化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 1007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 通信ネットワーク工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 改訂版新編化学基礎  数研出版 (104 数研 化基/320) / 改訂版新編化学基礎準拠ノート まとめと問題 数研出版
担当教員 中村 篤博

到達目標

1. 物質の構成状態について理解している。また,簡単な分離法について説明できる。
2. 原子の構造とイオンについて理解している。また,それぞれの化学結合について説明することができる。
3. 元素の性質を周期表と周期律から考えることができる。
4. モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。また,簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。
5. 質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができる。
6. 酸と塩基の性質を説明できる。また,電離度,pHについて理解している。
7. 中和反応について説明できる。また,中和滴定の計算ができる。
8. 酸化還元の定義を説明できる。
9. 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明できる。 
10. イオン化傾向と金属の反応性について説明できる。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物質の構成状態について詳細に理解している。物質の構成状態について理解している。物質の構成状態について理解していない。
評価項目2原子の構造とイオンについて詳細に理解している。原子の構造とイオンについて理解している。原子の構造とイオンについて理解していない。
評価項目3周期表と周期律を詳細に理解している。周期表と周期律を理解している。周期表と周期律を詳細に理解していない。
評価項目4モルの概念を理解し、質量、物質量、分子量の相互変換が確実にできる。また、簡単な化学反応式を組み立てることができ、これを用いて化学量論的な計算が確実にできる。 モルの概念を理解し、質量、物質量、分子量の相互変換ができる。また、簡単な化学反応式を組み立てることができ、これを用いて化学量論的な計算ができる。モルの概念を理解していない。
評価項目5質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができ、相互変換できる。質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができる。質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができない。
評価項目6酸と塩基の性質を詳細に説明できる。また、電離度、pHについてきちんと計算できる。酸と塩基の性質を説明できる。また、電離度、pHについて理解している。酸と塩基の性質を説明できない。また、電離度、pHについて理解していない。
評価項目7中和反応について詳細に説明できる。また、中和滴定の計算ができる。中和反応について説明できる。また、中和滴定の公式を知っている。中和反応について説明できない。また、中和滴定の計算ができない。
評価項目8酸化還元の定義を詳細に説明できる。酸化還元の定義を説明できる。酸化還元の定義を説明できない。
評価項目9酸化還元反応が電子の授受に関連していることを事例を踏まえ詳細に説明できる。 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明できる。 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明できない。
評価項目10イオン化傾向と金属の反応性について反応式とともに説明できる。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が詳細に説明できる。イオン化傾向と金属の反応性について説明できる。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できる。イオン化傾向と金属の反応性について説明できない。また、簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
原子、分子の概念とそれから導かれる近代化学の基本的な考え方と自然観を理解する。また、授業を通して、自然に対する興味と探求の姿勢を育成する。
授業の進め方・方法:
教科書と板書を中心に基礎概念・理論を簡潔に解説する。その後、教科書の問題・問題集を用いて、理解が深まるように進める。また、演習の時間を設け、基礎的な計算の確認や、高専で学習する化学の基礎となる物質の構成と化学結合、物質量と化学反応式を中心として内容が定着するようにする。
注意点:
前期は、定期試験を80%、提出物・小テスト20%で評価する。後期は、定期試験を80%、提出物・小テストを10%、学習到達度を測る試験を10%で評価する。前期と後期の平均を学年総合とする。
試験にはマークシートを使用することがある。オフィスアワーは、原則として火曜の放課後とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学と人間生活 化学と人間生活のかかわりについて説明できる。 D1:1-3,D3:1
2週 物質の構成 純物質と混合物、簡単な分離法について説明できる。 D1:1-3,D3:1
3週 原子の構造と電子配置 物質の構成や状態について理解している。 D1:1-3,D3:1
4週 イオン 原子の構造とイオンについて理解している。 D1:1-3,D3:1
5週 イオン・共有・金属結合 (1) それぞれの化学結合について説明することができる。 D1:1-3,D3:1 
6週 イオン・共有・金属結合 (2) それぞれの化学結合について説明することができる。 D1:1-3,D3:1 
7週 元素の周期律 元素の性質を周期表と周期律から考えることができる。   D1:1-3,D3:1
8週 演習(数値計算) 高専化学に必要な計算ができる。 D1:1-3,D3:1
2ndQ
9週 前期中間試験 物質の構造について様々な観点から問題を解くことができる。 D1:1-3,D3:1
10週 答案返却・解答 物質の構造について知識を定着している。 D1:1-3,D3:1
11週 原子量,分子量,式量と物質量① モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。 D1:1-3,D3:1
12週 原子量,分子量,式量と物質量② モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。 D1:1-3,D3:1
13週 溶液の濃度 質量パーセント濃度やモル濃度の計算ができる。 D1:1-3,D3:1
14週 化学反応式と物質量① モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。また,簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。 D1:1-3,D3:1
15週 化学反応式と物質量② モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。また,簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。 D1:1-3,D3:1
16週 答案返却・解答・まとめ モルの概念を理解し、実際に計算することができる。 D1:1-3,D3:1
後期
3rdQ
1週 演習(化学反応式と物質量) モルの概念を理解し,質量,物質量,分子量の相互変換ができる。また,簡単な化学反応式を組み立てることができ,これを用いて化学量論的な計算ができる。 D1:1-3,D3:1
2週 酸・塩基 酸と塩基の性質を説明できる。 D1:1-3,D3:1
3週 水の電離と水溶液のpH① 電離度,pHについて理解している。 D1:1-3,D3:1      
4週 水の電離と水溶液のpH② 電離度,pHについて理解している。 D1:1-3,D3:1   
5週 中和反応と塩① 中和反応について説明できる。また,中和滴定の計算ができる。  D1:1-3,D3:1
6週 中和反応と塩② 中和反応について説明できる。また,中和滴定の計算ができる。  D1:1-3,D3:1
7週 後期中間試験 化学反応式と物質量、中和反応について理解している。 D1:1-3,D3:1
8週 答案返却・解答 化学反応式と物質量、中和反応について理解している。 D1:1-3,D3:1
4thQ
9週 酸化と還元 酸化還元の定義を説明できる。 D1:1-3,D3:1
10週 酸化剤と還元剤の反応 酸化還元反応が電子の授受に関連していることを説明でき、反応式を作ることができる。  D1:1-3,D3:1
11週 酸化・還元滴定 酸化・還元反応式をもとに量論計算ができる。   D1:1-3,D3:1
12週 酸化剤・還元剤の反応、滴定 酸化・還元反応式をつくり、量論計算ができる。 D1:1-3,D3:1
13週 金属のイオン化傾向 イオン化傾向と金属の反応性について説明できる。  D1:1-3,D3:1
14週 電池 簡単な化学電池についてそれらの原理が説明できる。 D1:1-3,D3:1
15週 演習 (化学基礎総合演習)・実力試験 1年で学習した化学基礎の総合的な問題を解くことができる。 D1:1-3,D3:1
16週 答案返却・解答・まとめ 1年で学習した化学基礎の総合的な問題を解くことができる。 D1:1-3,D3:1

