基礎工学実験

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 基礎工学実験
科目番号 4015 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 情報工学科3年工学実験テキスト
担当教員 宮武 明義,河田 純,近藤 祐史,金澤 啓三

到達目標

1.実験装置・器具・情報機器等を利用して測定し,結果の処理方法について理解し,実験報告書としてまとめることができる。
2.計算機内部の仕組みを理解し,機械語とアセンブリ言語によるプログラミングとその動作確認ができる。
3.与えられた仕様に合致した論理回路の製作ができる。
4.情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。
5.オシロスコープを用いた波形観測と電圧・電流・抵抗の測定ができ,電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を修得できる。
6.パソコンを構成する部品の動作・役割を理解し,パソコンの分解・組み立て,OSインストール・初期設定・動作確認,基本的なサーバの設定・動作確認ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験装置・器具・情報機器等を利用して測定し,結果の処理方法について理解し,実験報告書としてまとめることができる。実験装置・器具・情報機器等を利用して測定し,実験報告書を作成・提出できる。実験装置・器具・情報機器等を利用して測定できず,実験報告書を提出できない。
評価項目2計算機内部の仕組みを理解し,機械語とアセンブリ言語によるプログラミングとその動作確認ができる。計算機内部の仕組みを理解し,機械語とアセンブリ言語による簡単なプログラミングとその動作確認ができる。計算機内部の仕組みを理解できず,機械語とアセンブリ言語によるプログラミングとその動作確認ができない。
評価項目3与えられた仕様に合致した論理回路の設計製作と動作検証ができる。与えられた仕様に合致した論理回路の製作ができる。与えられた仕様に合致した論理回路の製作ができない。
評価項目4HTML5,CSS,JavaScriptを用いてWebアプリケーションを作成できる。HTML5,CSS,JavaScriptを用いて簡単なWebアプリケーションを作成できる。HTML5,CSS,JavaScriptを用いて簡単なWebアプリケーションを作成できない。
評価項目5オシロスコープを用いた波形観測と電圧・電流・抵抗の測定ができ,電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を修得でき,それらの事象について深く考察できる。オシロスコープを用いた波形観測と電圧・電流・抵抗の測定ができ,電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を修得できる。オシロスコープを用いた波形観測と電圧・電流・抵抗の測定ができず,電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を修得できない。
評価項目6パソコンを構成する部品の動作・役割を深く理解し,パソコンの分解・組み立て,OSインストール・初期設定・動作確認,基本的なサーバの設定・動作確認ができ,オリジナルパソコンの設計・組み立て・サーバ運用ができる。パソコンを構成する部品の動作・役割を理解し,パソコンの分解・組み立て,OSインストール・初期設定・動作確認,基本的なサーバの設定・動作確認ができる。パソコンを構成する部品の動作・役割を理解できず,パソコンの分解・組み立て,OSインストール・初期設定・動作確認,基本的なサーバの設定・動作確認ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報工学科で履修する専門科目について,実験・実習を通して 授業内容への理解を深め,洞察力を育成する。講義で学んだ知識を,実験を行うことにより,実際の現象として確認し,理論と現実との違いを体験させながら,理論をさらに確実な知識として理解させる。また,実験結果のまとめ方および実験報告書の書き方の基本について学ぶ。
授業の進め方・方法:
5班のローテンション方式で実験を行う。実験を円滑に進めるため,あらかじめ実験テキストを読んで予習をしておく。1テーマの実験の中間で,それまでの実験結果レポートを提出させ,結果処理や書き方を指導する。1テーマの実験終了後,テーマ全体の報告書を提出する。
注意点:
この科目は指定科目である。この科目の単位修得が進級要件となるので,必ず修得する。
遅刻,欠課やレポート提出の遅れ,未提出に対しては厳格に対処する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 基礎電気実験:オシロスコープの取り扱い方法 オシロスコープを用いた波形観測方法を修得する。D2:1,2, E3:1
2週 オシロスコープでの各種波形の観測 オシロスコープを用いて,様々な周波数の正弦波・三角波・方形波の波形観測方法を修得する。D2:1,2, E3:1
3週 オシロスコープでのリサージュ波形観測 オシロスコープを用いて,リサージュ波形の観測方法を修得する。D2:1,2, E3:1
4週 中間レポート提出,抵抗の測定(電圧降下法) 適切なレポート作成手順に従い,中間レポートを作成・提出する。簡単な回路図をみて,実際の実験回路が組める。電圧・電流の測定方法を修得する。抵抗値の測定方法を修得する。D2:1,2, E3:1
5週 抵抗の測定(置換法) 簡単な回路図をみて,実際の実験回路が組める。電圧・電流の測定方法を修得する。抵抗値の測定方法を修得する。D2:1,2, E3:1
6週 抵抗の測定(ホイートストンブリッジ,電圧計による高抵抗) 簡単な回路図をみて,実際の実験回路が組める。電圧・電流の測定方法を修得する。抵抗値の測定方法を修得する。D2:1,2, E3:1
7週 前テーマの最終レポート提出,マイクロコンピュータ実験:数の表現 適切なレポート作成手順に従い,前テーマの最終レポートを作成・提出する。コンピュータによる数の表現と演算方法を理解する。与えられた数値を別の基数を使った数値に変換できる。D2:1,2, E2:1,2
8週 仮想計算機ASSISTの理解 計算機内部の仕組みを理解し,機械語によるプログラミングができる。D2:1,2, E2:1,2
2ndQ
9週 マシン語プログラミング(逐次処理) フローチャートなどを用いて,作成するプログラムの設計図を作成し,機械語によるプログラミングができる。D2:1,2, E2:1,2
10週 中間レポート提出,マシン語プログラミング(分岐処理) 適切なレポート作成手順に従い,中間レポートを作成・提出する。フローチャートなどを用いて,作成するプログラムの設計図を作成し,機械語によるプログラミングができる。D2:1,2, E2:1,2
11週 マシン語プログラミング(反復処理) フローチャートなどを用いて,作成するプログラムの設計図を作成し,機械語によるプログラミングができる。D2:1,2, E2:1,2
