数値解析特論

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数値解析特論
科目番号 222122 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(機械工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教員作成資料
担当教員 木村 祐人

到達目標

1.運動方程式の無次元化について理解し, 実行できる.
2.運動方程式の差分化について理解し, プログラムを作成できる.
3.粒子系の解析に用いられる物理量について理解し, 計算機実験を通じて計算できる.
4.粒子系の計算結果をソフトウェア等を用いて可視化できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1運動方程式の無次元化について理解し, 新たな問題に対し無次元化を実行できる. 運動方程式の無次元化について理解し, 無次元化を実行できる. 運動方程式の無次元化について理解し, 無次元化を実行できない.
評価項目2種々の運動方程式の差分化について理解し, 適切な差分法を選定し, プログラムを作成できる. 運動方程式の差分化について理解し, プログラムを作成できる. 運動方程式の差分化について理解できない.
評価項目3粒子系の解析に用いられる物理量について理解し, 計算結果の分析・解析ができる. 粒子系の解析に用いられる物理量について理解し, 計算機実験を通じて計算できる. 粒子系の解析に用いられる物理量について理解できない.
評価項目4 粒子系の計算結果をソフトウェア等を用いて, 結果が捉えやすいよう工夫して可視化できる. 粒子系の計算結果をソフトウェア等を用いて可視化できる. 粒子系の計算結果をソフトウェア等を用いて可視化できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
粒子系のシミュレーションは様々な分野で用いられている. 材料のミクロな性質を調査する分子動力学法や, 個別要素法を用いた粉体のシミュレーション, MPS法などを用いた地滑りや津波の計算など, その応用は多岐にわたる. この講義では, 例題としてレナードジョーンズ粒子からなる系の分子動力学法のシミュレーションを取り上げ, 基礎理論と計算プログラムの学習を通じ, 受講者が自ら必要な粒子系のシミュレーションを遂行するための足掛かりとなることを目的とする.
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行う. 基礎理論を学習する際には板書やスライドを用いて解説を行う. プログラムでの実装を学習する際にはプログラム例を用いた演習を行う. 理解度を確認するために, 演習課題を出題する.
注意点:
プログラミングを含む内容のため, 四則演算や数学ライブラリの使用, ファイル入出力等を理解していることが望ましい. 講義資料やプログラム例はC言語を用いたプログラムを紹介する(課題等で提出するプログラムについては, 言語は問わない).
演習課題を用いて評価を行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
質点の運動(1)
数値解析について概観する.
質点系の運動を例に運動方程式の差分化を学ぶ.
2週 質点の運動(2) 質点系の運動を例に運動方程式の差分化を学ぶ.
3週 無次元化 シミュレーションや数値計算で必要となる支配方程式の無次元化について理解する.
4週 レナードジョーンズ粒子のシミュレーション(1) レナードジョーンズポテンシャルで相互作用が記述されるような粒子系の計算を行う.
5週 境界条件と初期条件 粒子シミュレーションで用いられる境界条件や初期条件と実装方法について学ぶ.
6週 様々な差分法 粒子シミュレーションで用いられる差分法について学び, プログラムに実装する.
7週 レナードジョーンズ粒子のシミュレーション(2) N個のレナードジョーンズ粒子が含まれる系で計算機実験を行う.
8週 多粒子系の解析手法(1) 粒子シミュレーションで系の特徴を捉えるための静的な物理量について学ぶ.
2ndQ
9週 多粒子系の解析手法(2) 粒子シミュレーションで系の特徴を捉えるための動的な物理量について学ぶ.
10週 レナードジョーンズ粒子のシミュレーション(3) N個のレナードジョーンズ粒子が含まれる系で計算機実験を行い, 各種物理量を計算する.
11週 圧力の計算と制御 ビリアル定理を用いた系の圧力の計算と, 圧力の制御の方法について学ぶ.
12週 レナードジョーンズ粒子のシミュレーション(4) レナードジョーンズ系でNPTアンサンブルの計算機実験を行い, 各種物理量を計算する.
13週 レナードジョーンズ系の計算機実験(1) レナードジョーンズ系でNPTアンサンブルの計算機実験を行い, 相転移を観測する.
14週 レナードジョーンズ系の計算機実験(2) レナードジョーンズ系でNPTアンサンブルの計算機実験を行い, 相転移前後の系の構造の解析を行う.
15週 レナードジョーンズ系の計算機実験(3) レナードジョーンズ系でNPTアンサンブルの計算機実験を行い, 計算結果を可視化する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
評価項目1000025025
評価項目2000025025
評価項目3000025025
評価項目4000025025