到達目標
交流回路の取り扱い方や電気回路の過渡現象の解析方法を習得し,電気・電子工学を履修するのに必要な基本的な能力を養うことを目標とする。
1. 瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解し,これらを正弦波交流回路の計算に用いることができる。
2. 共振回路や磁気結合回路等を計算できる。
3. 電気回路の過渡応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解し,これらを用いて種々の交流回路を計算できる。 | 瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解し,これらを用いて基礎的な交流回路を計算できる。 | 瞬時値,フェーザ,複素数表示を理解できず,基礎的な交流回路も計算できない。 |
評価項目2 | 共振回路や磁気結合回路等の説明と計算ができる。 | 共振回路や磁気結合回路等を計算できる。 | 共振回路や磁気結合回路等の計算ができない。 |
評価項目3 | 過渡応答の特徴を説明でき,微分方程式を立て過渡応答の計算ができる。 | 過渡応答の特徴を説明でき,微分方程式から過渡応答の計算ができる。 | 過渡応答の特徴を説明できず,微分方程式を立てることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
複素記号法(フェーザ法)を用いた回路解析の手法について理解を深め,正弦波交流回路の回路解析に関わる知識を習得する。また,直流回路の基本的過渡現象を理解する。
授業の進め方・方法:
シラバスに沿って教科書により授業を進める。授業の終わりの短い時間を使って演習を行うことがある。演習の答案は採点し,次回の授業時に返却・解答する。
注意点:
定期試験の平均点で成績評価する。ただし,定期試験が60点に満たない場合は再試験を実施して,再試験が60点以上の場合には当該定期試験を60点として評価する。
オフィスアワー:水曜日 放課後~17:00
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
フェーザ表示,複素インピーダンス |
複素数の計算ができ,瞬時値表現の正弦波交流をフェーザを用いて表眼できる。D2:2
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2週 |
複素インピーダンス,アドミッタンス |
R,L,C素子における電圧・電流の関係をフェーザを用いて表現できる。インピーダンスとアドミタンスを説明し,これらを計算できる。
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3週 |
フェーザによる回路解析 |
フェーザを用いて,交流回路の計算ができる。D2:2
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4週 |
閉路解析法,節点解析法 |
閉路解析法や節点解析法を用いて回路の計算ができる。D2:2
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5週 |
重ねの理 |
重ねの理を用いて回路の計算ができる。
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6週 |
テブナンの定理,ノートンの定理 |
テブナンの定理やノートンの定理を用いて回路の計算ができる。
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7週 |
双対性,ミルマンの定理 |
双対性について説明できる。ミルマンの定理を用いて回路の計算ができる。
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8週 |
前期中間試験 |
前期中間試験
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2ndQ |
9週 |
単一素子の周波数応答 |
R,L,C素子単体の周波数応答について説明できる。
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10週 |
交流電力の複素数表示 |
交流電力と力率を説明し,これらの計算ができる。D2:2
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11週 |
インピーダンス整合 |
インピーダンス整合を理解する。D2:1,2
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12週 |
デシベル |
デシベルの計算ができる。D2:2
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13週 |
ベクトル軌跡 |
種々の回路のベクトル軌跡を求めることができる。D2:2
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14週 |
直列共振回路 |
基本的な共振回路の性質を理解し,共振周波数を求めることができる。D2:2,3
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15週 |
前期期末試験 |
前期末試験
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16週 |
試験返却と解説 |
試験返却と解説
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後期 |
3rdQ |
1週 |
Q値,並列共振回路 |
Q値,帯域幅などを求めることができる。
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2週 |
並列共振回路,その他の共振回路 |
並列共振回路の計算ができる。
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3週 |
磁束と電磁誘導 |
磁束と電磁誘導現象について理解する。
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4週 |
相互誘導作用 |
自己誘導,相互誘導作用について説明することができる。
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5週 |
磁気結合回路と等価回路 |
磁気結合回路の等価回路を書くことができ,これを用いて基本的な回路を解くことができる。D2:2
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6週 |
理想変成器 |
理想変成器を説明することができる。理想変成器によるインピーダンス変換ができる。D2:1
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7週 |
理想変成器の演習,インピーダンスブリッジ |
理想変成器を用いた回路を計算できる。種々のインピーダンスブリッジ回路の計算ができる。D2:2
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8週 |
後期中間試験 |
後期中間試験
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4thQ |
9週 |
定常現象と過渡現象 |
定常現象と過渡現象について説明できる。D2:1
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10週 |
微分方程式,単一素子の過渡現象 |
単一素子の過渡現象の振る舞いを説明でき,微分方程式の解法を理解する。
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11週 |
RC直列回路の過渡現象 |
RC直列回路の過渡現象の計算ができる。D2:2
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12週 |
RL直列回路の過渡現象 |
RL直列回路の過渡現象の計算ができる。D2:2
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13週 |
時定数,演習問題 |
時定数について説明することができる。1階の微分方程式が解け,RC,RL回路の過渡現象が計算できる。D2:1
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14週 |
RLC直列回路の過渡現象 |
RLC直列回路の過渡現象,2階の微分方程式を用いた回路方程式について理解する。
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15週 |
後期末試験 |
後期末試験
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16週 |
試験返却と解説 |
試験返却と解説
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | 前1 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前1 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | 前9 |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3 |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前2 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | 前3 |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | 前5 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前4 |
節点電位法を用いて回路の計算ができる。 | 4 | 前4 |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | 前6 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 4 | 前14,後1,後2 |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 4 | 後4,後5 |
理想変成器を説明できる。 | 4 | 後6,後7 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | 前10 |
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 後11,後12,後13 |
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。 | 4 | 後14 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |