発散・回転 ベクトル場の微分ができる。
13週 小テスト,曲線と線積分 スカラー場やベクトル場の微分ができる。
14週 曲面と面積分 曲面の表現を理解し,面積分ができる。
15週 問題演習 スカラー場やベクトル場の微分,曲線や曲面の積分ができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 品質管理の数学,管理図 管理図を理解できる。
2週 分布と検定 検定について理解できる。
3週 小テスト,複素平面 管理図を求めることができる。
4週 複素関数,正則関数 複素関数が正則か判断できる。
5週 複素積分の基礎 複素積分を理解できる。
6週 複素関数の展開と留数 展開や留数を理解できる。
7週 問題演習 複素関数の定理を理解し,ある程度計算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 フーリエ級数の導入 フーリエ係数や級数を求めることができる。
10週 余弦級数・正弦級数 偶関数・奇関数を判断して余弦級数・正弦級数を適用できる。
11週 三角関数の直交性,収束定理 収束定理を理解できる。
12週 小テスト,複素フーリエ級数 フーリエ係数・級数を求めることができる。
13週 FFT,スペクトル 複素フーリエ級数やそのコンピュータ応用を理解できる。
14週 フーリエ変換,積分定理 フーリエ変換や積分公式を求めることができる。
15週 問題演習 フーリエ級数やフーリエ変換の計算ができる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後4,後7
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3後4
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前13,前14,前15
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前13,前14,前15
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前2,前7,後15
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前2,前7,後9,後10,後12,後14,後15
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前2,前7,後9,後10,後12,後14,後15
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3後4,後7,後12,後15
自然科学物理力学簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前1,前4,前7
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前7,前9
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前1,前5,前7
伝達関数を説明できる。3前6,前9

評価割合

定期試験小テスト課題提出合計
総合評価割合85105100
基礎的能力6510075
専門的能力200525
分野横断的能力0000