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3
水の状態変化が説明できる。3前2
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前3
同位体について説明できる。3前3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前3
価電子の働きについて説明できる。3前3
原子のイオン化について説明できる。3前4
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前4
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前3,前7
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前7
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前4,前5
イオン結合について説明できる。3前5,前6
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前5,前6
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前5,前6
共有結合について説明できる。3前5,前6
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前5,前6
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前5,前6
金属の性質を説明できる。3前5,前6
原子の相対質量が説明できる。3前11
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前11
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前11,前12
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前11,前12
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前12
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前14,前15
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前14,前15
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前4,後3,後4
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前13,前14,前15
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前13,前14,前15
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後2
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後2,後3,後4
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後2,後3,後4
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後3,後4
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後5,後6
中和滴定の計算ができる。3後5,後6
酸化還元反応について説明できる。3後9,後10,後11,後12
イオン化傾向について説明できる。3後13
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後13
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後13,後14
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3前16
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3前16
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3前16
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3後16
マグマの生成と火山活動を説明できる。3後16
地震の発生と断層運動について説明できる。3後16
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3後16
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3後16
地球上の生物の多様性について説明できる。3前1
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3前1
生物に共通する性質について説明できる。3前1
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3後16
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3後16
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3後16
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3後16
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3前16
世界のバイオームとその分布について説明できる。3前16
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3前16
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3前16
生態ピラミッドについて説明できる。3前16
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3前16
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3前1
有害物質の生物濃縮について説明できる。3前1
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3前1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000