電気回路Ⅰ・同演習

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気回路Ⅰ・同演習
科目番号 200206 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義,演習 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 電気情報工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材 教科書:大下眞二郎,「電気回路」,共立出版 参考書:大下眞二郎,「「詳解電気回路演習 上・下」,共立出版
担当教員 柿元 健

到達目標

1.複素ベクトルを用いて交流回路の電流や電圧の定常解を求めることができる。
2.共振やブリッジ回路の解析や交流電力を求めることができる。
3.2端子対回路の端子電圧,端子電流の関係式を導出でき,回路解析に応用できる。
4.3相交流回路の特徴を理解し,電流や電圧を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
複素ベクトルを用いた交流回路の電流や電圧の定常解記号法による正弦波定常解析法を用いて簡単な回路に対して定常解を求めることができ,導出過程について説明することができる。記号法による正弦波定常解析法を用いて簡単な回路に対して定常解を求めることができる。記号法による正弦波定常解析法を用いて簡単な回路に対して定常解を求めることができない。
共振やブリッジ回路の解析や交流電力の導出線形回路の基本法則を用いて複雑な回路の定常解や交流電力を求めることができる。共振回路やブリッジ回路など各種電気回路の定常解や交流電力を求めることができる。共振回路やブリッジ回路など各種電気回路の定常解や交流電力を求めることができない。
2端子対回路の回路解析様々な2端子対行列と端子電圧,端子電流の関係式を導出でき,利点などを説明することができる。様々な2端子対行列と端子電圧,端子電流の関係式を導出できる。様々な2端子対行列と端子電圧,端子電流の関係式を導出できない。
3相交流回路の回路解析3相交流の利点や特徴を理解し,各結線における線・相電流,線間・相電圧の関係を導き出すことができる。3相交流の利点や特徴について説明できる。3相交流の利点や特徴について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路Ⅰでは,微分積分や電気基礎等で学んだ基礎学理を基に,記号法を用いた正弦波定常解析を理論的に理解し,過渡現象解析に繋がる回路解析の基礎を習得する。さらに,各種基本法則や4端子行列を用いた回路解析を理解し,複雑な回路に対する基礎解析能力を身につける。また,3相交流についての知識を身に付け,交流機器の基礎原理を理解する。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を中心とした講義と例題等の解説を行う。「演習ノート」を用意して教科書の章末問題等の演習を行うなど,自主的に予習・復習して理解度を高めること。
注意点:
・2回の試験結果(中間試験,期末試験)の平均点を評価とする。
・説明,証明問題では,数式等を用いて論理的に記述できているかどうかも含めて評価する。
・この科目は指定科目です。この科目の単位修得が進級要件となりますので必ず修得して下さい。
・本科目の単位は,高等専門学校設置基準第17条第4項により認定される。
・定期試験毎に「演習ノート」の提出を求め自学自習を確認する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
正弦波交流と回路素子の性質
正弦波交流回路と回路素子(R,L,C)の特性と線形化について理解する。
2週 交流回路定常解解析と微分方程式
複素正弦波
インピーダンスとアドミタンス
交流回路の定常解解析が微分方程式を導出し,解くことで得られることを理解する。
交流回路解析を複素ベクトルを用いて瞬時値を算出できることを理解する。
3週 複素ベクトルと電圧・電流
交流電力と
交流回路解析を複素ベクトルを用いて瞬時値を算出できることを理解する。
複素ベクトルと交流電力の有効電力,無効電力の関係を理解できる。
4週 力率
RLC共振回路
複素ベクトルと交流電力の有効電力,無効電力の関係を理解して,力率等を用いて導出できる。
RLC共振回路における現象を理解して,回路解析を行うことができる。
5週 RLC共振回路
相互誘導回路
RLC共振回路や相互誘導回路における現象を理解して,回路解析を行うことができる。
6週 回路の双対性
ブリッジ回路,整合
枝電流,網目電流を用いた回路解析を状況により使いこなすことができる。回路の双対性を理解できる。
7週 重ねの理
テブナン・ノートンの定理
重ねの理,テブナン・ノートンの定理を用いて回路解析ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 相反の定理
補償の定理
相反の定理や補償の定理などを導出でき,回路解析に応用できる。
10週 2端子対回路とは
インピーダンス行列とアドミタンス行列
2端子対回路の特徴を理解し,インピーダンス行列,アドミタンス行列を導出できる。
11週 伝送行列
2端子対回路の接続
伝送行列を導出できる。
2端子対行列の接続方法を理解して各2端子対行列を導出できる。
12週 3相交流
対称3相交流電圧源
線電圧,相電圧と線電流,相電流
3相交流について説明できる。
対称三相交流電源のベクトルなどを用いて表すことができ,各電圧・電流を導出できる。
13週
3相負荷
3相交流回路の回路解析ができる。
14週 Δ-Y変換 3相負荷のΔ-Y変換ができ,3相交流回路の回路解析に応用できる。
15週 3相交流回路の電力 様々な3相結線における3相電力を求めることができる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3
電力量の測定原理を説明できる。3

評価割合

試験レポート演習合計
総合評価割合80812100
交流回路定常解解析204327
共振や交流電力の導出204327
2端子対回路200323
3相交流回路200323