電気基礎Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気基礎Ⅱ
科目番号 200204 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 直流回路では「やさしい電気回路(直流編)」を使用する。電界と電位、電流と磁界、電磁誘導と電磁波では「総合物理2」および「問題集」を使用する。複素数と正弦波ではプリントを配布する。
担当教員 山本 雅史

到達目標

・総合的に直流回路を解析できる。
・基本的な数学の問題を解くことができる。
・静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
・電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導についてをイメージでき、それらに関する簡単な計算ができる。
・複素数の加減乗除ができる。
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
・複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
数学および直流回路の基礎様々な回路定理のなかで最適な定理を選択でき、基本的な数学力を駆使して総合的に直流回路を解析できる。基本的な数学の問題を解くことができ、総合的に直流回路を解析できる。基本的な数学の問題を解くことができず、直流回路を解析することもできない。
電界・電位および磁界・電磁力の基礎静電気、電界、電位、コンデンサ、磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力を図等を用いて説明でき、それらに関する応用問題を解くことができる。静電気、電界、電位、コンデンサ、磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。静電気、電界、電位、コンデンサ、磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージできず、それらに関する問題を解くこともできない。
電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導の理解電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導についてをイメージでき、それらに関する基本的な問題を解くことができる。電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導についてをイメージでき、それらに関する簡単な計算ができる。電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導についてをイメージできず、それらに関する簡単な計算もできない。
複素数の加減乗除およびオイラーの式を用いた四則演算の理解複素数の加減乗除、オイラーの式を利用した指数関数表示と複素数表示の変換およびそれらが混在したものの四則演算ができる。複素数の加減乗除、オイラーの式を利用した指数関数表示と複素数表示の変換および四則演算ができる。複素数の加減乗除、オイラーの式を利用した指数関数表示と複素数表示の変換および四則演算ができない。
複素ベクトルと正弦波との関係の理解複素ベクトルと正弦波との関係の理解複素ベクトルと正弦波との関係の理解RLCで構成される単純な直列回路および並列回路における複素ベクトルと正弦波との関係を理解できず,実効値や位相も計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
一般教養で履修した数学力を定着させることと,電気回路や電磁気学を学ぶ上で必要な自然科学の基礎能力を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
講義または演習形式で実施する。すでに習った基本的な数学や電気回路の小テストを行う。小テストの内容は,それまでに学習した内容(ベクトルや関数などの数学と直流回路)の基本問題を出題する。前期を中心に合計10回程度行い,さらに数回の宿題を課す。演習では,教科書の設問や例題、章末問題および別冊問題集、配布プリント等を用いる。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ガイダンス
・シラバス読み合わせ
・理解力把握アンケート
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
2週 ・アンケート集計結果
2.数学および直流回路の基礎
・小テスト
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
3週 2.数学および直流回路の基礎
・小テスト
3.電磁気学に関する基礎
 総合物理2:p. 6~29
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 電荷とクーロンの法則を理解し、クーロンの法則を用いた計算ができる。
・ 電場の概念を理解し、点電荷によりつくられる電場の計算ができる。
・ 電気力線について理解し、およその概形を描くことができる。
・ 電位および電位と電界の関係について理解し、簡単な計算ができる。
4週 2.数学および直流回路の基礎
・小テスト
3.電磁気学に関する基礎
 総合物理2:p. 30~43
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 電位および電位と電界の関係について理解し、簡単な計算ができる。
・ 静電誘導や静電遮蔽について説明することができる。
5週 2.数学および直流回路の基礎
・小テスト
3.電磁気学に関する基礎
 総合物理2:p. 70~86
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 磁石のつくる磁場について説明することができる。
・ 電流が作る磁場について説明することができる。
6週 2.数学および直流回路の基礎
・小テスト
3.電磁気学の基礎
  総合物理2:p. 44~45、87~93
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 電流が作る磁場について説明することができる。
・ 磁場と電流の相互作用やローレンツ力を理解し、電流の受ける力やローレンツ力の計算ができる。
7週 2.数学および直流回路の基礎
・小テスト
3.電磁気学の基礎
・上記演習内容の復習
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 電荷とクーロンの法則を理解し、クーロンの法則を用いた計算ができる。
・ 電場の概念を理解し、点電荷によりつくられる電場の計算ができる。
・ 電気力線について理解し、およその概形を描くことができる。
・ 電位および電位と電界の関係について理解し、簡単な計算ができる。
・ 静電誘導や静電遮蔽について説明することができる。
・ コンデンサのしくみを理解し、コンデンサについての簡単な計算ができる。
・ 磁石のつくる磁場について説明することができる。
・ 電流が作る磁場について説明することができる。
・ 磁場と電流の相互作用やローレンツ力を理解し、電流の受ける力やローレンツ力の計算ができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 3.電界と電位
・静電気、電界、電位、コンデンサに関する演習
  問題集(センサー物理)
・小テスト
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
10週 ・試験返却と解答・解説
3.電界と電位
・静電気、電界、電位、コンデンサに関する演習
  問題集(センサー物理)
・静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
・基本的な数学の問題を解くことができる。
11週 3.電界と電位
・静電気、電界、電位、コンデンサに関する演習
  問題集(センサー物理)
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。

