到達目標
3 学年の電気磁気学Ⅰ(静電気)に続くもので,その後半部を行う。静磁気,電磁誘導を学び,電磁現象が最終的にマクスウェルの方程式にまとめられることを学ぶ。本授業では,電気・電子,通信工学の基礎となる電磁現象について基本理論を修得する。また,演習を通して電磁界の基本計算ができるようになることを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分を適用できる。 | ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分を規範問題に適用できる。 | ビオ・サバールの法則,アンペアの周回積分を適用できない。 |
評価項目2 | 磁性体の性質を説明できる。 | 磁性体の基本的な性質を説明できる。 | 磁性体の性質を説明できない。 |
評価項目3 | ファラデーの法則を適用できる。 | ファラデーの法則を規範問題に適用できる。 | ファラデーの法則を適用できない。 |
評価項目4 | マクスウェルの方程式を説明できる。 | マクスウェルの方程式の基礎を説明できる。 | マクスウェルの方程式を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本科目は3 学年の電気磁気学Ⅰで学習した静電気に続くものであり,その後半部に該当する静磁気を学習する。この科⽬は企業で電磁波計測を担当していた教員が、その経験を活かし、電磁界に関する法則、性質、実用解析法について講義形式で授業を⾏うものである。
授業の進め方・方法:
シラバスに沿って教科書ベースの講義を進める。重要な基本理論と例題や演習問題の一部は講義で説明を行うが,各自理解を深めるために教科書章末の演習問題を自宅学習課題として課す。これら演習問題の詳解は教材2の演習書にあるので,レポートに自己添削したものを演習記録として提出する。専攻科や大学編入を目指す学生は,演習問題の数と解説が豊富な教材3および教材4に記載されている参考書と合わせて勉強することが望ましい。
注意点:
演習報告書は自己添削した上で演習時間当日中に提出すること。オフィスアワー:月曜日放課後-17:00
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電流,オームの法則と抵抗 |
電気回路の基礎を電気磁気的に理解する。D1:1, D2:2
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2週 |
ジュールの法則,電源と起電力 |
電力と電力量の計算ができる。導電率と抵抗率の性質を理解する。D1:2
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3週 |
定常電流界 |
直線電流が作る磁場の様子を学び,右ねじの法則を理解する。D1:1
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4週 |
電流による磁界と磁束 |
ローレンツ力を理解する。 磁束の性質を理解する。D1:2
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5週 |
ビオ・サバールの法則,ループ電流の中心磁場 |
ビオ・サバールの法則,アンペアの法則を理解し,その適用ができる。 D1:2
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6週 |
無限長直線電流の磁場,アンペアの法則 |
アンペアの法則の導出背景を理解する。D1:2
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7週 |
演習問題 |
ローレンツ力,ビオ・サバールの法則,アンペアの法則を使った計算ができる。D2:2
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8週 |
前期中間試験 |
学習した内容を確認する。D1:3
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2ndQ |
9週 |
フレミング左手則,磁気ダイポールモーメント |
フレミングの左手則を説明できる。 D1:3
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10週 |
物質の磁気的性質と磁性体 |
磁気誘導現象を学び,物質の磁化を理解する。D2:1
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11週 |
磁化電流,磁性体を含むアンペアの法則 |
磁性体の磁化率および透磁率の問題が解ける。 D2:2
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12週 |
磁気回路 |
磁気回路を学び,磁気回路の計算問題が解ける。D2:2
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13週 |
強磁性体の磁化,磁極 |
磁力線,磁束の屈折が説明できる。 D2:3
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14週 |
演習問題 |
フレミング左手の法則,磁化,磁気回路の計算ができる。D2:2
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15週 |
まとめ |
学習した内容を確認する。D2:2
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16週 |
まとめ |
学習した内容を確認する。D2:2
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ファラデーの法則 |
ファラデーの電磁誘導の法則を理解する。 D1:1
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2週 |
フレミングの右手則 |
フレミング右手則を使った計算ができる。D2:2
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3週 |
渦電流,表皮効果 |
渦電流,表皮効果の説明ができる。D1:1
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4週 |
自己および相互インダクタンス |
自己,相互インダクタンスの定義を説明できる。 D1:3, D1:3
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5週 |
インダクタンスの接続 |
自己,相互インダクタンスの導出方法を習得する。D2:2
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6週 |
磁界のエネルギー |
磁気エネルギーの性質と力についての計算ができる。D2:2
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7週 |
インダクタンスの計算 |
伝送線路のインダクタンスを計算で求める。D2:2
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8週 |
演習問題 |
ファラデーの法則を使った計算,インダクタンスの導出ができる。D2:2
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4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
学習した内容を確認する。D2:2
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10週 |
変位電流,アンペア-マクスウェルの法則 |
変位電流を学び,アンペアの法則との違いを説明できる。D1:3
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11週 |
マクスウェルの方程式 |
微分形と積分形のマクスウェルの方程式の意味を説明できる。 D1:3
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12週 |
電磁波 |
電磁波の性質を知る。D1:1
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13週 |
平面電磁波 |
平面波の性質を知る。D1:1
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14週 |
ポインティングベクトル |
ポインティング電力を使った計算ができる。D2:2
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15週 |
まとめ |
学習した内容を確認する。D2:2
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 1元連立1次不等式を解くことができる。 | 3 | |
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 3 | |
導関数の定義を理解している。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 4 | |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 4 | |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 4 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 4 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 4 | |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 4 | |
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。 | 4 | |
静電エネルギーを説明できる。 | 4 | |
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。 | 4 | |
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。 | 4 | |
磁界中の電流に作用する力を説明できる。 | 4 | |
ローレンツ力を説明できる。 | 4 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 4 | |
磁気エネルギーを説明できる。 | 4 | |
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。 | 4 | |
自己誘導と相互誘導を説明できる。 | 4 | |
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 報告書 | 発表 | 態度 | ポートフォリオ | 相互評価 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |