維持管理工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 維持管理工学
科目番号 202413 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(建設環境工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし。資料として適宜プリントを配布する。
担当教員 長谷川 雄基

到達目標

土木構造物のうち,主としてコンクリート造の構造物について,材料・設計・施工・維持管理を一貫とした考え方に基づき,新設構造物および既設構造物を長期的に供用するための考え方を習得する。実際に,適切な材料の選定,耐久性を確保するための設計・施工方法を実践できる。維持管理に関わる調査点検・診断・評価を実践できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
適切な材料選定のための基礎知識適切な材料選定のための基礎知識を説明できる。実際に,種々の条件から適切に材料を選定できる。適切な材料選定のための基礎知識を説明できる。適切な材料選定のための基礎知識を説明できない。
耐久性を確保するための設計方法耐久性を確保するための設計方法を説明できる。実際に,設計の一部を担うことができる。耐久性を確保するための設計方法を説明できる。耐久性を確保するための設計方法を説明できない。
耐久性を確保するための施工方法耐久性を確保するための施工方法を説明できる。実際に施工の一部を担うことができる。耐久性を確保するための施工方法を説明できる。耐久性を確保するための施工方法を説明できない。
長期供用のための維持管理方法長期供用のための維持管理方法を説明できる。点検・診断を実施できる。長期供用のための維持管理方法を説明できる。長期供用のための維持管理方法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木構造物のうち,主としてコンクリート造の構造物について,材料・設計・施工・維持管理を一貫とした考え方を,各パートに分けて説明する。実務を見据え,材料選定,耐久性を確保するための設計・施工方法,維持管理に関わる調査点検・診断・評価の実践方法を説明する。
授業の進め方・方法:
主にパワーポイントによるプレゼン方法にて講義する。復習のために講義終了時に,学習した耐久設計に関わるいくつかのキーワードを提示するので各自レポートし,次回講義の際に提出する。また,一部輪講形式を取り入れる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・初回ガイダンス
・土木構造物の維持管理の概論
国内の土木構造物のストック状況を説明できる。維持管理の必要性を説明できる。
2週 材料1
骨材,セメント,水,混和材料
構造物を長期に渡って供用するための適切な材料選定について説明できる。
3週 材料2
フレッシュコンクリート
フレッシュコンクリートの特性を説明できる。良いコンクリートの条件を説明できる。
4週 材料3
コンクリートの劣化
コンクリートの劣化について,その内容と対策方法を説明できる。
5週 設計1
基本的な配合設計
配合設計の基本的な考え方を説明できる。演習問題を解くことができる。
6週 設計2
設計における耐久性の確保
耐久性を確保するための設計方法について説明できる。各種混和材料を使用したコンクリートの特徴について説明できる。
7週 設計3
無筋,RC,PC,構造種別の設計
各種の構造物における設計時の留意点を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 施工1
コンクリート混練,打設
コンクリートの初期欠陥とその防止策を説明できる。
10週 施工2
型枠,鉄筋,支保工
耐久性を阻害する施工条件とその対策方法を説明できる。
11週 施工3
養生
長期の耐久性を確保するための養生方法について説明できる。
12週 維持管理1
アセットマネジメント概論
土木構造物の維持管理におけるアセットマネジメントの考え方を説明できる。
13週 維持管理2
点検・診断
構造物の現況評価および将来予測のための点検・診断方法について説明できる。
14週 維持管理3
補修・補強
構造物の補修・補強工法を説明できる。
15週 材料・設計・施工・維持管理一貫の考え方
まとめ
これまでの学習内容を踏まえて,材料・設計・施工・維持管理一貫の考え方を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。5
鋼材の種類、形状を説明できる。5
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。5
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。5
各種セメントの特徴、用途を説明できる。5
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。5
骨材の種類、特徴について、説明できる。5
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。5
コンクリートの長所、短所について、説明できる。5
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。5
配合設計の手順を理解し、計算できる。5
非破壊試験の基礎を説明できる。5
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。5
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。5
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。5
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。5
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。5

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
適切な材料選定のための基礎知識20525
耐久性を確保するための設計方法20525
耐久性を確保するための施工方法20525
長期供用のための維持管理方法20525