回路設計(電子設計)

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 回路設計(電子設計)
科目番号 210212 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義,演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 設計のための基礎電子回路 森北出版 著者:辻正敏,プリント
担当教員 辻 正敏

到達目標

4年,5年前期までに修得した各専門科目や実験の知識をもとに,実際のアナログ電子機器を製作する。前期では赤外線センサ,後期ではアラーム回路の制作を行う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 製作能力独自で考えた回路を製作することができる。回路図より作品を完成し,正しく動作させることができる。回路図より作品を完成し,正しく動作させることができない。
評価項目2 表現力レポートや発表で,測定データを作品を分かりやすくまとめ,紹介できる。レポートや発表で,測定データをまとめ,作品を紹介できる。レポートや発表で,測定データをまとめ,作品を紹介できない。
評価項目3 設計能力製作で使われた技術や回路の動作を自分で設計できる。製作で使われた技術や回路の動作を理解できる。製作で使われた技術や回路の動作を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで座学で学んだ回路設計の理論を実際のものづくりに活用して,設計能力を養う。さらに,設計を通して社会における技術の必要性を理解し,技術者としての心構えを形成する。また,設計・製作する中で,意見交換,討議を重ねることによりコミュニケーション能力を高める。
授業の進め方・方法:
3~4人のグループに分かれて,各自で個々の試作品を完成させる。授業の始めに回路の復習を行い,その後はグループ活動とする。
注意点:
電子回路Ⅰ,電子回路Ⅱで学習した知識が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
電源回路の製作
電源回路の完成
2週 三端子レギュレタ解説
電源回路とアンプ部の組み立て
アンプ回路40%
3週 焦電素子と赤外線の解説  
アンプ部の組み立て        
アンプ回路80%
4週 単電源オペアンプの解説
アンプ部の組み立て
アンプ回路完成&動作確認
5週 トリガ回路の解説
ウインドコンパレータの製作
トリガ回路40%
6週 プローブの解説
タイマー回路の製作
トリガ回路80%
7週 駆動回路の解説
駆動回路製作
トリガ回路完成&動作確認
8週 オペアンプ周波数特性の解説
周波数特性のシミュレーション
シミュレーターで,周波数特性を出力する
2ndQ
9週 周波数特性の測定を解説
回路修正と周波数特性の測定
周波数特性を測定する
10週 外部機器の駆動について解説
警告灯の駆動
警告灯をリレーで駆動し,独自の駆動装置を考える。
11週 コンテストのルール,レポートについて説明
赤外線システムの製作
システムを完成させる
12週 システムの改良 独自のシステムを考案し,製作する
13週 システムの改良 独自のシステムを考案し,製作する
14週 システムの改良 独自のシステムを考案し,製作する
15週 コンテスト
16週 期末試験 
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス
1.4kHzのパルス発振回路の製作と測定
パルス発振回路を完成させる
2週 パルス発振回路回路のしくみを解説
3Hzパルス回路の設計、製作。
アラーム回路を完成させる
3週 アラーム回路のしくみを解説
各部の波形を測定
アラーム回路を測定する。
完成した班は,B級パワーアンプの資料をもらえる。
4週 B級パワーアンプの解説
パワーアンプのシミュレーション
設計したB級パワーアンプをシミュレータで確認する。
5週 圧電スピーカーとダイナミックスピーカの解説
パワーアンプの回路製作    
パワーアンプの回路50%完成
6週 トランジスタの検査方法の解説
入出力波形の測定
スイッチとボリューム回路製作
パワーアンプの回路50%完成回路を100%完成
7週 振幅変調回路の仕様書配布
発振回路の解説
発振回路の製作
発振回路を完成させる
8週 振幅変調回路の解説
振幅変調回路の製作
振幅変調回路を40%完成
4thQ
9週 共振回路のしくみとIFTの調整方法について解説
振幅変調回路の製作
振幅変調回路を80%完成
10週 改良について説明
振幅変調回路の製作
振幅変調回路を完成
11週 レポート&発表について説明
改良する
改良案を考える
12週 アンテナ,バイパスコンデンサの解説
改良する
改良を40%完了させる
13週 改良する
改良を80%完了させる
14週 改良する
発表準備
改良を完了させる
15週 作品発表
16週 期末試験 

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3
共振について、実験結果を考察できる。3
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3
ディジタルICの使用方法を習得する。3
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験発表相互評価作品レポート合計
総合評価割合205105510100
専門的能力2000401070
創造的能力051015030