ロボット工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ロボット工学
科目番号 220311 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械電子工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 鈴森 康一 「ロボット機構学」 コロナ社 ISBN 978-4-339-04571-0
担当教員 門脇 惇

到達目標

1.ロボットを構成する基本的な機構の運動解析を行うため,力学の基本法則を用いることができる
2.ロボット機構の順運動・逆運動解析を用い,任意の姿勢における関節変数を算出することができる
3.与えられたロボット機構について運動解析を行い,技術文章としてまとめることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ロボットの基本的な機構の運動解析に力学の基本法則を応用することができるロボットの基本的な機構の運動解析に力学の基本法則を適用することができるロボットの基本的な機構の運動解析に力学の基本法則を適用することができない
評価項目2特異姿勢を考慮した順運動・逆運動解析を用い,任意の姿勢における関節変数を算出することができる順運動・逆運動解析を用い,任意の姿勢における関節変数を算出することができる順運動・逆運動解析を用い,任意の姿勢における関節変数を算出することができない
評価項目3調査等を行い最終課題のレポートを作成することができる相談しながら最終課題のレポートを作成することができる最終課題のレポートを作成することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-(2) 説明 閉じる
学習教育目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半はロボットに関する機構学について,後半はロボット工学について講義を行う
ロボット機構の運動解析を行うため運動の基本法則や,ロボット機構の順運動・逆運動問題を解析的に解くため線形代数を用いて,ロボット工学の基本的事項について学習する
授業の進め方・方法:
ロボットの機構や運動学に関する講義を行い,演習問題やレポートにより理解を深める
順運動と逆運動を利用し,多自由度のハンドロボットのモデルを用い文字を書くプログラムを作成・シミュレーションすることで,ロボット工学の基本的事項の理解度を深める
注意点:
専門用語が適切に使用できるように復習が必要
関節記号を用いてロボットの機構図が作成きるように演習が必要
ロボット機構のリンクパラメータを導出できるように演習が必要
マトリックス表現を用いるので,随時線形代数の復習が必要

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ロボット工学の概要
関節記号
授業の進め方,学習の目的,評価方法等について理解する
ロボットシステム,関節記号に関する基本的事項について概説できる
2週 2次元の自由度
3次元の自由度
2D,3Dの自由度算出に関する基本的事項について概説できる
3週 3次元の自由度の演習
4節回転リンクの特徴
自由度の算出公式について概説できる
各種リンク機構の特性に関する基本的事項について説明ができる
4週 平面リンクの運動解析 運動解析と力解析の違いを概説できる
簡単な平面リンクの運動解析ができる
5週 準運動解析と逆運動解析
2回転リンクの逆運動解析の公式
順運動と逆運動に関する基本的事項について説明ができる
2回転リンクの逆運動解析の公式の概説ができる
6週 3瞬間中心の定理
瞬間中心の演習
3瞬間中心の概説ができる
簡単な機構の瞬間中心を求めることができる
7週 瞬間中心を用いた運動解析 瞬間中心を用いた速度解析に関して概説できる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却・解答解説
瞬間中心を用いた力解析
試験の誤答部の確認と知識の再認識に生かせる
瞬間中心を用いた力解析に関して概説ができる
10週 遊星歯車機構の概要
遊星歯車の減速比算出1
減速の定理,遊星歯車の概要に関する基本的事項について概説できる
11週 遊星歯車の減速比算出2
遊星歯車減速比の演習
遊星歯車の減速比算出方法を用い原則費を算出することができる
12週 回転座標変換
座標系の平行移動
2Dの座標変換(回転と平行移動)に関する基本的事項について概説できる
13週 同時変換マトリックス 座標変換と同次変換マトリックスの関係について概説できる
14週 リンクパラメータ
ロボットへの適用
リンクパラメータのに関する基本的事項について概説できる
15週 ロボットのリンクパラメータ決定方法と演習 簡単なロボットモデルに対するリンクパラメータを求めることができる
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 試験返却・解答解説
リンクパラメータの演習
試験の誤答部の確認と知識の再認識に生かせる
少し高度なロボットモデルに対するリンクパラメータを求めることができる
2週 リンクパラメータと同時変換マトリックス
リンクパラメータと同時変換マトリックスに関する演習
リンクパラメータと同次変換マトリックスの関連性について概説できる
3週 順運動問題の演習 ロボット座標系とリンクパラメータの関連性について概説できる
4週 1関節における同次変換マトリックスのプログラミング(回転関節のみ) MATLABを用い1関節の同次変換マトリックスプログラムを作成できる
5週 多関節における同時変換マトリックスのプログラミング(回転関節のみ)
多関節における順運動解析のプログラミング(回転関節のみ)
MATALB を用い多回転関節を有するロボットの準運動解析プログラムを作成できる
6週 多関節における順運動解析のプログラミング(回転関節,直動関節を含む) MATALB を用い回転・直動関節を有するロボットの準運動解析プログラムを作成できる
7週 逆運動解析の概要
逆運動問題の解き方
逆運動解析の必要性に関して概説できる
手先ベクトルを考慮することで,逆運動解析を簡単化できることを概説できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説
逆運動解析の演習
試験の誤答部の確認と知識の再認識に生かせる
簡単なロボットの逆運動解析に用いる式を導出できる
10週 1座標における逆運動解析のプログラミング MATLAB を用た逆運動解析プログラムの構造が理解できる
11週 多入力座標値を入力とした逆運動解析のプログラミング(座標データの読込) MATLABを用い多座標値を入力とした逆運動解析プログラムについて概説できる
12週 多入力関節角度値を入力とした順運動解析とグラフィックのプログラミング(座標データの読込) MATLABのグラフィック機能を用いた図形の作図法について理解できる
13週 ヤコビ行列と特異姿勢
最終レポートのロボットモデルの提示
リンクパラメータの導出
ヤコビ行列が特異姿勢を表現していることを概説できる
最終レポート用のロボットモデルのリンクパラメータを求めることができる
14週 最終レポート作成 最終課題についてレポートを作成することができる
15週 最終レポート作成・提出 最終課題についてレポートを作成し,レポート・準運動・逆運動のプログラムを提出することができる
16週 前期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前13,前14,前15,後1,後2,後3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8713100
評価項目1ー38713100