機械電子工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械電子工学実験Ⅰ
科目番号 200319 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実技・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 5
開設学科 機械電子工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 5
教科書/教材 教科書:米田,坪内,大隅「はじめてのロボット創造設計」講談社 ISBN 978-4-06-156523-4 木下是雄「理科系の作文技術」中公新書 ISBN 978-4-12-100624-0 塚本真也「知的な科学・技術文章の徹底演習」コロナ社 ISBN 978-4-339-07784-1 参考書:関連科目の教科書
担当教員 正箱 信一郎,十河 宏行,由良 諭

到達目標

1.チームの一員として あるいはリーダとして,集団の中で自分の役割を持ち行動する。
2.自ら設計した機械システムの加工・組立の一部を担当し,チーム作業としてのモノづくりを体験する。
3.チームの中で,これまでに学習した専門知識をモノづくりに役立て,学習した専門知識が役立つことを体験する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1設計した自律型ロボットの部品を加工するため,加工法案を立てることができる。(機械系)設計した自律型ロボットの部品を加工するための,加工法案について知っている。(機械系)設計した自律型ロボットの部品を加工するための,加工法案について知らない。(機械系)
評価項目2設計した自律型ロボットの電子回路を製作するためのデータシートを読み,設計に利用できる。 (電子系)設計した自律型ロボットの電子回路を製作するためのデータシートを読める。 (電子系)設計した自律型ロボットの電子回路を製作するためのデータシートを読めない。 (電子系)
評価項目3機械系・電子系の知識を用い自律型ロボットの基本設計についてのチームディスカッションに参加し発言できる。機械系・電子系の知識を用い自律型ロボットの基本設計についてのチームディスカッションに参加できる。機械系・電子系の知識を用い自律型ロボットの基本設計についてのチームディスカッションに参加できない。
評価項目4プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,教員とディスカッションし,まとめた内容を発表することができる。プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,教員とディスカッションし,内容をまとめることができる。プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,教員とディスカッションできない。
評価項目5期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加し,作業ができる。期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加できる。期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加できない。
評価項目6ロボットの部品を,カタログなどから必要な物品を選定することができる。ロボットに必要な部品のカタログなどか読める。ロボットに必要な部品のカタログなどが読めない。
評価項目7ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。ロボットの部品や回路を組上げることができる。ロボットの部品や回路を組上げることができない。
評価項目8基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探し,制御プログラムを組むことができる。基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探すことができる。基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探すことができない。
評価項目9競技会,性能試験にプロジェクトチームの一員として,参加し,作業することができる。競技会,性能試験にプロジェクトチームの一員として,参加することができる。競技会,性能試験に参加できない。
評価項目10設計書作成において,担当した作業を自ら行うことができる。設計書作成において,担当した作業を行うことができる。設計書作成において,担当した作業ができない。
評価項目11プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,発表し,質疑応答することができる。プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,発表することができる。プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,発表できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-(3) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 C-(1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 D-(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.チームの一員として あるいはリーダとして,集団の中で自分の役割を持ち行動する。
2.自ら設計した機械システムの加工・組立の一部を担当し,チーム作業としてのモノづくりを体験する。
3.チームの中で,これまでに学習した専門知識をモノづくりに役立て,学習した専門知識が役立つことを体験する。