12週 3.電界と電位
・静電気、電界、電位、コンデンサに関する演習
  問題集(センサー物理)
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
13週 4.電流と磁界
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力に関する演習
  問題集(センサー物理6)
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
14週 4.電流と磁界
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力に関する演習
  問題集(センサー物理)
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
15週 3.電界と電位
・上記演習内容の復習
4.電流と磁界
・上記演習内容の復習
・ 総合的に直流回路を解析できる。
・ 基本的な数学の問題を解くことができる。
・ 静電気、電界、電位、コンデンサをイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
・磁気力と磁界、電流がつくる磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力をイメージでき、それらに関する問題を解くことができる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 1.ガイダンス
5.電磁誘導と電磁波(p. 94~99)
・電磁誘導の法則
・電磁誘導の法則について説明できる。
2週 5.電磁誘導と電磁波(p. 100~105)
・電磁誘導の法則
・磁界中を運動する導体の棒
・電磁誘導の法則について説明できる。
・誘導電流や誘導起電力についての簡単な計算ができる。
3週 5.電磁誘導と電磁波(p. 106~109)
・磁界中を運動する導体の棒
・電磁誘導の法則について説明できる。
・誘導電流や誘導起電力についての簡単な計算ができる。
4週 5.電磁誘導と電磁波(p. 110~111)
・自己誘導と相互誘導
・変圧器、送電と変圧(p. 118~119)
・章末問題(1、2、3)(p. 142~143)
・電磁誘導の法則について説明できる。
・自己誘導および相互誘導について説明できる。
・誘導電流や誘導起電力についての簡単な計算ができる。
5週 5.電磁誘導と電磁波(p. 142~143)
・章末問題(1、2、3)
・電磁誘導の法則について説明できる。
・自己誘導および相互誘導について説明できる。
・誘導電流や誘導起電力についての簡単な計算ができる。
6週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.1~4)
 1)複素数
 2)複素数の極座標表示
 3)極形式での演算
・複素数の加減乗除ができる。

7週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.5~8)
 4)オイラーの式
 5)実効値
 6)正弦波交流とオイラーの式
・複素数の加減乗除ができる。
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却と解答・解説
10週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.9~11)
 6)正弦波交流とオイラーの式
 7)正弦波の合成
・複素数の加減乗除ができる。
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
・複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。
11週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.12~14)
 7)正弦波の合成
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
・複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。
12週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.15~17)
 7)正弦波の合成
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
・複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。
13週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.18~21)
 8)正弦波交流における抵抗成分(R、XL、XC)
 9)交流電圧と交流電流
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
・複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。
14週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.22~24)
 9)交流電圧と交流電流
 10)正弦波交流とRLC回路
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
・複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。
15週 6.複素数と正弦波(プリント配布p.25~28)
 10)正弦波交流とRLC回路
・オイラーの式を利用して,指数関数表示と複素数表示の変換ができ,四則演算ができる。
・複素ベクトルと正弦波との関係を理解し,実効値や位相を計算できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。2
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。2
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。2
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。2
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3
ローレンツ力を説明できる。3
磁気エネルギーを説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。2
自己誘導と相互誘導を説明できる。2
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。2

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7525100
数学および直流回路の基礎5510
電界・電位および磁界・電磁力の基礎202040
電磁誘導の法則、自己誘導および相互誘導の理解15015
複素数の加減乗除およびオイラーの式を用いた四則演算の理解15015
複素ベクトルと正弦波との関係の理解10010
複素ベクトルを用いた交流回路解析の基礎10010