集積回路工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 集積回路工学
科目番号 7043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報通信工学専攻(2023年度以前入学者) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 荒井英輔編著「集積回路A」 オーム社/管野卓雄著「半導体集積回路」コロナ社/自作教材
担当教員 長岡 史郎

到達目標

半導体デバイスをブラックボックスとして扱うのではなく,半導体の基本的性質を理解した上でデバイスの素子特性や動作を理解する。半導体集積回路を構成するデバイスの構造や製造方法の概要を理解し,デバイ学習目標ス設計技術や集積回路製作の要素技術に関する知識を習得することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
なぜ大規模集積化への努力がなされるのか説明できる。 なぜ大規模集積化への努力がなされるのかを理解し、説明できる。 なぜ大規模集積化への努力がなされるのか、概ね説明できる。 なぜ大規模集積化への努力がなされるのか説明できない。
MOS トランジスタを用いた集積回路のプロセスフローを説明できる。 MOS トランジスタを用いた集積回路のプロセスフローを理解し、説明できる。 MOS トランジスタを用いた集積回路のプロセスフローを概ね説明できる。 MOS トランジスタを用いた集積回路のプロセスフローを説明できない。
与えられた課題について資料収集し報告書にまとめることができる。 与えられた課題について資料収集し報告書にまとめることができる。 与えられた課題について資料収集し報告書にまとめることができる。 与えられた課題について資料収集し報告書にまとめることができない。
集積回路内に作製された能動,受動素子について構造や特性を説明できる。 集積回路内に作製された能動,受動素子について構造や特性を理解し、説明できる。 集積回路内に作製された能動,受動素子について構造や特性を概ね説明できる。 集積回路内に作製された能動,受動素子について構造や特性を説明できない。
PN接合やバイポーラトランジスタ及びMOSトランジスタの諸特性についての簡単な計算ができる。 PN接合やバイポーラトランジスタ及びMOSトランジスタの諸特性について理解し、その簡単な計算ができる。 PN接合やバイポーラトランジスタ及びMOSトランジスタの諸特性についての簡単な計算が概ねできる。 PN接合やバイポーラトランジスタ及びMOSトランジスタの諸特性についての簡単な計算ができない。
C-MOS トランジスタの動作を説明できる。 C-MOS トランジスタの動作を理解し、説明できる。 C-MOS トランジスタの動作を概ね説明できる。 C-MOS トランジスタの動作を説明できない。
C-MOS トランジスタの省電力のメカニズムを説明できる。 C-MOS トランジスタの省電力のメカニズムを理解し、説明できる。 C-MOS トランジスタの省電力のメカニズムを概ね説明できる。 C-MOS トランジスタの省電力のメカニズムを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
IOTが提案され、普及するのにつれて半導体デバイスの重要性がより高まっている。集積回路とはなにか、なぜ集積化するのか、を技術面だけではなく、信頼性、経済性(コスト)の点からみた優位性を定量的に考察し、実際の作製プロセスをできるだけ具体的に詳しく説明しながら、理論を加えて説明し、理解を深める。これにより、専門の学生には、新規分野における新しいハードウェアを提案する基礎知識として、また、専門外の学生にとっては、半導体デバイスと作製技術の概念が理解できるよう、講義する。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って進める。講義内容の理解を助けるため,毎回基本的な課題を宿題としてできるだけ出題する。与えられた課題について資料検索し,その要約を作成するともに自分の意見をまとめて発表し,レポートとして提出する。半導体技術の歴史を学ぶとともに将来の技術について考える。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 "ガイダンス
半導体デバイスの歴史
キルビーの集積回路の特許
グローブの集積回路世界初のトランジスタの紹介
半導体集積回路の例
混成集積回路の例"


キルビーの集積回路の特許
グローブの集積回路世界初のトランジスタの紹介
半導体集積回路の例
混成集積回路の例
"この科目で学習する内容を理解する。
半導体デバイスの歴史を説明できる。
集積回路の基本特許を説明できる。"
2週 "バイポーラトランジスタの構造
MOS集積回路の構造
集積回路作製プロセスの概要"
"バイポーラトランジスタの構造を説明できる。
MOS集積回路の構造を説明できる。
集積回路作製プロセスを説明できる。"
D2:1-2
3週 "集積化の利点

歩留まり"
集積化の利点を説明できる。
D3:1-2
4週 "pn接合を理解する
 帯理論"
エネルギー準位図が帯になることを説明できる。
5週 pn接合の整流特性と空乏層
"pn接合のエネルギー準位図が書ける。
整流特性を説明できる。"
6週 pn接合の接合容量と降伏電圧
"pn接合の接合容量について説明できる。
接合容量を計算できる。
降伏電圧について説明できる。"
D2:1-3
7週 pn接合の電流-電圧特性
pn接合の電流を表す式の導出過程を説明できる。D2:1-3
8週 "集積回路に使われる半導体デバイスの基本
1.バイポーラトランジスタを理解する
 (1) バイポーラトランジスタの構造図と不純物準位
 (2) バイポーラトランジスタの電流電圧特性"
"バイポーラトランジスタの構造図と不純物準位を説明できる。
バイポーラトランジスタの電流電圧特性をあらわ明日式の導出過程を説明できる。"
D2:1-3
2ndQ
9週 "2.MOSトランジスタを理解する。
 (1) 理想的なMOS構造
 (2) MOSトランジスタの種類と動作原理"
"理想的なMOS構造とエネルギー準位図を説明できる。
MOSトランジスタの種類と動作原理をエネルギー準位図を用いて説明できる。"
D2:1-3
10週 "集積回路作製要素技術、
 シリコンウェーハの引き上げ方法
 ドーパント拡散
  イオン注入とは、チャネリング、シャドウイング"
単結晶シリコンの作製方法及びシリコンウェハの作製方法を説明できる。
D2:1-3
11週 "パタン描画、電子ビーム描画
 フォトマスク作製とパタン直接描画、
 パタン転写、解像度と焦点深度"
リソグラフィについて説明できる。
D2:1-3
12週 "エッチング、
 ウェットエッチング及びドライエッチング
 反応性イオンエッチング、エッチング反応式
"
ウェットエッチング及びドライエッチングについて説明できる。D2:1-3
13週 "MOS FETの解析と等価回路
動作遅延時間、短チャネル効果、閾値電圧のチャネル長依存性、パンチスルー現象、拡散抵抗器、キャパシタ(MOSキャパシタ)、積み重ねキャパシタ"
"MOS FETの諸特性について説明できる。
MOS FETの諸特性について簡単な計算ができる。
"D2:1-3
14週 "ディジタル論理集積回路の基本的な構造と特性
MOS、CMOS、BiCMOS、ディジタル論理ICで使用される基本ゲート回路"
ディジタル論理集積回路の基本的な構造と特性について説明できる。D2:1-3
15週 試験答案返却,
問題解説、出欠及び最終評価確認
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表レポートノート合計
総合評価割合70101010100
基礎的能力50551070
専門的能力2055030