通信工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 通信工学
科目番号 7021 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報通信工学専攻(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 滑川敏彦,奥井重彦,衣斐信介 著「通信方式(第2版)」森北出版株式会社
担当教員 井上 忠照

到達目標

情報通信や信号伝送を理解するのに必要とされる理論的内容は広範囲に及ぶが,それらのうち重要な基本的事柄が講義される。調和解析,狭帯域キャリアを用いる変復調理論,不規則信号の理論についての概略を学習し,これらについて概説できるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
信号への理解信号のエネルギースペクトル密度,電力スペクトル密度に与える線形システムの影響を説明できる。線形システムの入出力関係を周波数領域で説明できる。フーリエ変換によって,時間信号を周波数領域で説明できない。
不規則信号への理解不規則信号の特性を,確率密度関数や自己相関関数,電力スペクトル密度の数学表現とできる。不規則信号の特性の概要を説明できる。不規則信号の特性を説明できない。
線形アナログ変調への理解AM,DSB,SSBについてSNRを数式表現できる。AM,DSB,SSBの変復調について数式表現できる。SSBの発生について説明できない。
非線形アナログ変調への理解FM,PMのSNRを数式評価できる。FM,PMを数式して両者の関係を説明できる。FM,PMを数式表現できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 この科目は,企業で通信用測定機器の技術開発業務を担当していた教員の経験を活かし,各種通信方式における理論・技術・実現方法を具体的に講義形式で授業するものである。
 情報通信や信号伝送を理解するのに必要とされる理論的内容は広範囲に及ぶが,それらのうち重要な基本的事柄が講義される。調和解析,狭帯域キャリアを用いる変復調理論,不規則信号の理論についての概略を学習し,これらについて概説できるようになることを目標とする。
授業の進め方・方法:
講義による。
中間試験を実施して,理解の状況をみながら授業を進めてゆくこととする。
注意点:
電子情報工学コースの学生で,2年後期「光通信工学」の履修を希望する場合は履修すること。
本科で,変調や復調を扱う通信分野の科目を修得していることが望ましい。
学習には準学士課程(本科)「応用数学」の 微分積分,フーリエ変換に関する知識が必要。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 信号の数学的表現
概要と信号のフーリエ級数表示
確定過程にある信号についてのフーリエ級数表示,フーリエ変換について説明できる。D1:1-3
2週 信号のフーリエ変換 確定過程にある信号についてのフーリエ級数表示,フーリエ変換について説明できる。D1:1-3
3週 信号スペクトルと特異関数 確定過程にある信号についてのフーリエ級数表示,フーリエ変換について説明できる。D1:1-3
4週 信号の数学的表現と物理的意味
エネルギー信号と電力信号
インパルスレスポンス,伝達関数,エネルギー,電力,相関関数について説明できる。D1:1-3,D2:1-3
5週 フーリエ変換の性質 時間信号を周波数領域で解析できる。D1:1-3,D2:1-3
6週 たたみ込み演算と線形システム 時間信号を周波数領域で解析できる。D1:1-3,D2:1-3
7週 インパルス応答と伝達関数 時間信号を周波数領域で解析できる。D1:1-3,D2:1-3
8週 システムの入出力関係と無ひずみ伝送条件 時間信号を周波数領域で解析できる。D1:1-3,D2:1-3
4thQ
9週 中間試験
10週 不規則信号の数学的表現と解析
雑音解析入門
ランダム過程にある信号(雑音)を数学的に扱う手段を説明できる。D2:1-3
11週 不規則信号の数学的表現
ランダム過程にある信号(雑音)を数学的に扱う手段を説明できる。D2:1-3
12週 振幅変調の理論
線形変調1: DSB-SC
各種の振幅変調方式を数式により表現し,信号電力,スペクトル,SNR等の比較評価を行える。D2:1-3
13週 線形変調2: SSB, AM
各種の振幅変調方式を数式により表現し,信号電力,スペクトル,SNR等の比較評価を行える。D2:1-3
14週 角度変調の理論
非線形変調1: 角度変調
各種の角度変調方式を数式により表現し,信号電力,スペクトル,SNR等を振幅変調方式と比較できる。D2:1-3
15週 非線形変調2: FM, PM 各種の角度変調方式を数式により表現し,信号電力,スペクトル,SNR等を振幅変調方式と比較できる。D2:1-3
16週 答案返却・解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題レポート・その他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000