ディジタル信号処理

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 ディジタル信号処理
科目番号 192220 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(電気情報工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 ・参考書:有木康雄著「ディジタル信号処理」(オーム社)・参考書:小畑秀文・浜田望・田村安孝共著「信号処理入門」(コロナ社)
担当教員 北村 大地

到達目標

1.ディジタル信号処理に必要不可欠な基礎理論,データ処理手法,諸定理を習得し実際のディジタル信号に対して適用できる能力を身につける。
2.目的に応じたFIR及びIIRディジタルフィルタを設計でき,システムの伝達関数の推定やフィルタの安定性の判別ができる。
3.与えられたディジタル信号に対して適正な手法や手順で定量的な分析結果をソフトウェアを用いて導くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ディジタル信号処理の基礎理論離散フーリエ変換やz変換について数式を用いた定性的な説明ができ,線形時不変システムが解析できる。連続信号のフーリエ変換と離散フーリエ変換やラプラス変換とz変換の違いを説明できる。連続信号のフーリエ変換と離散フーリエ変換やラプラス変換とz変換の違いを説明できない。
伝達関数及びディジタルフィルタディジタルフィルタの種類や特徴を数式を用いて説明でき,安定性の判別や簡単な例の設計ができる。ディジタルフィルタの種類や特徴を数式を用いて説明できる。ディジタルフィルタの種類や特徴が説明できない。
実際のディジタル信号への適用ディジタル信号に対して目的に応じた適正な手法を適用でき,結果の客観的な分析ができる。ディジタル信号に対して目的に応じた適正な手法を適用できる。ディジタル信号に対して目的に応じた適正な手法が適用できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
音響メディアや動画像メディア等のディジタル信号を分析・処理する際に用いる基本的な手法とその理論を理解し,応用できる能力を習得することを第一の目標としている。特に,連続信号から離散信号への導入に伴う数学的な意義・性質は重要であるため,実習により実際の信号処理を実行して理解を補う。さらに,伝達関数の意味と人工的にそれを構成するフィルタ処理の理論及び効果の理解を第二の目標とする。この目標についても講義中もしくは自学自習での実習で理解を補う。
授業の進め方・方法:
主としてプリントを配布することにより講義を進める。講義ではMATLAB等の信号処理ソフトウェアを用いて適宜演習を行い,理論とデータ処理結果の関連をより深く理解することをねらう。また,自主学習を目的としたレポート課題を課す。
注意点:
・期末の定期試験の結果で70%の評価を行い、演習の理解度に関するレポート課題の評価を30%として総合評価する。
・演習や課題では,MATLAB等の信号処理ソフトウェアを用いる。
・本科5年次の選択科目「信号処理」で学んだ専門知識を理解していることが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
連続時間信号のシステムとフーリエ変換
線形システムの利点をフーリエ変換の観点から説明できる。
2週 離散信号の基本表現と線形時不変システム ディジタル信号における離散信号の概念と特徴及び線形時不変システムについて説明できる。
3週 ラプラス変換と連続時間システムの伝達関数 ラプラス変換を用いて連続時間システムの伝達関数を計算できる。
4週 離散時間信号のフーリエ解析とサンプリング定理 連続信号と離散時間信号のフーリエ解析の違いとサンプリング定理について説明できる。
5週 離散フーリエ変換と窓関数 実用上重要な離散フーリエ変換について説明でき、目的に対して適切な窓関数を選択できる。
6週 短時間フーリエ変換とソフトウェア演習 非定常な一次元信号の時間周波数構造をソフトウェアを用いて解析できる。
7週 z変換と離散時間システムの伝達関数 z変換を用いて離散時間システムの伝達関数を計算できる。
8週 システムの周波数特性 線形時不変システムが入力信号にどのような影響を与えるか解析的に計算できる。
2ndQ
9週 ディジタルフィルタ1(FIRフィルタ) FIRフィルタについて定性的に説明できる。
10週 ディジタルフィルタ2(IIRフィルタ) IIRフィルタとその安定性について定性的に説明できる。
11週 ソフトウェア演習・レポート課題 与えられた課題と解決法をソフトウェアで実際に処理処理ができる。
12週 不規則信号の相関関数とスペクトル 不規則信号を統計的な観点から解析し、その特徴について定性的に説明できる。
13週 線形予測分析によるパワースペクトル推定 線形予測分析の理論を説明でき,不規則信号のパワースペクトルを計算できる。
14週 ウィーナフィルタと適応アルゴリズム ウィーナフィルタの導出ができ、その他の適応信号処理手法を定性的に説明できる。
15週 ディジタル信号処理総合演習 与えられた課題に対して自身で解決法を見出し、ソフトウェアで実際に信号処理ができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験ポートフォリオ合計
総合評価割合7030100
基礎理論35035
ディジタルフィルタ35035
実データへの応用03030