電子工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電子工学
科目番号 2015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 通信ネットワーク工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電子工学基礎(コロナ社)
担当教員 川久保 貴史

到達目標

1. 電子工学の歴史的背景を理解する.
2. 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる.
3. 電子の量子状態を理解する.
4. 電界および磁界中の電子の運動を解析できる.
5. 電子の波動性について理解する.
6. 導体・半導体・絶縁体のエネルギーバンド図が説明できる.
7. 真空管の構造,原理,特性が説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電子工学の歴史的背景を十分に理解し,説明できる.電子工学の歴史的背景を理解している.電子工学の歴史的背景を理解していない.
評価項目2電子の電荷量や質量などの基本性質を理解し,計算することができる.電子の電荷量や質量などの基本性質を理解している.電子の電荷量や質量などの基本性質を理解していない.
評価項目3電界および磁界中の電子の運動を十分に理解し,解析できる.電界および磁界中の電子の運動を解析できる.電界および磁界中の電子の運動を解析できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子の性質とその真空中,固体中での運動などの基本的な内容について学習する. また,電子の物理現象と実際のデバイスの動作の間の関連性,および,理論がどのように応用されているかいくつか例を挙げて説明する.
授業の進め方・方法:
テキストの内容に沿って講義を行う.各章の終わりには演習問題をレポートとして課し,演習の時間に学生に解答してもらう.授業ノートをきちんとまとめることが必要である.
注意点:
本科目は,4年の「半導体工学」へ連結する.
オフィスアワー:毎週月曜 放課後~17:00

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子工学の歴史 電子工学の歴史的背景を理解する.D4:1
2週 電子の性質 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる.D2:1-3
3週 原子の構造 原子の構造を説明できる.パウリの排他律を理解し、原子内での電子の配列について理解する.D2:1-3
4週 ボーアの理論 ボーアの理論について理解する.D2:1-3
5週 エネルギー準位とスペクトル系列 電子のエネルギー準位を理解する.エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる.D2:1,2
6週 電子の量子状態 電子の量子状態を理解する.D2:1-3
7週 演習 1 6週目までの範囲について演習問題を行い,各項目について理解を深める.D2:1-3
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却と解説
10週 電界内・磁界内での運動 電界および磁界中の電子の運動を解析できる.D2:1-3
11週 物質内からの電子の放出 電子放出について理解する.D2:1,2
12週 電界による電子の加速 電界および磁界中の電子の運動を解析できる.D2:1-3
13週 電子の波動性 電子の波動性について理解する.D2:1
14週 演習2 前期中間試験以降13週目までの範囲について演習問題を行い,各項目について理解を深める.
15週 前期期末試験
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 シュレディンガー方程式 簡単なシュレディンガー方程式を理解する.D2:1,2
2週 シュレディンガー方程式 簡単なシュレディンガー方程式を理解する.D2:1,2
3週 フェルミ分布則 フェルミ分布を理解する.D2:1
4週 自由電子モデル 自由電子モデルを理解する.D2:1-3
5週 金属 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる.D2:1-3
6週 半導体 導体・半導体・絶縁体のエネルギーバンド図が説明できる. D2:1-3
7週 演習3 6週目までの範囲について演習問題を行い,各項目について理解を深める.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却と解説
10週 電子管 真空管の構造,原理,特性が説明できる.D2:1-3
11週 電子幾何光学 電子の偏向とその応用を説明できる.D2:1,2
12週 光電管・光電子増倍管 光電子を理解し,光電子増倍管の原理を説明できる.D2:1
13週 半導体デバイス pn接合を理解し,整流作用を説明できる.D2:1,2
14週 演習4 後期中間試験以降13週目までの範囲について演習問題を行い,各項目について理解を深める.
15週 後期期末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4

評価割合

試験レポート授業ノート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合85105000100
基礎的能力405500050
専門的能力455000050
分野横断的能力0000000