応用電子物性工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用電子物性工学
科目番号 7022 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報通信工学専攻(2023年度以前入学者) 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 岩本光正著「電気電子材料工学」オーム社
担当教員 森宗 太一郎

到達目標

トランジスタや集積回路に代表される半導体デバイスは,現在のエレクトロニクスやITを支える重要な技術分野である。本科目では,これまでに半導体工学の知識をベースに,デバイス工学の基礎となる電子物性に関して講義・実験し,電子機器に用いられる各種光・電子デバイスやその周辺技術について定性的に説明できるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1不純物添加した半導体の接合について理解する。不純物添加とエネルギー準位図の関係について理解する。不純物添加とエネルギー準位図の関係について理解できていない。
評価項目2光と物質の相互作用について定量的に説明できる。光と物質の相互作用について定性的に説明できる。光と物質の相互作用について定性的に説明できない。
評価項目3光電変換デバイスの動作原理を理解し,光センサ回路を作製できる。光電変換デバイスの動作原理を理解する。光電変換デバイスの動作原理を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は企業で半導体プロセスと半導体デバイスの設計を担当していた教員が,その経験を活かし,電子物性材料の種類,特性,デバイスの設計と応用方法等について講義および実技形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書を参照しながら板書を中心に,定性的な内容で講義する。必要に応じて実験を交えながら,実感を伴う内容となるよう心掛けて進める。
注意点:
実技を通した講義内容となっているため,3分の1以上欠課した場合は60点以下となるので注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 (結晶のエネルギー帯)エネルギー導体・半導体・絶縁体のエネルギー帯 半導体材料の基礎知識について理解する。
2週 E-k図,(半導体)半導体とは,キャリア,真性半導体 半導体中の電子エネルギーと運動エネルギーの関係について理解する。
3週 不純物半導体,ドナー準位,アクセプタ準位(半導体材料)必要条件,単元素半導体 不純物添加とエネルギー準位図の関係について理解する。D2:1-3
4週 化合物半導体,伝導形の制御,複合欠陥 化合物半導体のストイキオメトリについて理解する。
5週 (半導体による光吸収と発光)光の反射,吸収,透過,(半導体における光吸収)内殻電子の遷移,基礎吸収 光と物質の相互作用について定性的に理解している。D2:1-3
6週 トランジスタを用いたスイッチング回路,スイッチの基礎、リレーの基礎 実習を通してトランジスタの特性を理解する。
7週 圧電センサ、近接センサ 実習を通して,圧電センサ,近接センサの原理を理解する。
8週 光反射強度検出回路への応用合 フォトトランジスタ,CdS,LED,可変抵抗を用いて光反射強度検出回路を作り,光センサについて理解する。D2:1-3
4thQ
9週 リレー回路を用いたモーター駆動回路 リレー回路の原理を理解して,光センサと組み合わせた回路が作製できるようになる。
10週 ライントレーサーへの応用 リレー回路を用いた光反射型駆動回路を作り,デバイスの応用方法や原理について理解を深める。D2:1-3
11週 (半導体による光吸収と発光)光の反射,吸収,透過,(半導体における光吸収)内殻電子の遷移,基礎吸収 光と物質の相互作用について定性的に理解している。
12週 直接遷移,間接遷移,Geの吸収スペクトル,励起子を生成する遷移 物質中のエネルギー状態を理解している。
13週 局在準位が関与した吸収,伝導吸収 エネルギー状態に起因する現象を定性的に説明できる。
14週 半導体の光吸収と励起、Si半導体とpn接合 物質の光学的性質を理解し,各種スペクトルの概要が説明できる。
15週 光電変換素子の種類と特長,半導体プロセス 光物性とデバイスの違いについて理解し,デバイス作成方法を理解する。
16週 定期試験 試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ実験実習合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力2500002550
専門的能力2500002550
分野横断的能力0000000