12週 アセンブラ入門,CASL Ⅱプログラミング アセンブリ言語CASLで作成したソースプログラムを,CASLアセンブラを利用してロードモジュールに変換し,COMETⅡシミュレータによりロードモジュールの動作を確認する。D2:1,2, E2:1,2
13週 前テーマの最終レポート提出,デジタル回路製作実験:論理回路の製作 適切なレポート作成手順に従い,テーマの最終レポートを作成・提出する。ディジタル回路製作において使用する部品,器具についての知識を理解し,ブレッドボードなどで簡単な回路製作と動作検証ができる。D2:1,2, E2:1,2, E3:1,2 E4:1
14週 配線技術1(半田付け) ディジタル回路製作において使用する部品,器具についての知識を理解し,半田付けで簡単な回路製作ができる。E3:1,2 E4:1
15週 配線技術2(半田付け),前期末成績評価(前期終了2テーマ)の確認 ディジタル回路製作において使用する部品,器具についての知識を理解し,半田付けで簡単な回路製作ができる。E3:1,2 E4:1
前期末成績評価(前期終了2テーマ)が適切である事を確認する。
16週
後期
3rdQ
1週 中間レポート提出,論理回路製作(ロジックICを使用した回路製作) 適切なレポート作成手順に従い,中間レポートを作成・提出する。ディジタル回路製作において使用する部品,器具についての知識を理解し,課題回路をブレッドボード上で構築できる。D2:2, E2:2, E3:1-3, E4:1
2週 論理回路製作(ロジックICを使用した回路製作) ディジタル回路製作において使用する部品,器具についての知識を理解し,ディジタル回路製作において使用する部品,器具についての知識を理解し,課題回路をブレッドボード上で構築できる。D2:2, E2:2, E3:1-3, E4:1
3週 論理回路製作(ロジックICを使用した回路製作) 与えられた仕様に合致したデジタル回路をブレッドボード上で構築し、機器を用いて動作検証ができる。D2:2, E2:2, E3:1-3, E4:1
4週 前テーマの最終レポート提出,Webアプリケーション作成:HTMLの基礎,CSSの基礎 適切なレポート作成手順に従い,前テーマの最終レポートを作成・提出する。インターネットの代表的な機能WWWにおいて情報発信する技術を理解し,HTMLでWebページを作成する技術を学習する。D2:1,2, E2:1,2
5週 JavaScriptの基礎 JavaScriptを用いたWebページを作成する技術を学習する。D2:1,2, E2:1,2
6週 JavasScriptを用いた2次方程式の解の計算と関数のグラフ表示 HTML5,CSS,JavaScriptを用いて簡単なWebアプリケーションを作成できる。D2:1,2, E2:1,2
7週 中間レポート提出,独自Webアプリケーション作成 適切なレポート作成手順に従い,中間レポートを作成・提出する。HTML5,CSS,JavaScriptを用いて独自テーマのWebアプリケーションを作成できる。D2:1,2, E2:1,2
8週 独自Webアプリケーション作成 HTML5,CSS,JavaScriptを用いて独自テーマのWebアプリケーションを作成できる。D2:1,2, E2:1,2
4thQ
9週 サーバへの組み込み,独自Webアプリケーションの発表
最終レポート提出
作成したWebアプリケーションをサーバに組み込む方法を理解する。D2:1,2, E2:1,2
10週 前テーマの最終レポート提出,パソコン組立と設定 : パソコンの分解,部品確認 適切なレポート作成手順に従い,前テーマの最終レポートを作成・提出する。パソコンを構成する部品と部品名を理解する。 D2:1, E3:1-3, E4:1,2
11週 パソコンの組み立て,動作確認 各部品の取り付けができる。
パソコンの動作チェックができる。D2:1, E3:1-3, E4:1,2
12週 OSのインストール,初期設定 各部品の取り付けができる。
OSのインストールと初期設定ができる。D2:1, E3:1-3, E4:1,2
13週 中間レポート提出,ベンチマークと各種環境構築 適切なレポート作成手順に従い,中間レポートを作成・提出する。各種環境の構築ができる。D2:1, E3:1-3, E4:1,2
14週 サーバの設定,動作確認 サーバを設定できる。D2:1, E3:1-3, E4:1,2
15週 サーバの設定,動作確認 サーバを設定できる。D2:1, E3:1-3, E4:1,2
16週 テーマの最終レポート提出,実験のまとめ(確認テスト),年度末成績評価(仮)(全5テーマ)の確認 適切なレポート作成手順に従い,テーマの最終レポートを作成・提出する。テーマにより,確認テストを行い,内容修得状況を確認する。D2:1,2, E2:1,2
年度末成績評価(仮)(全5テーマ)が適切である事を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,前7,前13,後4,後10
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1,前7,前13,後4,後10
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1,前7,前13,後4,後10
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前4,前7,前10,前13,後1,後4,後7,後10,後13,後16
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前4,前5,前6
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前4,前5,前6
情報系分野情報通信ネットワーク情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。4後6,後7,後8,後9
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3後6,後7,後8
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3前9,前10,前11,前12
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3後6
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。2後1,後2,後3
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。2後1,後2,後3
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。2後1,後2,後3

評価割合

レポート実験記録作品・テスト口頭試問確認テスト合計
総合評価割合50301055100
基礎的能力50301055100
専門的能力000000