特別講義Ⅱ(知的財産の基礎及び国家試験対策)

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 特別講義Ⅱ(知的財産の基礎及び国家試験対策)
科目番号 2053 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 通信ネットワーク工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 集中 週時間数
教科書/教材 テキスト及びプリント資料(パワーポイント)等
担当教員 中井 博,佐田 洋一郎

到達目標

1.知的財産の社会的意義や重要性の観点から,知的財産に関する基本的な事項を説明できる。
2.知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1知的財産の社会的意義や重要性の観点から,知的財産に関する基本的な事項を説明できる。知的財産に関する基本的な事項をある程度説明できる。知的財産に関する基本的な事項の説明ができない。
評価項目2知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法についてある程度説明できる。知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
知的財産権制度が何のために創設され,それが社会でどんな昨日や役割を果たしているかを学習することにより,企業や技術者を守る法律であることを体感させる。更に知的財産活動の基盤であり,製品開発を進める上で「宝の山」である特許情報の重要性や役割を理解するとともに,特許情報の検索方法・活用方法を習得して,創造性の育成や将来モノ作りや製品開発等に特許情報を有効に活用できるスキルの取得を目指す。
この科目は,実務経験(特許庁審査官・知的財産アドバイザー)を有している,外部招聘した専門家講師が,4・5年生を対象に,夏季休業中,特定期間に集中して,講義・実習形式で授業を行う科目である。
授業の進め方・方法:
(前半:中井 博)知的財産権の概略を把握するとともに、企業の活動にどのように知的財産権が活かされているかを体感させ、知的財産権の重要性を認識させ、知的財産に対する意識を向上させる。

(後半:佐田洋一郎)発明品や商品等の実物で,特許,実用新案,意匠,商標,不正競争防止法等がどのように保護するのか,また保護された場合と保護されなかった場合,市場ではどのようなことが生じるのかを体感させ,もの作りや商品開発において知的財産に対して如何に意識を持つことが大切かを体感させる。 
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 知的財産権制度の体系 知的財産権の体系を理解する。
2週 特許、実用新案、意匠、商標の各制度の目的と制度の比較 特許、実用新案、意匠、商標の各制度の相違を把握する。
3週 企業活動における知財 企業における知財の重要性を把握する。
4週
5週
6週 特許法、実用新案法 特許権制度・実用新案権制度の概要と活用法を理解する。
7週
8週 意匠法 意匠権制度の概要と活用法を理解する。
2ndQ
9週 商標権、不正競争防止法 商標権制度、不正競争防止法の概要と活用法を理解する。
10週 その他の法律 著作権法、種苗法等の概略を理解する。
11週 外国出願制度 外国出願制度の概要と活用法を理解する。
12週
13週 知的財産の活用演習 事例に基づいて知財の活用を理解する。
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 知的財産制度が設けられた背景とその仕組み 知的財産制度の歴史や背景,役割,機能,モノマネを放置することの問題点を理解させる。
2週
3週 特許法の基礎知識 技術者として知っておくべき特許知識の基礎から応用まで身近な題材を使って理解を深める。
4週
5週
6週 外国での権利取得の仕方 ビジネスのグローバル化に伴い,知財のグローバル化戦略も不可欠である。
7週 実用新案法の基礎知識 モノ造りや,税関での模倣品の水際阻止に有効な実用新案制度を学ぶ。
8週 意匠法の基礎知識 モノ造りの付加価値を高める意匠制度を学ぶ。
4thQ
9週 商標法の基礎知識 商品の最後の決めてはブランディング,ビジネス戦略には欠かせないことを理解させる。
10週
11週 キャラクターの権利について 商品や組織のイメージアップに活用されていながら,わかりにくいゆるキャラに関する権利関係を整理し理解させる。
12週 著作権法の基礎知識 IT化の進展は,意図しない著作権侵害の被害者,加害者になりやすいので,注意すべき点を学ぶ。
13週 不正競争防止法の基礎知識 モノ造りを守る法律が産業財産権以外にもあることを,認識させる。
14週 研究ノートの正しい活用法 研究や開発の過程で発明が生まれ,どんな発明がいつ生まれたかの証明が必要になることがある。そのために。研究ノートが使われてきたが,証拠力を上げるためのルールがあることを,認識させる。
15週 知的財産制度の基本理念 知的財産制度は交通信号と同様に事故に巻き込まれないようにするためのルールであり,技術者をまもる制度であることを学生のうちから認識させる。
モノ造りの最後はいかにユーザーにアピールして受け入れてもらえるかが勝負になり,企業活動では不可欠。技術に勝ってビジネスにも負けないという課題の克服は今や技術者にもそのセンスが問われている。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600020200100
前半:中井先生4000100050
後半:佐田先生20001020050