電子回路

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子回路
科目番号 0322 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械電子工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 小澤孝夫著,電気回路を理解する[第2版],森北出版, ISBN 978-4-627-71212-6 ,山崎亨, 情報工学のための電子回路, 森北出版, ISBN 4-627-80200-5
担当教員 津守 伸宏

到達目標

1.LRC回路についてZ行列,Y行列,H行列,F行列の計算ができる。
2.CR回路及びLR回路の過渡応答について説明できる。
3.ダイオード及びトランジスタの特徴と等価回路について説明できる。
4.バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の基礎と等価回路について説明できる。
5.オペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路について説明できる。
6.論理回路の図記号,論理式,真理値表を書き,利用できる。
7.フリップフロップの動作を説明できる。
8.AD/DA変換器の原理を説明できる。
9.技術者倫理の必要性や重要性について考察し,自分の考えを記述することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.2端子対回路4つ以下の素子で構成されるLRC回路について,Z行列,Y行列,H行列,F行列の計算ができる。4つ以下の素子で構成されるLRC回路について,Z行列,Y行列,H行列,F行列の計算式が立てられる。4つ以下の素子で構成されるLRC回路について,Z行列,Y行列,H行列,F行列の計算が計算式が立てられない。
2.過渡応答CR回路及びLR回路の過渡応答について,グラフの概形を計算により求め,説明することができる。CR回路及びLR回路の過渡応答の概要をグラフを描いて説明できる。CR回路及びLR回路の過渡応答について概要を説明できない。
3.ダイオードとトランジスタダイオード及びトランジスタの特徴を説明することができ,等価回路を設計することができる。ダイオード及びトランジスタの特徴と等価回路について説明できる。ダイオード及びトランジスタの特徴と等価回路について説明できない。
4.増幅回路バイポーラトランジスタを用いた増幅回路について,等価回路を用いた解析と,簡単な設計をする事ができる。バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の基礎と等価回路について説明できる。バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の基礎と等価回路について説明できない。
5.オペアンプオペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路の入出力関係について説明し,簡単な設計をする事ができる。オペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路の入出力関係について説明することができる。オペアンプの特性とオペアンプを使った基本的な増幅回路・演算回路の入出力関係について説明できない。
6.論理回路4つ以上の論理ゲートで構成される複雑な論理回路の図記号,論理式,真理値表を書き,利用できる。3つ以下の論理ゲートで構成される簡単な論理回路の図記号,論理式,真理値表を書き,利用できる。簡単な論理回路の図記号,論理式,真理値表を書けない。
7.フリップフロップ各種フリップフロップの動作と原理について説明することができ,タイムチャートを描ける。各種フリップフロップの動作を説明できる。各種フリップフロップの動作を説明できない。
8.AD/DA変換器AD/DA変換器の原理を説明でき,簡単な設計をすることができる。AD/DA変換器の原理を説明できる。AD/DA変換器の原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・電子回路の基礎的な知識を幅広く学習する。
・前期中間試験までの学習内容は電気回路を含む。
授業の進め方・方法:
・教科書に沿って,板書を中心に講義を行う。
・必要に応じて参考資料を配布する。
・前期中間試験までは,小澤孝夫著「電気回路を理解する」,その後は 山崎亨著「情報工学のための電子回路」にそって講義を行う。
・試験期ごとに,レポート10%,試験90%として評価し,学習到達目標を達成できているかどうかを判断する。
・技術者倫理に関してはレポートのみで評価する。
・試験期ごとに2回程度,課題レポートを課す(成績に含める)。
注意点:
・評価割合の数字は目安とする(試験期ごとに,試験22.5%,課題2.5%となる)。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要・シラバス説明
2端子対回路の基本
Y行列の解説
2端子対回路の解析に必要な基礎計算ができる。
Y行列の計算方法を知っている。
2週 Z行列の解説
Z行列とY行列についての演習
Z行列の計算方法を知っている。
Y行列が計算できる。
3週 Z行列とY行列についての演習
H行列の解説
Z行列が計算できる。
H行列の計算方法を知っている。
4週 H行列の解説
F行列の解説
H行列とF行列についての演習
H行列が計算できる。
F行列が計算できる。
5週 過渡応答(CR回路)
CR回路の過渡応答の概要を説明できる。
6週 CR回路の過渡応答における時定数
過渡応答(LR回路)
CR回路の過渡応答における時定数を説明できる。
LR回路の過渡応答の概要を説明できる。
7週 LR回路過渡応答における時定数
過渡応答についての演習
LR回路の過渡応答における時定数を説明できる。
CR回路及びLR回路の過渡応答を計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却および解説
ダイオードの静特性
ダイオードの静特性についてグラフの読み取りができる。
10週 ダイオードの等価回路 ダイオードの等価回路を描ける
11週 トランジスタの種類
トランジスタの静特性
トランジスタの分類やバイポーラトランジスタの静特性について説明できる。
12週 トランジスタの等価回路 バイポーラトランジスタの等価回路について知っている。
13週 トランジスタ増幅回路の概要 バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の役割を知っている。
14週 トランジスタ増幅回路の解析 バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の解析方法を知っている。
15週 トランジスタ増幅回路の解析 バイポーラトランジスタを用いた増幅回路の解析を行うことができる。
16週 期末試験返却
後期
3rdQ
1週 技術者倫理 技術者倫理の必要性や重要性について考察し,自分の考えを記述することができる。
2週 OPアンプの基礎
反転増幅回路
OPアンプの特性とOPアンプを使った反転増幅回路を説明できる。
3週 非反転増幅回路 非反転増幅回路を説明できる。
4週 加算器と減算器 加算器と減算器を説明できる。
5週 積分器 積分器を説明できる。
6週 微分器 微分器を説明できる。
7週 積分器,微分器のフィルタ特性
その他の演算回路
演習
積分器,微分器のフィルタ特性を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却および解説
ブール代数
TTLゲート
ブール代数の計算ができる
代表的なTTLゲートについて説明できる。
10週 TTLゲート
論理式
真理値表
TTLゲートを複数用いた回路について論理式と真理値表を書ける。
11週 真理値表とカルノー図
ブール代数についての演習
カルノー図を扱うことができる。
12週 RSフリップフロップ
タイムチャート
フリップフロップの動作を説明できる。
13週 JKフリップフロップ
Dフリップフロップ
Tフリップフロップ
フリップフロップの動作を説明できる。
14週 フリップフロップについての演習
AD変換器の原理

AD変換器の原理を説明できる。
15週 DA変換器の原理
AD/DA変換器についての演習
DA変換器の原理を説明できる。
16週 試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合9010100
1.2端子対回路15116
2.過渡応答819
3.ダイオードとトランジスタ14115
4.増幅回路819
5.オペアンプ23225
6.論理回路819
7.フリップフロップ819
8.AD/DA変換器606
9.技術者倫理022