化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 _一般教育科(詫間) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 化学基礎  数研出版 (104 数研 化基/319)
担当教員 中村 篤博

到達目標

1. 物質の構成状態について理解している。また,簡単な分離法について説明できる。
2.原子の構造とイオンについて理解している。また,それぞれの化学結合について説明することができる。
3.元素の性質を周期表と周期律から考えることができる。
4. モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。また,簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。
5. 質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができる。
6. 酸と塩基の性質を説明できる。また,電離度,pHについて理解している。
7. 中和反応について説明できる。また,中和滴定の計算ができる。
8. 酸化還元の定義を説明できる。
9. 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明できる。 
10. イオン化傾向と金属の反応性について説明できる。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の構成状態について詳細に理解している。物質の構成状態について理解している。物質の構成状態について理解していない。
評価項目2原子の構造とイオンについて詳細に理解している。原子の構造とイオンについて理解している。原子の構造とイオンについて理解していない。
評価項目3周期表と周期律を詳細に理解している。周期表と周期律を理解している。周期表と周期律を詳細に理解していない。
評価項目4モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。また,簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。 モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。モルの概念を理解していない。
評価項目5質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができ、相互変換できる。質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができる。質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができない。
評価項目6酸と塩基の性質を詳細に説明できる。また,電離度,pHについてきちんと計算できる。酸と塩基の性質を説明できる。また,電離度,pHについて理解している。酸と塩基の性質を説明できない。また,電離度,pHについて理解していない。
評価項目7中和反応について詳細に説明できる。また,中和滴定の計算ができる。中和反応について説明できる。また,中和滴定の公式を知っている。中和反応について説明できない。また,中和滴定の計算ができない。
評価項目8酸化還元の定義を詳細に説明できる。酸化還元の定義を説明できる。酸化還元の定義を説明できない。
評価項目9酸化還元反応が電子の授受に関連していることを事例を踏まえ詳細に説明できる。 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明できる。 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明できない。
評価項目10イオン化傾向と金属の反応性について反応式とともに説明できる。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が詳細に説明できる。イオン化傾向と金属の反応性について説明できる。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できる。イオン化傾向と金属の反応性について説明できない。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
原子,分子の概念とそれから導かれる近代化学の基本的な考え方と自然観を理解する。また,授業を通して,自然に対する興味と探求の姿勢を育成する。
授業の進め方・方法:
教科書と板書を中心に基礎概念・理論を簡潔に解説する。その後,教科書の問題などを用いて,理解が深まるように進める。また,演習の時間を設け,基礎的な計算の確認や,高専で学習する化学の基礎となる物質の構成と化学結合,物質量と化学反応式を中心として内容が定着するようにする。
注意点:
前期は,定期試験を80%,提出物等(小テストを含む)20%で評価する。後期は,定期試験を80%,提出物等を10%,四国地区化学共通試験を10%で評価する。前期と後期の平均を学年総合とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学と人間生活のかかわり 化学と人間生活のかかわりについて説明できる。
2週 物質の成分 簡単な分離法について説明できる。
3週 原子の構造と電子配置 物質の構成や状態について理解している。
4週 イオン 原子の構造とイオンについて理解している。
5週 イオン・共有・金属結合 それぞれの化学結合について説明することができる。 
6週 元素の周期律 元素の性質を周期表と周期律から考えることができる。  
7週 演習1 (数値計算①) 化学に必要な計算ができる。
8週 演習 2 (物質の構成・粒子・化学結合) 原子の構造とイオンについて理解している。また,それぞれの化学結合について説明することができる。
2ndQ
9週 前期中間試験 物質の構造について様々な観点から問題を解くことができる。
10週 答案返却・解答 物質の構造について知識を定着している。
11週 原子量,分子量,式量と物質量 モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。
12週 化学反応式と物質量 簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。
13週 溶液の濃度 質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができる。
14週 演習3 (数値計算②) 基本的な数値計算ができ,モルの概念が定着できている。
15週 演習4 (物質量・化学反応式①) モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。また,簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。
16週 答案返却・解答 モルの概念を理解し、実際に計算することができる。
後期
3rdQ
1週 酸と塩基 酸と塩基の性質を説明できる。
2週 水の電離と水溶液のpH 電離度,pHについて理解している。
3週 中和反応と塩 中和反応について説明できる。また,中和滴定の計算ができる。        
4週 酸化と還元 酸化還元の定義を説明できる。
5週 酸化剤と還元剤の反応 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明できる。 
6週 演習5(物質の構成と化学結合・物質量①) 化学結合やモルの概念といった化学の基礎を総合的に理解している。
7週 後期中間試験 中和反応、酸化還元反応について理解している。
8週 答案返却・解答 中和反応、酸化還元反応について理解している。
4thQ
9週 金属のイオン化傾向 イオン化傾向と金属の反応性について説明できる。 
10週 電池 簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できる。
11週 電気分解 電気分解反応を説明でき,ファラデーの法則による計算ができる。
12週 演習6 (物質の構成と化学結合・物質量②) 高専化学で用いる基本的な現象の理解 や計算ができる。   
13週 四国地区化学共通試験 1年で学習した化学基礎の総合的な問題を解くことができる。
14週 演習7 (化学の基礎総合問題) 1年で学習した化学基礎の総合的な問題を解くことができる。
15週 答案返却・解答 1年で学習した化学基礎の総合的な問題を解くことができる。
16週 総括 1年で学習した化学基礎の総合的な問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。1前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。1前1
物質が原子からできていることを説明できる。1前2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。1前2
純物質と混合物の区別が説明できる。1前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。1前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。1前2
水の状態変化が説明できる。1前2
物質の三態とその状態変化を説明できる。1前2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。1前3
同位体について説明できる。1前3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。1前3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。1前3
価電子の働きについて説明できる。1前3
原子のイオン化について説明できる。1前4
代表的なイオンを化学式で表すことができる。1前4
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。1前5
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。1前6
イオン式とイオンの名称を説明できる。1前5
イオン結合について説明できる。1前5
イオン結合性物質の性質を説明できる。1前5
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。1前5
共有結合について説明できる。1前5
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。1前5
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。1前5
金属の性質を説明できる。1前5
原子の相対質量が説明できる。1前11,前14
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。1前11,前14
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。2前11,前14
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。1前11,前14
気体の体積と物質量の関係を説明できる。2前11,前14
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。2前12,前14,前15
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。2前12,前14,前15
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。1前13,前14,後2
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。2前13,前14
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。2前13,前14
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。1後1
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。1後1
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。1後2
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。2後2
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。2後3
酸化還元反応について説明できる。1後4,後5
イオン化傾向について説明できる。1後9
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。1後9
ダニエル電池についてその反応を説明できる。1後10
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。1後10
一次電池の種類を説明できる。1後10
二次電池の種類を説明できる。1後10
電気分解反応を説明できる。1後11
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。1後11
ファラデーの法則による計算ができる。2後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000