授業の進め方・方法:
1.一つのテーマを達成するため5~6人で構成するプロジェクトチームに分かれ活動する。
2.担当分野別にスキル・アップを行い専門技術の習得を行う。
3.マイクロコントローラで制御する自律型ロボットの設計・製作・動作確認を行う。
4.自律型ロボットに関するプレゼンテーションを行い,設計書を作成する。
5.作業日ごとに設計日報を書く。
6.前期と後期の時間数を変更して実験を行う。(注意点を参照)
注意点:
・単位認定を受けるには,実験時間の80%以上の出席が必要です。
・実験系科目であるので,再試験の対象にはなりません。
・この科目は指定科目です。単位修得が進級要件となるので必ず修得してください。
・本授業は「メカトロニクスシステム設計」,「技術科学表現演習Ⅱ」と相互乗り入れして実施します。
  前期:(時間数9)をメカトロニクスシステム設計から振替える,(時間数4)を技術科学表現演習Ⅱへ振向ける。
  後期:(時間数9)をメカトロニクスシステム設計から,(時間数4)を技術科学表現演習Ⅱから振替える。
・授業期間中の実験実施回数が30回に満たない場合,補講期間に不足分の実験を行います。
評価方法
・スキルアップの作品およびレポートで到達目標に達しているかを判定する。
・企画書・基本計画書・設計書により,到達目標に達しているかを判定する。
・中間発表会と発表会より,到達目標に達しているかを判定する。
・プレ競技会・競技会・性能試験より,到達目標に達しているかを判定する。
・設計日報や設計書により,チームへの貢献度を評価する。
・評価の重を以下に示す。
  前期:企画書25%,中間発表25%,スキルアップ20%,日報10%,チーム点(企画書,中間発表,日報)20%
  後期:基本計画書25%,性能試験10%,発表20%,設計書25%,日報10%,チーム点(基本計画書,性能試験,発表,設計書,日報)10%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械系・電子系のスキル・アップ
 【機械系】
  ・手作業における加工
   (ケガキ,穴加工の位置決め,タップなどの作業)
  ・機械加工
   (ボール盤,旋盤,フライス盤,帯鋸盤,超音波溶接機を用いた加工)
 【電子系】
  ・仕様調査
   (アクチュエータ,電子部品,センサ)
  ・機能検討
   (アクチュエータ,電子部品,センサ)
  ・回路予備設計
・設計した自律型ロボットの部品を加工するため,加工法案を立てることができる。(機械系)
・設計した自律型ロボットの電子回路を製作するためのデータシートを読み,設計に利用できる。
(電子系)
2週 機械系・電子系のスキル・アップ
 【機械系】
  ・手作業における加工
   (ケガキ,穴加工の位置決め,タップなどの作業)
  ・機械加工
   (ボール盤,旋盤,フライス盤,帯鋸盤,超音波溶接機を用いた加工)
 【電子系】
  ・仕様調査
   (アクチュエータ,電子部品,センサ)
  ・機能検討
   (アクチュエータ,電子部品,センサ)
  ・回路予備設計
企画書の作成
  ・機能分析
  ・基本戦略
  ・基本設計,基本計画図
・設計した自律型ロボットの部品を加工するため,加工法案を立てることができる。(機械系)
・設計した自律型ロボットの電子回路を製作するためのデータシートを読み,設計に利用できる。
(電子系)
3週 企画書の作成
  ・機能分析
  ・基本戦略
  ・基本設計,基本計画図
・設計した自律型ロボットの部品を加工するため,加工法案を立てることができる。(機械系)
・設計した自律型ロボットの電子回路を製作するためのデータシートを読み,設計に利用できる。
(電子系)
4週 企画書の作成
  ・機能分析
  ・基本戦略
  ・基本設計,基本計画図
企画書に関するチームディスカッション
・設計した自律型ロボットの部品を加工するため,加工法案を立てることができる。(機械系)
・設計した自律型ロボットの電子回路を製作するためのデータシートを読み,設計に利用できる。
(電子系)
・機械系・電子系の知識を用い自律型ロボットの基本設計についてのチームディスカッションに参加できる。
5週 中間発表会 ・プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,教員とディスカッションし,まとめた内容を発表することができる。
6週 基本計画書の作成
  ・機能計算・強度計算書
  ・回路設計書
  ・部品図と回路図
・プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,教員とディスカッションし,まとめた内容を発表することができる。
7週 基本計画書の作成
  ・機能計算・強度計算書
  ・回路設計書
  ・部品図と回路図
・プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,教員とディスカッションし,まとめた内容を発表することができる。
8週 部品発注と加工
  ・機械部品の選定と発注
  ・機械部品の加工
  ・電子基板の加工,回路の製作
・期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加できる。
・ロボットの部品を,カタログなどから必要な物品を選定することができる。
2ndQ
9週 部品発注と加工
  ・機械部品の選定と発注
  ・機械部品の加工
  ・電子基板の加工,回路の製作
・期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加できる。
・ロボットの部品を,カタログなどから必要な物品を選定することができる。
10週 部品発注と加工
  ・機械部品の選定と発注
  ・機械部品の加工
  ・電子基板の加工,回路の製作
・期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加できる。
