概要:
一般的な計算機システムの基本構成と動作に関する専門知識を身に付けることを目標とする。また,数値演算の高速化技術やCPUとメモリの構造及び動作機構や,様々な入出力インターフェースにおける知識は計算機工学に必要不可欠な専門知識であり,それらを説明できることが学習到達目標である。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書の内容に沿って,プリント配布により重要事項の説明・演習を実施する。
注意点:
・2回の試験結果(中間試験,期末試験)の平均点を評価とする。
・3年次の「論理回路」で学んだ専門知識を理解していることが前提となる。
・5年次の「回路設計(論理)」で本講義の習得知識が必須となる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 計算機アーキテクチャの導入 |
計算機技術で用いられる基本工学要素とコンピュータの基本命令セットの意味を説明できる。
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2週 |
ノイマン型計算機と基本アーキテクチャ1 |
ノイマン型アーキテクチャの特徴を説明できる。
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3週 |
ノイマン型計算機と基本アーキテクチャ2 |
命令の形式やアドレスの指定方法について基本的な概念を説明でき,プロセッサの性能を計算できる。
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4週 |
計算機におけるデータの表現1 |
計算機上での数の表現方法について説明でき,その表現方法で具体的な計算ができる。
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5週 |
計算機におけるデータの表現2 |
固定小数点と浮動小数点の違いを説明できる。また,計算機上での文字の取り扱いについて説明できる。
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6週 |
演算アーキテクチャ1 |
ALUにおける加減算器,ビット数拡張回路,及びシフト演算器について説明できる。
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7週 |
演算アーキテクチャ2 |
ALUにおける配列乗算器や浮動小数点での加減算・乗除算法について説明できる。
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8週 |
定期試験 |
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4thQ |
9週 |
制御アーキテクチャ1 |
制御装置の働き,マイクロプログラム制御方式や命令パイプライン処理について説明できる。
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10週 |
制御アーキテクチャ2 |
割り込みの手順や動作の概要を説明できる。
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11週 |
メモリアーキテクチャ1 |
SRAMとDRAMの内部構造を説明できる。また,平均メモリアクセス時間を算出できる。
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12週 |
メモリアーキテクチャ2 |
キャッシュ機構とメモリの関わりを概説できる。また,アドレスの取り扱いについて説明できる。
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13週 |
メモリアーキテクチャ3 |
ダイレクトマップ方式とセットアソシアティブ方式について説明できる。
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14週 |
メモリアーキテクチャ4 |
ページ表による主記憶分割共有,ページ置き換えアルゴリズムについて説明できる。
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15週 |
並列計算 |
並列処理による高速演算法やその原理・用途について概説できる。
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16週 |
期末試験 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 3 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 3 | |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 3 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 3 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 3 | |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 3 | |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 3 | |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 3 | |
順序回路を設計することができる。 | 3 | |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 3 | |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | |
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。 | 3 | |
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。 | 3 | |
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。 | 3 | |
コンピュータシステム | ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。 | 3 | |
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。 | 3 | |
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。 | 3 | |
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。 | 3 | |