半導体工学基礎

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 半導体工学基礎
科目番号 220307 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械電子工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 小林敏志 他,基礎半導体工学,コロナ社,ISBN-4-339-00662-9
担当教員 正箱 信一郎,須崎 嘉文

到達目標

(1)電子の基本性質(電荷量や質量)および原子の電子配置(パウリの排他律等)を説明できる.
(2)エレクトロンボルトの定義を説明し,単位換算等の計算ができる.
(3)エネルギーバンドの形成,フェルミ・ディラックの分布関数を理解し,エネルギーバンド図を説明できる.
(4)金属の電気的性質を説明し,移動度や導電率の計算ができる.
(5)真性半導体と不純物半導体を説明でき,半導体のエネルギーバンド図を説明できる,
(6)pn接合の構造を理解し,エネルギーバンド図を用いて接合の電流‐電圧特性を説明できる.
(7)半導体デバイスの構造と原理について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子の基本性質(電荷量や質量)および原子の電子配置(パウリの排他律等)を説明できる.電子の基本性質(電荷量や質量)および原子の電子配置(パウリの排他律等)を大体説明できる.電子の基本性質(電荷量や質量)および原子の電子配置(パウリの排他律等)を説明できない.
評価項目2エレクトロンボルトの定義を説明でき,単位換算等の計算ができる.エレクトロンボルトの定義を大体説明でき,単位換算等の計算がおおよそできる.エレクトロンボルトの定義を説明できない.単位換算等の計算ができない.
評価項目3エネルギーバンドの形成,フェルミ・ディラックの分布関数を理解し,エネルギーバンド図を説明できる.エネルギーバンドの形成,フェルミ・ディラックの分布関数を大体理解し,エネルギーバンド図をおおよそ説明できる.エネルギーバンドの形成,フェルミ・ディラックの分布関数を理解できない.エネルギーバンド図を説明できない.
評価項目4金属の電気的性質を説明し,移動度や導電率の計算ができる.金属の電気的性質をおおよそ説明し,移動度や導電率の計算が大体できる金属の電気的性質を説明できない.移動度や導電率の計算ができない.
評価項目5真性半導体と不純物半導体を説明でき,半導体のエネルギーバンド図を説明できる,真性半導体と不純物半導体を大体説明でき,半導体のエネルギーバンド図を大体説明できる,真性半導体と不純物半導体を説明できない.半導体のエネルギーバンド図を説明できない,
評価項目6pn接合の構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流‐電圧特性を説明できる.pn接合の構造を大体理解し,エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流‐電圧特性をおおよそ説明できる.pn接合の構造を理解しない.エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流‐電圧特性を説明できない.
評価項目7半導体デバイスの構造と原理について説明できる.半導体デバイスの構造と原理についておおよそ説明できる.半導体デバイスの構造と原理について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-(3) 説明 閉じる
学習教育目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在の電子工学の中心となる半導体の基礎について解説する.また,半導体の基礎を理解するために半導体デバイスの簡単な構造と原理について解説する.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義を行う。なかでも基本として重要な箇所の解説を入念に行う.また,半導体に関する基本的な物理量について計算できるように,基本的な式を確認させ演習を行う.また,家庭学習において復習させる.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気的性質の基本について説明する 抵抗率と導電率,抵抗などの関係を説明・計算できる.
2週 代表的な半導体の種類と基本的性質について解説する 原子の電子配置(パウリの排他律等)基本的性質について説明できる.
3週 電界中の電子の運動について解説する. 電界中の電子の運動について説明できる.電流などとの関係を説明できる.
4週 磁界中の電子の運動およびホール効果について解説する. 磁界中の電子の運動およびホール効果について説明できる.ホール係数について計算できる.
5週 シリコンの電子配置およびエネルギー準位について解説する. シリコンの電子配置およびエネルギー準位について説明できる.
6週 シリコン半導体のエネルギー帯図について解説する. 真性半導体シリコンのエネルギー帯図について理解でき,説明できる.
7週 不純物半導体のエネルギー帯図について解説する. 不純物半導体のエネルギー帯図について理解でき,説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 ドナー準位およびアクセプタ準位について解説する. ドナー準位およびアクセプタ準位について説明できる.
10週 真性半導体のキャリヤ濃度について解説する. 真性半導体のキャリヤ濃度について説明できる.
11週 不純物半導体のキャリヤ濃度について解説する. 不純物半導体のキャリヤ濃度について理解でき,説明できる.
12週 多数キャリヤと少数キャリヤについて解説する. 多数キャリヤと少数キャリヤについて理解でき,説明できる.
13週 導電率の温度依存性について解説する. 導電率の温度依存性について説明できる.
14週 非平衡状態のキャリヤについて解説する. 非平衡状態のキャリヤについて説明できる.
15週 キャリヤ電子とキャリヤ正孔の再結合について解説する. キャリヤ電子とキャリヤ正孔の再結合について説明できる.
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 pn接合の構造について解説する. pn接合の構造について説明できる.
2週 pn接合のエネルギー帯図について解説する. pn接合のエネルギー帯図について理解し,説明できる.
3週 拡散電位について解説する. 拡散電位について理解し,説明できる.
4週 pn接合の階段接合について解説する. 階段接合について理解し,説明できる.
5週 pn接合ダイオードについて解説する. pn接合ダイオードについて理解し,説明できる.
6週 pn接合ダイオードの電圧電流特性について解説する. pn接合ダイオードの電圧電流特性について理解し,説明できる.
7週 pn接合ダイオードの降伏現象について解説する. pn接合ダイオードの降伏現象について理解し,説明できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 金属-半導体の接触におけるエネルギー帯図ついて解説する.(整流性接触) 金属-半導体の接触におけるエネルギ帯図ついて理解し,説明できる.(整流性接触)
10週 金属-半導体の接触におけるエネルギー帯図ついて解説する.(オーミック接触) 金属-半導体の接触におけるエネルギ帯図ついて理解し,説明できる.(オーミック接触)
11週 金属-半導体の接触における電圧電流特性および電圧容量特性について解説する. 金属-半導体の接触における電圧電流特性および電圧容量特性について理解し,説明できる.
12週 バイポーラトランジスタの構造について解説する. バイポーラトランジスタの構造について説明できる.
13週 バイポーラトランジスタの動作原理について解説する. バイポーラトランジスタの動作原理について理解し,説明できる.
14週 電界効果トランジスタの構造について解説する. 電界効果トランジスタの構造について説明できる.
15週 電界効果トランジスタの動作原理について解説する. 電界効果トランジスタの動作原理について理解し,説明できる.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
知識の基礎的理解10000000100