論理回路

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 論理回路
科目番号 0216 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:伊原充博,他 著「ディジタル回路」コロナ社 ISBN 978-4-339-01193-7,参考書:五島正裕 著「ディジタル回路」数理工学社 ISBN 978-4-901683-53-1,Myke Predko 著,日向俊二 訳「独習デジタル回路」翔泳社 ISBN 978-4-798-11583-2
担当教員 北村 大地

到達目標

1. 論理命題から真理値表を作成でき,ブール代数の諸規則やカルノー図を用いて簡略化された論理式を導出できる。
2. 正論理と負論理及び加法標準形と情報標準形の説明や相互変換ができ,基本論理素子の動作原理を説明できる。
3. エンコーダ・デコーダ,加算器,比較器,補数器といった組み合わせ回路を設計できる。
4. フリップフロップ回路,シフトレジスタ,カウンタといった順序回路を設計でき,タイミングチャートを書いて動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
論理式の簡略化法論理命題から真理値表を作成でき,ブール代数の諸規則やカルノー図を用いて簡略化された論理式を導出できる。真理値表からブール代数の諸規則やカルノー図を用いて簡略化された論理式を導出できる。ブール代数の諸規則が使えない。真理値表から簡略化された論理式が導出できない。
論理回路設計の基礎知識正論理と負論理及び加法標準形と情報標準形の意義の説明や相互変換ができ,TTLやCMOSICの動作原理を説明できる。正論理と負論理及び加法標準形と情報標準形の相互変換ができ,TTLの動作原理を説明できる。正論理と負論理及び加法標準形と情報標準形の相互変換ができない。TTLの動作原理が説明できない。
組み合わせ回路設計エンコーダ・デコーダ,加算器,比較器,補数器の組み合わせ回路を設計でき,動作を説明できる。エンコーダ・デコーダ,加算器等の簡単な組み合わせ回路を設計でき,動作を説明できる。簡単な組み合わせ回路を設計できない。動作が説明できない。
順序回路設計フリップフロップ回路,シフトレジスタ,カウンタの順序回路を設計でき,タイミングチャートを書いて動作を説明できる。フリップフロップ回路等の単純な順序回路を設計でき,タイミングチャートを書いて動作を説明できる。フリップフロップ回路等の単純な順序回路が設計できない。タイミングチャートが書けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
論理回路設計の基礎知識となるブール代数やカルノー図などを理解し利用できるようにする。また,論理回路における正論理と負論理の意義,基本的な論理素子の動作原理を説明できるようにする。さらに,組み合わせ回路や順序回路といった複雑な論理回路を設計でき,動作原理を説明できるようにする。
授業の進め方・方法:
前半で基礎的な事項を取り扱い,後半で応用的な事項を取り扱う。教科書に沿った講義に加え,プリント配布により重要事項の説明・演習を実施する。数学的な内容に限らず,応用を意識した内容も紹介していく。演習によってはアクティブラーニングを取り入れ,グループワークによる学びあいや相互採点を実施する。
注意点:
・2回の試験結果(中間試験,期末試験)の平均点を評価とする。
・2年次の「情報数学基礎」で学んだ2進数や補数表現等の基礎知識を理解していることが前提となる。
・論理回路の基礎的な動作原理の学習を目指すことから,演習を多く実施し,補足的なプリント配布も行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ブール代数と論理演算
ブール代数の基本則を用いた論理演算ができる。
2週 カルノー図による論理演算の簡略化手法
その他の簡略化手法
ブール代数やカルノー図を用いて論理関数を簡略化できる。
3週 基本論理素子 論理命題から論理記号を用いた回路図作成ができる。
4週 正論理と負論理 正論理と負論理の意義と利点を説明でき,ド・モルガンの法則を用いて相互変換ができる。
5週 TTLとCMOSの基本動作原理 論理素子を実現するアナログ回路の概要を説明できる。
6週 エンコーダ・デコーダ,セレクタ 基本的なエンコーダ・デコーダ,セレクタの論理回路を設計できる。
7週 半加算器と全加算器 2ビットの加算器を論理素子で構成できる。
8週 比較器・組み合わせ回路総合設計演習 2ビット同士の比較器を論理素子で構成できる.これまで登場した組み合わせ回路を説明できる.
2ndQ
9週 中間試験
10週 試験返却・解説
フリップフロップの構成と動作
フリップフロップの動作原理を説明できる。
11週 各種フリップフロップの原理 RS,JK,T,Dフリップフロップを構成でき,違いについて説明できる。
12週 タイミングチャート作成演習 フリップフロップを組み合わせた回路のタイミングチャートを記述できる。
13週 レジスタとシフトレジスタ レジスタとシフトレジスタの構成,動作,使用法について,例を挙げて説明できる。
14週 非同期・同期カウンタ 非同期カウンタと同期カウンタの違いを説明でき,少ないビット数の同期カウンタを設計できる。
15週 順序回路設計演習 これまで登場した順序回路を全て設計でき,動作を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理式の簡単化の概念を説明できる。3
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3
組合せ論理回路を設計することができる。3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3
順序回路を設計することができる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。3
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。3
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。3
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。3
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。3
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。3
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。3
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。3
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。3
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。3

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
論理式の簡略化法2525
論理回路設計の基礎知識2525
組み合わせ回路設計2525
順序回路設計2525