電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0076 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子システム工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高田進 他著 「電気回路」実教出版
担当教員 岩本 直也

到達目標

交流回路の取り扱い方や電気回路の過渡現象の解析方法を習得し、電気・電子工学を履修するのに必要な基本的な能力を養うことを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
RLC共振回路の回路解析ができるRLC共振回路に対し、各素子にかかる電圧や共振時の電流を計算できるようになるRLC共振回路に対し、共振現象の特性を説明できるようになる共振現象を説明できない
簡単な相互誘導結合回路の回路解析ができる相互誘導結合回路に対し、回路解析が行えるようになる相互誘導結合回路を等価な電気結合回路に置き換えることができる相互誘導結合回路の特徴を説明できない
簡単な対称三相回路の回路解析ができる簡単な対称三相回路の交流電力を計算できるようになるΔ、Y結線の対称三相交流回路の特徴を数式を用いて説明できるようになるΔ、Y結線の対称三相交流回路の特徴を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路は,あらゆる電気・電子工学の基礎であり,本学科の学生にとって最も重要な科目のひとつである。次の項目について、手計算で解析でき、特徴を説明できるようになることを目標とする:簡単な共振回路・相互誘導回路・ひずみ波・過渡現象・三相交流回路。
授業の進め方・方法:
教科書の内容をベースに板書しながら授業を進める。また,理解を深めるため適宜演習問題を行う。カリキュラムの関係上まだ学んでいない数学などは,その都度解説する。
注意点:
第二級陸上無線技術士国家試験「無線工学の基礎」の科目免除には、本科目の単位取得が必要。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,交流回路の基礎の復習 前年度に学習した内容を復習する
2週 RLC回路 フェーザ表示を用いてRL・RC直列回路の解析ができる
3週 RLC回路 フェーザ表示を用いてRL・RC並列回路の解析ができる
4週 RLC回路 フェーザ表示を用いてRLC直並列回路の解析ができる
5週 インピーダンス整合 交流回路におけるインピーダンス整合条件を説明できる。
6週 インピーダンスの軌跡 インピーダンスの周波数依存性を説明できる。
7週 直列共振回路 直列共振回路の共振条件を説明し共振周波数を求めることができる。
8週 並列共振回路 並列共振回路の共振条件を説明し共振周波数を求めることができる。
2ndQ
9週 相互誘導回路 相互誘導回路の実用例とその必要性を説明できる。
10週 相互インダクタンス 相互インダクタンスを計算できる。
11週 等価回路 磁気結合回路を含む回路について等価回路を用いて解析できる。
12週 ひずみ波(矩形波,三角波,のこぎり波) ひずみ波の特徴を説明できる。
13週 平均値,実効値 ひずみ波の平均値,実効値を計算できる。
14週 フーリエ級数 フーリエ級数によりひずみ波を再現できることを説明できる。
15週 フーリエ級数 矩形波のフーリエ級数を計算により導出できる。
16週
後期
3rdQ
1週 過渡現象 過渡現象の特徴を理解する。
2週 RL直列回路・RC直列回路 RL直列回路,RC直列回路の微分方程式を導出できる。
3週 RL直列回路・RC直列回路 RL直列回路,RC直列回路の微分方程式を導出できる。
4週 ステップ応答・パルス応答 ステップ電圧およびパルス電圧入力に対するRL直列回路,RC直列回路の出力波形を計算できる。
5週 ステップ応答・パルス応答 ステップ電圧およびパルス電圧入力に対するRL直列回路,RC直列回路の出力波形を計算できる。
6週 時定数 RL直列回路,RC直列回路の時定数を説明し計算できる。
7週 微分回路 微分回路の出力波形を計算できる。
8週 積分回路 積分回路の出力波形を計算できる。
4thQ
9週 三相交流回路 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。
10週 Y結線・Δ結線 電源および負荷におけるY結線,Δ結線の変換ができる。
11週 Y結線・Δ結線 電源および負荷におけるY結線,Δ結線の変換ができる。
12週 対称三相回路の電力 簡単な対称三相交流回路について解析できる。
13週 対称三相回路の電力 簡単な対称三相交流回路について解析できる。
14週 電力送電 電力送電において三相交流が使用される理由を説明できる。
15週 電力送電 電力送電において三相交流が使用される理由を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前1
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前1
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前1,前2,前3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3前1,前2,前3,前4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3前2,前3,前6
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3前2,前3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前5,前6
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前5
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3前2,前7,前8
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3前9,前10,前11
理想変成器を説明できる。3前11
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3前1
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後8
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。2後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度演習問題その他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000