制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 3043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子システム工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 豊橋技術科学大学・高等専門学校 制御工学教育連携プロジェクト 編著「専門基礎ライブラリー 制御工学 ―技術者のための、理論・設計から実装まで―」実教出版 ISBN 978-4-407-32575-1,参考図書:岡田昌史 著「システム制御の基礎と応用」数理工学社 ISBN 978-4-901683-52-4,川谷亮治 著 「フリーソフトで学ぶ線形制御-Maxima/Scilab 活用法」森北出版 ISBN 978-4-627-91941-9,橋本洋志ほか著「Scilab で学ぶシステム制御の基礎」オーム社 ISBN 978-4-274-20388-6,熊谷英樹 著「絵とき PLC制御 基礎のきそ」日刊工業新聞社 ISBN 978-4-526-05889-9
担当教員 滝 康嘉

到達目標

1. システムの状態空間表現を求めることができる。
2. 行列の基本演算ができ,システムの特性を把握できる。
3. 状態フィードバックや内部モデル原理を理解し,適用できる。
4. システムの状態量を観測するオブザーバを理解し,適用できる。
5. シーケンス制御や自己保持回路・インタロックといった基本回路を説明できる。
6. シーケンス制御の基本回路について,条件の明確化やシーケンス図表現ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1システムのモデルから微分方程式を導出し,状態空間表現を求めることができる。与えられたシステムの微分方程式から,状態空間表現を求めることができる。与えられたシステムの微分方程式から,状態空間表現を求められない。
評価項目2行列の基本演算ができ,システムの特性を把握した上で吟味できる。行列の基本的な演算ができ,システムの特性を把握できる。行列の演算をすることができず,システムの特性を把握できない。
評価項目3状態フィードバックを理解し,最適レギュレータやPID制御として適用できる。状態フィードバックを理解し,簡単な問題に適用できる。状態フィードバックを理解できない。
評価項目4オブザーバを理解し,カルマンフィルタ等の実用技術として適用できる。システムの状態量を観測するオブザーバを理解し,簡単な問題に適用できる。システムの状態量を観測するオブザーバを理解することができない。
評価項目5シーケンス制御,および自己保持回路やインタロックなどの応用回路を求め,説明できる。シーケンス制御を理解し,自己保持回路やインタロック等の基本回路を説明できる。シーケンス制御,および自己保持回路やインタロックなどの基本回路を理解できない。
評価項目6自己保持回路の応用回路でセット・リセット条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。簡単な自己保持回路のセット・リセット条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。自己保持回路のセット・リセット条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
圧力と温度を同時に制御するプラント,振れを止めながら位置決めをするクレーン等,多変数の制御を必要とするシステムは多い。また,工場では手順に沿って,かつセンサの反応条件に応じて制御するシーケンス制御が広く用いられている。本講義では一般に現代制御と呼ばれる状態方程式に基づくシステムの計測制御手法,シーケンス制御について実践的に基本を学んでもらう。
授業の進め方・方法:
前期はシステム制御。シーケンス制御についても取り扱う。理論の細かなところは深入りを避け,演習を多く取り入れて理解を深めてもらう。適宜Scilab/Xcosによるシミュレーションや,Arduinoやシーケンサによる実機演習を取り入れ,制御を実際を体験してもらう。実機教材は数が限られるため,グループワークも取り入れる。
注意点:
5年生は就活や受験,卒業研究で忙しいため授業時間外の負担が少ないように配慮しますが,その分授業中に集中して取り組んで欲しいと思います。オフィスアワーや試験前の講座は別途指示しますが,メールでも質問を受け付けます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・関連する数学の復習 行列の基本演算ができる。D1:1-3
2週 線形システムの表現,状態方程式 行列の基本演算ができる。D1:1-3 システムの状態空間表現を導出できる。D2:1-3
3週 運動方程式・状態方程式の導出 システムの状態空間表現を導出できる。D2:1-3
4週 運動方程式・状態方程式の導出 システムの状態空間表現を導出できる。D2:1-3
5週 状態方程式によるシミュレーション 行列の基本演算や,システムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
6週 システムの安定性,固有値 状態フィードバックを理解し,適用できる。D2:1-2 行列演算やシステムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
7週 状態フィードバック 状態フィードバックを理解し,適用できる。D2:1-2
8週 状態観測器(オブザーバ),可制御性,可観測性 オブザーバを理解し,適用できる。D2:1-2 行列演算やシステムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
2ndQ
9週 演習(状態フィードバック) 状態フィードバックを理解し,適用できる。D2:1-2 行列演算やシステムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
10週 演習(安定性,可制御性,可観測性) 行列の基本演算や,システムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
11週 演習(オブザーバ) システムの状態量を観測するオブザーバを理解し,適用できる。D2:1-2
12週 演習(状態フィードバック・オブザーバ) 状態フィードバックを理解し,適用できる。D2:1-2 オブザーバを理解し,適用できる。D2:1-2
13週 まとめと復習 システムの状態量を観測するオブザーバを理解し,適用できる。D2:1-2
14週 シミュレーション演習 状態空間表現を導出できる。d2:1-3 行列の基本演算やシステム特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
15週 シミュレーション演習 状態空間表現を導出できる。d2:1-3 行列の基本演算やシステム特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 前期の復習(現代制御論) 状態空間表現を導出できる。D2:1-3 行列の基本演算やシステムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
2週 最適レギュレータ 状態フィードバックを理解し,適用できる。D2:1-2 行列の基本演算やシステムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
3週 演習(最適レギュレータ) 状態フィードバックや内部モデル原理を理解し,適用できる。D2:1-2
4週 カルマンフィルタ オブザーバを理解し,適用できる。D2:1-2 行列演算やシステムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
5週 演習(カルマンフィルタ) オブザーバを理解し,適用できる。D2:1-2
6週 総合演習 状態空間表現を導出できる。D2:1-3 行列の基本演算やシステムの特性把握ができる。D1:1-3, D2:1-3
7週 総合演習 オブザーバを理解し,適用できる。D2:1-2 状態フィードバックと内部モデル原理を理解し,適用できる。D2:1-2 
8週 シーケンス制御の基礎と概要 シーケンス制御やその基本回路を説明できる。D2:1-3
4thQ
9週 シーケンス制御の基本回路 シーケンス制御やその基本回路を説明できる。D2:1-3
10週 演習(リレーシーケンスの基礎回路) 基本回路の条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。D2:1-2, E2:1-2
11週 演習(リレーシーケンスの基礎回路) 基本回路の条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。D2:1-2, E2:1-2
12週 演習(リレーシーケンスの応用回路) 基本回路の条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。D2:1-2, E2:1-2
13週 演習(リレーシーケンスの応用回路) 基本回路の条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。D2:1-2, E2:1-2
14週 演習(リレーシーケンスの応用回路) 基本回路の条件を明確にでき,シーケンス図として表現できる。D2:1-2, E2:1-2
15週 後期末試験
16週 まとめと復習,試験返却と確認 シーケンス制御やその基本回路を説明できる。D2:1-3 条件の明確化やシーケンス図表現ができる。D2:1-2

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

試験提出課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力101020
専門的能力503080
分野横断的能力000