ディジタル制御工学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ディジタル制御工学
科目番号 7044 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子情報通信工学専攻(2023年度以前入学者) 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高木 章二 著, 雨宮 好文 監修 「 図解メカトロニクス入門シリーズ ディジタル制御入門(改訂2版)」 オーム社, ISBN 978-4-274-08670-0,参考書:豊橋技術科学大学・高等専門学校 制御工学教育連携プロジェクト 編著「専門基礎ライブラリー 制御工学 ―技術者のための、理論・設計から実装まで―」実教出版 ISBN 978-4-407-32575-1,岡田昌史 著書「システム制御の基礎と応用 ― メカトロニクス系制御のために ―」数理工学社 ISBN 978-4-901683-52-4
担当教員 滝 康嘉

到達目標

1. 標本化や量子化,それらの注意点について理解できる。
2. システムを状態方程式表現したり,状態フィードバックやオブザーバを設計できる。
3. ゼロ次ホールドやオイラー法,双一次変換により連続時間システムを離散時間システムに変換することができる。
4. z変換やシステムのパルス伝達関数を求めることができる。
5. 制御システムの安定性や可制御性,可観測性を解析できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
サンプリング標本化や量子化,それらの注意点について説明できる。標本化や量子化,それらの注意点について理解できる。標本化や量子化について理解できない。
システム制御論システムを状態方程式表現したり,状態フィードバックやオブザーバの設計ができる。システムを状態方程式表現したり,状態フィードバックの設計ができる。システムを状態方程式表現したり,状態フィードバックやオブザーバの設計ができない。
システムの離散化複数の手法で連続時間システムを離散時間システムに変換することができる。簡単な手法で連続時間システムを離散時間システムに変換することができる。連続時間システムを離散時間システムに変換することができない。
z変換とパルス伝達関数z変換やシステムのパルス伝達関数を求めることができる。z変換を求めることができる。z変換やシステムのパルス伝達関数を求めることができない。
制御システムの解析複雑な制御システムの安定性や可制御性,可観測性を解析できる。簡単な制御システムの安定性や可制御性,可観測性を解析できる。制御システムの安定性や可制御性,可観測性を解析できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業ではマイコンなどに制御システムを実装するのに適したディジタル制御を取り扱う。離散時間システムの解析に便利なz変換や,連続システムの離散化,離散時間システムの解析方法について学習する。本授業では初学者に分かりやすいように,現代制御理論の基礎から筋道を立ててディジタル制御の授業を行う。また,数値計算ソフトを用いたシミュレーションや実機制御の演習を取り入れ,理解を深めてもらう。
授業の進め方・方法:
ディジタル制御の理解には微積分,線形代数,微分方程式,ラプラス変換,力学,古典制御,現代制御(特に状態空間表現)等の事前知識が必要になり,最初は必要な数学について簡単に復習する。前半はディジタル制御と親和性の高い現代制御について詳しく取り扱い,小テストで理解度を確認する。後半はシステムの離散化,ディジタル制御を取り扱い,期末試験だけでなく実機演習も取り入れる。
注意点:
※ システム制御工学やディジタル計測工学を受講していることが望ましい。
※ 遅刻・早退は3回につき欠課1時間とみなし,欠課時数の合計が総授業時間数の3分の1を超えた場合は評価を0点とする。
・ オフィスアワーは別途指示しますが,メールやTeamsのチャットでも質問を受け付けます。
・ また,Teamsを介して講義資料や板書写真を公開し,必要に応じて解説動画も配信します。
・ 課題の提出や添削指導にもTeamsを活用する予定です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 数学の復習(ラプラス変換と線形代数) 古典制御や現代制御の基礎となる数学を理解できる。D1:1-3
2週 数値計算ソフトと状態方程式 システムの状態方程式表現したり,安定性を解析できる。D1:1-3, D2:1-3
3週 状態フィードバックと安定性 システムの状態フィードバックを設計でき,安定性を解析できる。D1:1-3, D2:1-3
4週 状態観測器(オブザーバ) システムのオブザーバを設計できる。D1:1-3, D2:1-3
5週 可制御性と可観測性 システムの可制御性や可観測性を解析できる。D1:1-3, D2:1-3
6週 システムのモデル化 システムの状態方程式表現ができる。D1:1-3, D2:1-3
7週 まとめと復習・発展 本授業で取り上げた内容を復習し,理解度に応じて発展的内容を扱える。D3:1-2
8週 小テストとその解説 現代制御理論によりシステムの設計や解析ができる。D1:1-3, D2:1-3
4thQ
9週 システムの離散化(オイラー法,双一次変換) オイラー法,双一次変換により連続時間システムを離散時間システムに変換することができる。D1:1-3, D2:1-3
10週 システムの離散化(ゼロ次ホールド,比較) ゼロ次ホールドやオイラー法,双一次変換により連続時間システムを離散時間システムに変換することができる。D1:1-3, D2:1-3
11週 離散時間システムの解析 離散時間システムの安定性や可制御性,可観測性を判定することができる。D1:1-3, D2:1-3
12週 z変換とパルス伝達関数 z変換やシステムのパルス伝達関数を導出できる。D1:1-3, D2:1-3
13週 まとめと復習・発展 本授業で取り上げた内容を復習し,理解度に応じて発展的内容を扱える。D3:1-2
14週 まとめと復習・発展 本授業で取り上げた内容を復習し,理解度に応じて発展的内容を扱える。D3:1-2
15週 後期末試験
16週 試験の返却と解説 ディジタル制御理論を総合的に用いてシステムを設計することができる。D3:1-2

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

期末試験小テスト(中間試験相当)課題合計
総合評価割合353530100
基礎的能力10101030
専門的能力25252070