維持管理工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 維持管理工学
科目番号 7402 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻(建設環境工学コース)(2023年度以前入学者) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし。資料として適宜プリントを配布する。
担当教員 長谷川 雄基

到達目標

・インフラの老朽化の現状およびメンテナンスの基礎について学習する。特に,材料・設計・施工がすべてメンテナンスに直結することを理解し,材料・設計・施工の基本を習得する。
・インフラテクコンへの参加を通して,インフラメンテナンスにかかわる社会背景や解決のためのアイデアについて,アクティブラーニング形式で学習する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
インフラの老朽化の現状インフラの老朽化の現状や,そこに至る社会背景を説明できる。インフラの老朽化の現状を説明できる。インフラの老朽化の現状を説明できない。
インフラメンテナンスの基本インフラメンテナンスの方法や現状の課題について説明できる。インフラメンテナンスの方法を説明できる。インフラメンテナンスの方法を説明できない。
インフラメンテナンスに必須となる材料・設計・施工インフラメンテナンスに必須となる材料・設計・施工の基本を理解し,各々のパートがインフラメンテナンスにどのように関わるのかを説明することができる。インフラメンテナンスに必須となる材料・設計・施工の基本を説明できる。インフラメンテナンスに必須となる材料・設計・施工の基本を説明できない。
インフラメンテナンスにおける課題発掘と解決に向けたアイデアの提案インフラメンテナンスが抱える課題を発掘し,解決に向けたアイデアを提案したうえで,そのアイデアが外部から高い評価を得る。インフラメンテナンスが抱える課題を発掘し,解決に向けたアイデアを提案できる。インフラメンテナンスが抱える課題を発掘できず,解決に向けたアイデアを提案できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
インフラテクコンへの参加を通して,インフラメンテナンスにかかわる社会背景や解決のためのアイデアについて学習する。また,インフラメンテナンスの遂行に必須となる材料・設計・施工の基礎知識を座学形式および演習により習得する。
授業の進め方・方法:
本授業では,インフラテクコンへの参加を主軸として,インフラメンテナンスについて学習する。また,香川高専が有する社会基盤メンテナンス教育センターの実習フィールドや試験体を活用し,変状の観察や調査・診断を体験する。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
インフラメンテナンスの概要,iMec香川およびインフラテクコンの紹介
国内の土木構造物のストック状況を説明できる。維持管理の必要性を説明できる。
2週 iMec香川実習フィールドでの観察演習 コンクリートの初期欠陥とその防止策を説明できる。コンクリートの劣化について,その内容と対策方法を説明できる。構造物の補修・補強工法を説明できる。
3週 コンクリート構造物の点検・調査手法体験 構造物の現況評価および将来予測のための点検・診断方法について説明できる。
4週 材料・設計・施工の基本① 構造物を長期に渡って供用するための適切な材料選定について説明できる。フレッシュコンクリートの特性を説明できる。良いコンクリートの条件を説明できる。
5週 材料・設計・施工の基本② 耐久性を確保するための設計方法について説明できる。各種の構造物における設計時の留意点を説明できる。耐久性を阻害する施工条件とその対策方法を説明できる。
6週 インフラテクコン 個人課題の作成① インフラメンテナンスに係る社会背景を理解し,現状の課題を発掘できる。
7週 インフラテクコン 個人課題の作成②
インフラメンテナンスに係る現状の課題について,解決のためのアイデアを構想できる。
8週 インフラテクコン 個人課題の発表 インフラメンテナンスに係る現状の課題について,解決のためのアイデアを提案してプレゼンできる。
2ndQ
9週 インフラテクコン エントリー内容の協議① インフラメンテナンスが抱える課題について他者と意見交換しながら,解決のためのアイデアを構想できる。
10週 インフラテクコン エントリー内容の協議② インフラメンテナンスが抱える課題について他者と意見交換しながら,解決のためのアイデアを構想できる。
11週 インフラテクコン エントリー内容の協議③ インフラメンテナンスが抱える課題について他者と意見交換しながら,解決のためのアイデアを取りまとめることができる。
12週 インフラテクコン エントリー作業 インフラメンテナンスが抱える課題について他者と意見交換しながら,解決のためのアイデアを取りまとめることができる。
13週 インフラテクコン 作品の作成① インフラメンテナンスが抱える課題の解決策を提案し,具体の行動に移すことができる。
14週 インフラテクコン 作品の作成② インフラメンテナンスが抱える課題の解決策を提案し,具体の行動に移すことができる。
15週 インフラテクコン 作品の作成③, インフラメンテナンスが抱える課題の解決策を提案し,具体の行動に移すことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。5前4
鋼材の種類、形状を説明できる。5前4
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。5前4
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。5前4
各種セメントの特徴、用途を説明できる。5前4
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。5前4
骨材の種類、特徴について、説明できる。5前4
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。5前4
コンクリートの長所、短所について、説明できる。5前2,前4
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。5前2,前4
配合設計の手順を理解し、計算できる。5前4,前5
非破壊試験の基礎を説明できる。5前3
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。5前4
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。5前4,前5
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。5前2,前3,前4,前5
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。5前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。5前2,前3

評価割合

演習課題インフラテクコン個人課題インフラテクコン作品作成合計
総合評価割合306010100
インフラの老朽化の現状015217
インフラメンテナンスの基本015217
インフラメンテナンスに必須となる材料・設計・施工300030
インフラメンテナンスにおける課題発掘と解決に向けたアイデアの提案030636