伝熱工学特論

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 伝熱工学特論
科目番号 222316 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(機械電子工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 日本機械学会編「伝熱工学」,丸善,ISN 978-4-88898-120-0
担当教員 嶋﨑 真一

到達目標

目標1:熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の概略を説明できる。
目標2:保存式の考え方を説明でき,熱伝導の基礎式を導くことができる。
目標3:差分法や有限体積法を理解し,熱伝導問題に適用することができる。
目標4:熱伝導問題の数値解析を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱輸送の三形態熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の詳細を説明できる。熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の概略を説明できる。熱輸送の三形態(熱伝導・熱伝達・ふく射)の概略を説明できない。
熱伝導の基礎方程式保存式の考え方を説明でき,各種座標系で熱伝導の基礎式を導くことができる。保存式の考え方を説明でき,熱伝導の基礎式を導くことができる。保存式の考え方を説明できず,熱伝導の基礎式を導くことができない。
数値解析の理論差分法や有限体積法を理解し,熱伝導問題に適用することができる。差分法や有限体積法を理解し,説明することができる。差分法や有限体積法を説明できない。
数値解析の実践熱伝導問題の数値解析を行うことができる。簡単な熱伝導問題の数値解析を行うことができる。簡単な熱伝導問題の数値解析を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育目標 B-2 説明 閉じる
学習教育目標 B-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
・熱輸送の三形態を理解し,エネルギー輸送式を説明できる。
・各伝熱形態における基礎的な式を用いた計算ができる。
・伝熱工学を簡単な実例に適用して,熱輸送を解析することが出来る。
・伝熱に関する数値計算を行うことが出来る。
授業の進め方・方法:
前半の講義は教科書にそって進めていく。後半の数値計算の講義については,オリジナルの資料を配布する。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
熱輸送の三形態

熱輸送の三形態について説明できる。
2週 輸送定数
無次元相間式
輸送定数について説明できる。
輸送定数を決定するために,無次元相間式を使うことができる。
3週 沸騰・凝縮による熱輸送
沸騰曲線
沸騰曲線について説明できる。
4週 保存量に対する収支の考え方
連続の式の導出
収支式を説明できる。
収支式の考え方を質量に対して適用し,連続の式を導出できる。
5週 熱伝導方程式
円筒座標系・球座標系における定式化
収支式の考え方を熱エネルギーに対して適用し,熱伝導方程式を導出できる。
さまざまな座標系における収支式を導出できる。
6週 差分化
FTCS法
陽解法の安定条件
差分化について説明できる。
陽解法の安定条件について説明できる。
7週 BTCS法
陰解法の安定条件
クランク・ニコルソン法
陰解法の安定条件について説明できる。
8週 物性値が変化する場合
格子間隔が不均一な場合
生成項の線形化
多次元への拡張
熱伝導方程式および差分式の一般の場合について,説明できる。
2ndQ
9週 境界条件
 第1種境界条件
 第2種境界条件
熱伝導方程式および差分式の境界条件について,説明できる。
10週 数値計算演習
 Excelによる1次元非定常熱伝導問題
 Excelによる2次元定常熱伝導問題
簡単な熱伝導方程式の数値計算を行うことができる。
11週 Octaveによる数値計算 Octaveを用いて数値演算を行うことができる。
12週 Octaveによる連立一次方程式の求解 Octaveを用いて連立一次方程式の計算を行うことができる。
13週 数値計算演習
 多次元の非定常熱伝導問題
熱伝導方程式の数値計算を行うことができる。
14週 数値計算演習
 多次元の非定常熱伝導問題
熱伝導方程式の数値計算を行うことができる。
15週 数値計算演習
 多次元の非定常熱伝導問題
熱伝導方程式の数値計算を行うことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。5前4,前5,後3,後4
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。5前4,前5,後3,後4
自然科学物理時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。5前4,前5,後2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。5前4,前5,後2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。5前4,前5,後2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。5前13,前14,前15,後7
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。5前13,前14,前15,後7
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学の第一法則を説明できる。5前4,前5,後14
情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。5前11,前12,後9,後10,後14
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。5前11,前12,後9,後10,後14
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。5前11,前12,後9,後10,後14
条件判断プログラムを作成できる。5前11,前12
繰り返し処理プログラムを作成できる。5前11,前12
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。5前11,前12
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。5前13,前14,前15

評価割合

小テストレポート合計
総合評価割合2080100
熱輸送の三形態10010
熱伝導の基礎方程式10010
数値解析の理論03030
数値解析の実践05050