・ロボットの部品を,カタログなどから必要な物品を選定することができる。
11週 部品発注と加工
  ・機械部品の選定と発注
  ・機械部品の加工
  ・電子基板の加工,回路の製作
・期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加できる。
・ロボットの部品を,カタログなどから必要な物品を選定することができる。
12週 部品発注と加工
  ・機械部品の選定と発注
  ・機械部品の加工
  ・電子基板の加工,回路の製作
・期間を通して,ロボットの部品や回路の製作に参加できる。
・ロボットの部品を,カタログなどから必要な物品を選定することができる。
13週 自律型ロボット要素の動作確認
  ・機構部分の動作確認,性能確認
  ・電子回路の動作確認,性能確認
・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
14週 自律型ロボット要素の動作確認
  ・機構部分の動作確認,性能確認
  ・電子回路の動作確認,性能確認
・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
15週 自律型ロボットの組立・調整  ・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
16週 自律型ロボットの組立・調整  ・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
後期
3rdQ
1週 自律型ロボットの組立・調整  ・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
2週 制御用プログラムの設計と作成 ・基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探し,制御プログラムを組むことができる。
3週 制御用プログラムの設計と作成 ・基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探し,制御プログラムを組むことができる。
4週 プレ・ロボット競技会 ・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
・基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探し,制御プログラムを組むことができる。
5週 自律型ロボットの調整・改良 ・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
・基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探し,制御プログラムを組むことができる。
6週 自律型ロボットの調整・改良 ・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
・基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探し,制御プログラムを組むことができる。
7週 自律型ロボットの調整・改良 ・ロボットの部品や回路を組上げ,動作確認を行う作業に参加することができる。
・基本戦略を実行するための,アルゴリズムやロボット制御用プログラムの作成に必要な資料を探し,制御プログラムを組むことができる。
8週 ロボット競技会(学生祭)
ロボット性能試験
・競技会,性能試験にプロジェクトチームの一員として,参加することができる。
4thQ
9週 ロボット性能試験 ・競技会,性能試験にプロジェクトチームの一員として,参加することができる。
10週 設計書と図面の仕上げ2
  ・全体組立図,部分組立図,部品図
  ・完成図(テクニカル・イラストレーション)
  ・図面構成フローチャート図
  ・回路図,設計値と実測値の比較検討
  ・フローチャート,タイミングチャート
  ・システム構成図,真理値表
・設計書作成において,担当した作業を行うことができる。
11週 設計書と図面の仕上げ2
  ・全体組立図,部分組立図,部品図
  ・完成図(テクニカル・イラストレーション)
  ・図面構成フローチャート図
  ・回路図,設計値と実測値の比較検討
  ・フローチャート,タイミングチャート
  ・システム構成図,真理値表
・設計書作成において,担当した作業を行うことができる。
12週 設計書と図面の仕上げ2
  ・全体組立図,部分組立図,部品図
  ・完成図(テクニカル・イラストレーション)
  ・図面構成フローチャート図
  ・回路図,設計値と実測値の比較検討
  ・フローチャート,タイミングチャート
  ・システム構成図,真理値表
・設計書作成において,担当した作業を行うことができる。
13週 設計書と図面の仕上げ2
  ・全体組立図,部分組立図,部品図
  ・完成図(テクニカル・イラストレーション)
  ・図面構成フローチャート図
  ・回路図,設計値と実測値の比較検討
  ・フローチャート,タイミングチャート
  ・システム構成図,真理値表
・設計書作成において,担当した作業を行うことができる。
14週 発表会 ・プロジェクトチームで設計した自律型ロボットについて,発表し,質疑応答することができる。
15週 設計書の取りまとめ ・設計書作成において,担当した作業を行うことができる。
16週 解体・リサイクル

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4
複数の情報を整理・構造化できる。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
目標の実現に向けて計画ができる。4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。4

評価割合

レポート発表チーム点性能試験合計
総合評価割合0015520
基礎的能力00000
専門的能力0015520
分野横断的能力00000